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カテゴリー「796 愛器」の37件の記事

2024年12月12日 (木)

弦は道連れ

愛用のヴィオラのA線をラーセンに代えて1ヶ月経過した。

第一印象は何に付け明るくて、よくも悪くもオープンだと感じた。ここにきてなじんできた。A線ハイポジションのキンキンした感じはおさまった。弦を代えるくらいで私の腕前が上がるはずはないから、これは弦の恩恵に違いない。レスポンスの良さが、キンキンに直結しないということなのだろう。これにコスパを求めてはなるまい。

もう一つ気のせいかもしれないが、このところD線、G線、C線の鳴りに丸みが出てきたかもしれない。A線の交換で他の弦の鳴りが変わるとも思えないのだが、どうしたものだろう。

A線の鳴りが落ち着いたことで腕の脱力が進んだかとポジティヴに想像するが、単なる気のせいという落ちも充分にある。

2024年12月 5日 (木)

ヴィオラ戻る

昨日夜、我が愛器が修理から戻ってきた。

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1日夜、この状態で修理に出したものだ。穴にパテを埋め込んで乾燥1日、ヤスリで成型したあとにニスを塗って1日乾燥させて、磨く。これで今日4日の夕方完成とは、ギリギリだ。明日の練習に備えて無理を聞いてもらった。

20241204_181628

職人さんいわく、この角の部分は損傷することが多く、いわゆるオールドの弦楽器では修理されていないことの方が珍しいのではないかとのことだった。どんなに時代が進歩してもこの手の修理の課程にある「乾燥」だけは絶対に時短できないとおっしゃっていたのが印象に残っている。

しみじみとした気持ちになった。

2024年12月 2日 (月)

緊急大修理

まさに緊急事態だ。11月29日夜いつもの通り練習していて、珍しく弓の毛が2本切れた。何かに引っかかった感じで2本ぷっつりだ。

そのときは気にもとめなかった。交換が近いかもしれぬと思った程度。練習を終えて楽器をしまうときに楽器の損傷に気づいた。

20241201_114002

C線側f字孔の上側にある先端が欠けている。木目も鮮やかだ。長い間楽器に触っているが初めての経験。翌日かかりつけの楽器屋さんに電話して急遽、12月1日に見てもらえることになった。

診察の結果、緊急入院だった。楽器の鳴りや性能にはただちに影響がないと断言されたが、この状態のまま放置して、同じところにまた弓が当たると、致命的な割れにつながるリスクがあるとのことだ。

演奏会の曲目をちっとも練習しないでバッハばかりさらっていたからバチが当たったのかもしれない。

5日に練習があるからと無理を言って4日夕方の仕上がりとなった。治療費は4千円。

 

2024年11月21日 (木)

A線はラー線

「エチュード変ロ長調」としゃれこんでブランデンブルク協奏曲第6番をさらい込んでいる。

A線の鳴りにやや不満を感じるようになった。同曲への取り組みが始まってすぐ、小さくない違和感が生じた。テクニックの未熟を弦のせいにするのはもっての他ではあるのだが、私のテクニックは4本どの弦を弾くにも同様に未熟なのに違和感を感じるのがA線だけとなると、やはり弦に原因を求めてもいいのではと思い始めた。

楽器をメンテナンスし、4弦全てをヘリコアに代えたばかりではあるのだが、1週間前にA線のみラーセンに取り替えた。2ヶ月しか使っていないヘリコアは非常用スペア弦としてとってある。

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デンマーク製。お店の人に悩みを打ち明けると「価格がお高くはあるのですが」と前置きしながら勧めてくれたもの。

第一印象としては、明るくてレスポンスがいい。良くも悪くもオープン。バッハ弾くならもう少し陰影も欲しいところだが、そこはこちらの腕前とのかねあいもあるので、弦のせいにしてはなるまい。

なじむにはもう少し時間がかかるかと。

2024年11月15日 (金)

