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カテゴリー「794 書籍」の56件の記事

2018年2月11日 (日)

パイプオルガン入門

春秋社刊行、椎名雄一郎著「パイプオルガン入門」という本がある。

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オルガンの歴史、構造に始まってオルガン音楽の流れ、作曲家、名曲、名器、演奏家などさまざまな切り口でディープな割には読みやすくて貴重だ。

「オルガン入門」ではなく「パイプオルガン入門」とせねばならぬのは苦肉の策かとも思われる。ここ日本で断りなく「オルガン」と言ったら足踏みオルガンを想起する人も多かろう。

2018年2月 8日 (木)

バッハのコラールを歌う

またまた書籍のタイトルだ。キリスト教新聞社刊行の「バッハのコラールを歌う名曲50選」という。昨日紹介した「コラール・ハンドブック」と甲乙つけがたい。

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「コラールの名曲を歌ってしまいましょう」というコンセプトで貫かれている。どちらも歌いやすい楽譜付きだけれど、コラールハンドブックは網羅性が売りで総数150だ。こちらは50曲に絞ってある代わりに曲目ごとの解説が細かい。本当に詳しく書いてある。コラダス収載の143曲のうち、33曲が載っている。反対に言うと50曲のうち三分のニがコラダスに載っているということだ。

そして2枚のCDで収載されているコラールがオルガン演奏で聴ける仕組みだ。4200円だがコストパーフォーマンスはよい。

2018年2月 7日 (水)

コラール・ハンドブック

書籍のタイトル。2011年春秋社刊行だ。大村恵美子&大村健二著。

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ただただ素晴らしい本だとしか言えない。

このたびの「コラダス」の企画を思い立ったのはこの本のおかげだ。著述の主体はカンタータに採用されたコラールを網羅することにあるものの、オルガンコラールと共通することが多く、索引情報が本当に素晴らしい。「同一旋律別テキスト」の紐付けが完璧だ。バッハは同じ旋律でもテキストが違う場合に、オルガンコラールに転写する際にキチンと反映させているから、この情報は貴重だ。

2018年1月11日 (木)

カンタータ研究

書物の名前だ。正確には「バッハ カンタータ研究」という。樋口隆一著で、音楽之友社刊行。400ページを超える分厚い本だ。

バッハのカンタータ研究書という体裁ながら、歴史の視点が常に著述の中枢にある。研究史。受容史、演奏史の側面が、おそらく意図的に強調されている。

カンタータを中心据えながらも、必要に応じてバッハ全般への拡大逸脱も厭わない。本当に本当に興味深い。

何よりも特筆すべきは400ページ超の大著の397ページ以降の15ページ少々が「ブラームスと19世紀のバッハ研究」と題されている。この15ページのために5200円を嬉々として支出した。

そこでは冒頭いきなり「ロマン派の大作曲家の中でブラームスは異彩を放つ」と大胆に断言する。以下その理由が詳細な資料を添えながら論述される。ブログ「ブラームスの辞書」が一年を超える期間、悠然とバッハに逸脱する理由は、それだけで十分だ。

2017年12月13日 (水)

マッコークルの抄録

ブラームス作品目録、通称「マッコークル」はもちろんドイツ語で記述されている。そりゃあもうものすごい情報量なのだが、言葉の壁は高い。先般入手した「ブラームスとその時代」という書物の巻末の作品リストは、マッコークルの抄録和訳として機能する。譜例は抜けているものの、作品番号の無い作品や編曲物まで下記の要領で掲載されていて重宝だ。

  1. 献呈先
  2. 作曲年
  3. 初演年月日
  4. 出版年月日

ひとまずこれらが日本語でさくさく読めるだけでありがたい。

2017年12月12日 (火)

大作曲家とその時代

都内某書店で「ブラームスとその時代」という書籍を買い求めた。店頭で手に取って4500円をためらわずに支出した。2017年11月3日西村書店刊だから、出来立てのほやほやだ。クリスチャン・マルチン・シュミットというドイツの学者の著述を和訳したもの。

作曲家の伝記的事項に相応の配慮をしつつ、時代背景に切り込むというスタンスだ。民謡へのあたたかなまなざしも見て取れる。WoO33を背負う「49のドイツ民謡集」を、学術的とまで断言し、ブラームス本人が同作を作曲の集大成と位置付けていたという解釈に目から鱗が数枚落ちた。民謡へのあたたかなまなざしは特筆ものだ。

2016年7月19日 (火)

