オーケストラの音楽史
飲み会前の空き時間に書店に立ち寄って衝動買い。
古今の大作曲家がオーケストラをどのように扱ったかを切り口とした音楽史。最初の章だけはオーケストラに登場する楽器の構成を歴史的にまとめてある。これがまずは面白い。いわく「オーケストラの構成が固まるのに150年かかった」「歌が混じらぬ構成がこうまで栄えるのはレア」「器楽は声の代理代行から始まった」「ヴァイオリンの誕生こそ貴重」「擦弦楽器の表現力こそ肝」などなど。
著者はドイツの大評論家だが、和訳が巧みなのですんなり入る。
で、2章以降、個別の作曲家とオケの関わりに移る。ハイドンに始まって、途中で章を変えながら淡々と進む。
- 楽器の構成
- ハイドン
- モーツアルト
- ベートーヴェン
- ウェーバー、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン
- ベルリオーズ、マイヤベーア、リスト
- ワーグナー
- ブラームス、ブルックナー、マーラー
- ベルディ、ビゼー、スメタナ、チャイコフスキー、シベリウス
- Rシュトラウス、ドビュッシー、プッチーニ
- シェーンベルク、ストラヴィンスキー
以上だ。メンバーを見てなるほどと感心。ブラームスがいてよかった。バッハはそりゃあおらんがかえって安心。ショスタコーヴィッチやラベルがいないのは意外。
最大の驚きはドヴォルザークがいないことだ。「異議あり」に近い感情。全体の論調がまともなのになぜという感覚。ここに割って入れぬドヴォルザークではないと思うのだが。とくに「9章ベルディ、ビゼー、スメタナ、チャイコフスキー、シベリウス」という章があるのだから。
いかんいかんムキになった。
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