楽器の鳴り

「エチュード変ロ長調」ことブランデンブルク協奏曲第6番との格闘を通じて、学生時代のヴィオラ生活を思い出してきている。今思うとあの頃はレッスンの課題でしかなかった。先生のお導きに忠実ではあったが、バッハや楽典の知識もまだまだ不足気味だった。あれから40年経過してバッハへの思いの他、音楽の知識一般は見違えるほど堆積してきている。

全然違うのだ。バッハへの思い、音楽の知識をがたまった上で練習をすると聞こえてくるものがある。

とここまでは既にブログで語ってきた。

学生の頃とのもっとも大きな違いがある。

それは楽器だ。大学3年までは入学後購入した7万円のチェコ製の楽器だった。そして4年の春にアルバイトして買ったドイツ製の楽器。92年に今の巨大楽器を購入するまで使い続けた。

その巨大楽器は大きさから来る取り回しの悪さに目をつむって、鳴りに一目惚れして衝動買いしたものだ。だから楽器の鳴りが違うのだ。例えばブランデンブルク協奏曲第6番の第1楽章を象徴する下降する分散和音がC線に差し掛かるときの楽器の底鳴りが格段に違う。あるいはG線上第1ポジション薬指で取るC音がはまったとき、隣の開放弦のCがかすかに、しかしはっきりと共鳴するのだ。C線の開放弦は、1度弾くとちょっとの間響き続けるから、事実上保続低音が実現する。これら全て今の楽器の鳴りがあってこそ実感できる。

あるいはあるいは、もしかして歳を重ねて少しは耳も肥えているかもしれないい。

 

2024年11月13日 (水)

臨時記号の素性

ブランデンブルク協奏曲の第6番を「エチュード変ロ長調」と称して練習している。ひとまず第一楽章に話を限ってみる。もちろんフラットは2個。「シ」と「ミ」につく。同楽章に現れる臨時記号を以下に列挙する。

  1. ナチュラル BについてHを作り出したりEsについてEをひねり出したりしている。
  2. フラット Aについて変ホ長調を作り出すが、変イ長調テイストの時もある。Dにつく場合、これは大抵変ホ長調の属7だろう。
  3. シャープ CやFにつく。これらは大抵ニ短調やト短調のしるしだ。

だいたい上記の6種類だ。実は最近の練習では一つ一つの臨時記号の意味を弾きながら考えている。同曲の全体の調としては変ロ長調とひとまず押さえながら、曲の流れでそれらがどのように移ろうのかが楽しみだ。

学生の頃この曲に取り組んだが、先生からは「味わいなさい」と言われてはいてもあまりピンと来ていなかった。長い中断を経て歳を重ね、今先生の言っていたことがやっとわかってきた。

調性や和声について知識がたまった。今何調で次どこに行くのかが楽しい。重音やアルペジオを弾きながらそれがわかるのは、フィンガリングにも役立つ。ときどきバッハがそれらを逆手にとるのも楽しい。

2024年11月 9日 (土)

巨大楽器の指回し

我が愛器・胴長45.5cmの巨大ヴィオラの話は再三している。その大きさには取り回しの苦労がついて回る。

たとえばG線を例に取る。

第1ポジションで人差し指がA音となる。これにピタリと寄り添って中指がB音を取る。薬指でC、小指でDをと書くのはたやすい。中指を人差し指にピタリと寄せると小指で取るD音が低くなりがちだ。「第一ポジションの長三度を2と4で取りにくい現象」が起きる。歯を食いしばり気味に「よいしょ」とばかり小指を伸ばすと中指がずれ上がる。遅いパッセージならそれもありだが、早いテンポや重音だと困る。

この長三度の重音はシャコンヌの冒頭にいきなり来る。オリジナルのヴァイオリンだと低い方から「DーF-A」だが、5度低いヴィオラ版では「GーB-D」となる。一番上はD線の解放弦だが、GはC線上を小指で取り、BはG線上中指でとなる。この時小指と中指が開かぬ。あるいは届いても、いらぬところで指が弦に触れるのできれいな重音にならない。