ヨハンだらけ

記事「バッハ事典」で紹介した「バッハ事典」の見開きにバッハ一族の系図が掲載されている。バッハ自身が一族の音楽家50人の経歴を通し番号とともに紹介している話はよく知られていて、自身には24番をあてがっている。

同書見開きの系図はさらに多く101人が記載されていてるのだが、通し番号が付与されていない者も混在している。基本男子だけが収載の対象だったと思われるが、名前から見て女子と思われている人物が2人いる。通し番号は付されていない。男子でも通し番号のない人もいて、何らかの事情を想像させる。

問題はこの101名、女子を除けば99名のうち、「ヨハン」(Johan)のつく人物が65名に及ぶことだ。大バッハ自身が「ヨハン・セバスチャン」だし、その父は「ヨハン・アンブロジウス」だ。6人の息子のうち2名がヨハンを含む名乗りになっている。

バッハの「祖父の祖父」を始祖とするこの系図は「ヨハンだらけ」だということだ。2人に一人以上の頻度でヨハンが出現する。

65名のヨハンのうち3名が、ヨハンの後にカッコ書きで「ヨハネス」と書かれている。ヨハンとヨハネスは、命名起源的にはとても近い関係にあるとわかる。

また「ハンス」と注記されてい者も2名見える。ドイツ語「ハンス」(Hans)はヨハンの愛称から派生したとされる通説通りだ。この65名全員が「ハンス」と通称されていた可能性もある。

ヨハンは共通なので、ミドルネームで区別している感じもする。歌舞伎役者の襲名に似た事情さえ想像する。日本史でいうなら徳川将軍家の「家」、足利将軍家の「義」、あるいは鎌倉執権北条家の「時」のような「通字」に近いかもしれない。将軍家の場合嫡男にしか付与されないなどの事情もあるようだが、バッハ家ではわりと気前よくばらまかれている。

2016年7月18日 (月)

ある見識

楽しくて仕方がない「バッハ事典」だ。バッハに関係が深い音楽家や研究家が収載されているのだが、不思議なことに、演奏家は対象になっていない。

だから、どんなに高名な演奏家でも、載っていない。レオンハルトもリヒターもヴィンシャーマンも載っていない。

19世紀後半のバッハルネサンスにあって復興に貢献した演奏家もあっけなく脱落している。シャコンヌの演奏を得意としたヨアヒムも例外ではない。クララも載っていない。ブラームスが載っているのは作曲家だからだ。

演奏家を載せない理由はわかる気がする。古くなるからだ。刊行以前の演奏家にしか言及できない。刊行後に登場した演奏家については漏れる。

わが「ブラームスの辞書」が演奏家論に立ち入らないのも同じ理由である。

2016年7月16日 (土)

バッハ事典

某古書店にて発見した。音楽の友社が1993年に刊行した「バッハ事典」だ。1985年バッハの生誕300年を機会に企画されたが刊行までに9年かかったということだ。

注意しておきたいのは「作品事典」ではないということだ。たとえば「ブランデンブルク協奏曲」という語は収載されているが、切り口が作品解説になっていない。

早い話が読んでいて楽しい。必要な言葉を引くのではなく最初から丸ごと読んでいる。収録の内容は「人名」「地名」「音楽用語」「研究用語」など多岐にわたる。「ブラームス」も載っている。ブラームスとバッハの関係が記述される。

定価6500円のところ3700円とはお買い得だ。

さて楽しいことは楽しいのだが、読んでいるうちに悲しくなってきた。このノリで「ブラームス事典」はないものか。マッコークルは「作品事典」だからノリが少し違う。

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2016年7月 1日 (金)

ヨーロッパ人名語源辞典

「ヨーロッパ人名語源辞典」梅田修著・大修館書店刊

A4判上製本400ページで5400円。2003年に出た3版を入手した。

凄い本だ。内容は欧米人の名前の起源について膨大な根拠を羅列した本。興味のある名前について読むもよいが、「ヘブライ」「ギリシャ」「ローマ」「ゲルマン」「ケルト」「スラブ」という切り口での章立てが巧妙なおかげで、読み物としても面白い。収録された名前はゆうに2000を越える。著者自ら冒頭で宣言しているとおり名前の起源を辿ることが欧州の歴史と文化のトレースになっている。著者の専門は英語ということだが、他の言語についても専門家の助言を仰いだことが手に取るように判る。執筆に10年かかったとあるが、全く大げさではない。

昨日無事コンプリートした「人名辞典」の参考文献として特筆大書する義務がある。逆に申せば、この本に出会ったことで懸案になっていた「ブラームス関連人名辞典」にゴーサインが出たようなものだ。

まさしく一生の宝だ。

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