しからばと考える。

この音を中指と小指で取らずに人差し指と薬指で取ればいいのだ。

何のことはない、これは先日述べた第2ポジションの分類のうちの「B型2ポジ」にあたる。「2と4の拡張を回避するため」とでも言えようか。実は第2ポジションの2つの形「B型」と「H型」のうちB型が断然重宝するのは、この用法のせいだ。

フラット系楽曲の演奏に重宝するB型が、巨大楽器の取り回しのツールにもなるということだ。第1ポジションだと拡張に難があるこの長3度をヴィオラの各弦でどうなるか以下に示す。

  • C線 Es-G
  • G線 B-D 
  • D線 F-A
  • A線 C-E

これだけ見ればこの長三度がどれだけ実演上貴重かわかることと思う。そうとりわけフラット系の作品で重宝する。

 

2024年11月 6日 (水)

2ポジ苦手

ブランデンブルク協奏曲の第6番が、さながらエチュード変ロ長調となって重宝だと書いた。無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版にフラット2個のこの長調がないからだ。フラット2個が奉られるこの変ロ長調は、ヴィオラ演奏上の私の課題にぴったりだ。

そう2ポジ。第二ポジションが苦手という課題克服のよい教材だ。3ポジションへの移動や、そこでのフィンガリングに比べて、まだまだ練り込みが足りないのだ。それは初見演奏で現れる。3ポジなら初見でも割と便利に使えるのだが、2ポジは意図的に繰り返し練習しないと回らない。

G線第1ポジションのB音を人差し指で取る。このとき小指はEs音になる。あるいはD線で同様にすると「F音とB音」になる。これは変ロ長調の属音と主音だ。先のブランデンブルク協奏曲第6番にはこの進行が山ほど出る。ところが第1ポジや第3ポジでは移弦せねばならぬ。

息をするように使い回せるようになるために同曲はよい教材というわけだ。おじいちゃんヴィオラ弾きたるもの4ポジ以上の高いポジションをと思い詰める前にこちらの方が重要だ。

2024年11月 2日 (土)

爪のお手入れ

ヴィオラを頻繁にさらうようになって、手の爪を切りそろえる癖がついた。学生時代は当たり前にしていたが、楽器への緩い接し方が続いて途絶えていた。髪と違って爪だけは元気に生えてくる。

とりわけ左手の爪は慎重な扱いがいる。フィンガリングのためだ。伸びすぎはもちろんなのだが、深爪にも注意がいる。

昔は比較的放置していた右の爪も最近はついでに手入れしている。なぜか。

そう。それは初孫だ。孫とのスキンシップでの万が一に備えたいと思い詰める。赤子の柔肌を爪でひっかくなんぞあってはならぬ。若い頃には無かった視点。

2024年10月12日 (土)

アルマンドマニア

BWV1004は大好きだ。無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調だ。そのト短調版をリダウト先生に聴かされて打ちのめされたが、こちらはただでは起きぬ筋金入りのドアマチュアだ。同曲の第1曲だけはなんとかならんものかと弾き始めた。重音が限定的なので、テンポ緩めてスラーぶった切りなら、音だけはたどれる。

そう第1曲のAlmandaだ。アルマンドと通称される舞曲。ドイツ舞曲だ。突き詰めないテンポの4拍子。必ず冒頭にアウフタクトを伴う。これがなぜ「ドイツなのか」なお深い事情があろう。

そういえば、無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版の6曲をいいとこ取りのつまみ食いをしているうちに、どの曲も前奏曲の次に置かれるアルマンドが気にいった。「♪=80」程度にメトロノームを設定して弾くと指慣しに格好の素材となる。遅いといえば遅いがアルペジオも重音もなんとか様になる。特にBWV1007ト長調、BWV1008 ニ短調、BWV1009ハ長調、BWV1010変ホ長調の4つはさらさら流れる。BWV1011ハ短調とBWV1012ニ長調は一旦棚上げだ。

ドイツ好きたるもの、アルマンドははずせぬ。

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