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カテゴリー「803 校正」の7件の記事

2006年2月 7日 (火)

出版前最終校正

作曲家が出版社に作品を渡す直前に実施するチェック。

音符の正誤はもちろんのこと、ダイナミクス記号や、アーティキュレーションの指図の位置や種類の配置が適正かどうかを作曲者の目でチェックしていると思われる。「同じ楽曲中の複数の場所での表記が矛盾を引き起こしていないか」等、チェックすべきことは無数にあると思われる。小さな整合性の積み重ねが軽んじられていないことが重要である。

実はブラームスはこの「出版前最終校正」が念入りだったと信じるところが「ブラームスの辞書」の原点になっている。曲の立ち上げの発想記号、ダイナミクスには特に気を配ったと推測出来る。第一主題や第二主題も同様だろう。そうした主題が同一曲中で回帰する場面にも人一倍敏感だったと思われる。

一旦楽譜が出版されれば、作品は演奏者の手に委ねられる。自作がはるか後世まで正しく演奏されることを願わなかった作曲家はいないはずだ。作曲家の意思が正しく演奏家に伝わるような段取りをおろそかにしていたとは思えない。その最後の機会が出版前最終校正であるに違いない。

2005年6月22日 (水)

不完全版下

だからいわんこっちゃない。完全版下に不備が見つかった。帰宅すると出版社からメールが入っていた。400ページ中、3ページで印刷濃度が薄くなっていたそうだ。ページ数の抜けはチェックしたが、印刷ムラのチェックが甘かったということだ。いや、悲観してはならない。この現象はポジティヴに考える必要がある。

逆に言うと3ページで済んでよかった。3ページならば再出力は大した苦労ではない。逆に「もっとあるなら早くおっしゃって」といいたい気分である。また、譜例を切り貼りしたページでなくてよかった。譜例を貼る作業をしていて印刷ムラに気付かなかったことになるからだ。わが子の不始末を、親切にも叱ってもらったようなものである。

それにしてもこちらが渡した完全版下を基に組版する際、1ページ毎にムラをチェックしてくれていることが、わかって感動である。当方の用意した版下に起因する「仕上がり不備」になっていたハズのところを救っていただいたと思わねばならない。

明日午後、再出力した原稿を手渡すこととする。そして、固唾を呑んで見守る毎日が続くということである。

2005年6月11日 (土)

最終校正②

今晩も最終校正に気合を入れた。301ページ「poco piu mosso」から332ページ「ppp」までを確認した。あと66ページ。「p」の項目が終わればゴールはもうすぐだ。この週末に全398ページを完了したい。来週火曜日から譜例の切り貼りに入り6月19日には最終稿を出版社に手渡すことを目標にしよう。6月20日以降早いうちに納品の時期が判明する筈だ。

データベースをエクセルに打ち込むのに5ケ月半、ワードに原稿を打ち込むのに3ケ月半、譜例の選定と作成に1ケ月合計3回の校正に2ケ月、恐らく印刷と製本に1ケ月だろう。

念のため断っておくが、私は都内の普通の会社に勤務するサラリーマンである。つまりこれら出版に必要な作業は全て夜か週末にコツコツと続けたというわけだ。仕事しないでこれだけに打ち込んだら前段のデータベース作成とワード入力の部分は半分の時間で出来たはずだ。自費出版本の著者の平均年齢は60歳を少し超えたところという。定年で辞めた後にコツコツ取り組むということなのだろう。

ただ、データベース作成の基礎資料となる楽譜は作品番号付きの作品だけでも122ある。このほかに作品番号が無いものもある。これを集める所から数えると26年になってしまう。もっと縮めて執筆のアイデアが思い浮かんだ2003年1月から数えても3年半というところである。

2005年6月 8日 (水)

最終校正①

本日の著者校正は「piu f」から始まった。「p」の項目は一番数が多い。「p」や「pp」のほか「poco」や「piu」というブラームスお得意の微調整語が含まれるためだ。全400ページのうち実に134ページが「p」で始まる語句になっている。本日はそのうちの263ページの「piu f」からはじめて287ページの「poco calando」まで終わった。

本文中に実例として列挙した全ての場所について、実際の楽譜をあたり、本当にその語句が楽譜上に存在するかどうか確認するのが最終著者校正の目的である。「piu f」のように実例が100箇所近くになると、それだけで30分以上かかってしまう。実際の楽譜をあたると表示した小節数が違っているケースも発見され、その都度修正する。今回の最終校正に入ってから発見して修正した誤りの数は既に30箇所を超えている。これが放置されたまま刊行されていたらと思うと、校正はつくづく大切だと思う。

同時に、譜例が挿入される場所の余白幅と位置に誤りが無いか確認をしておく。

根気が要る作業である。2003年にこの本の執筆を思い立ってから2年と少々の道のりを思えば、ここで手を抜くわけには行かない。ゴールはもう間もなくである。

2005年6月 4日 (土)

最後の校正

二度目の校正から原稿がかえってきたのが5月21日。それ以来今日まで、最後の校正に追われている。原則として見出し毎に用例を列挙しているが、そこに記した通りの場所に間違いなく実例が存在しているかの確認である。原稿を読みながら一箇所一箇所スコアと対照し、誤りがあれば修正するという作業である。同時に音楽用語のスペルの誤りもチェックしている。譜例の余白の位置と幅の最終調整も同時に行う。これが思っていたよりも難儀で、もう2週間になるというのにまで「Meno」あたりをうろついている。ページ数にしてまだ半分にも届かない。仕方のないところである。これが最後の著者校正で、この工程を終えると、実際の版下をプリントアウトすることになる。残るは、譜例の切り貼りだけだ。今日以降の記事は実際の作業ごとにリアルなタイミングでの記述となる。6月中に出版社に完全版下を手渡したいものである。そこから刊行までうまくいけば三週間だそうだ。

2005年6月 3日 (金)

譜例との格闘

音楽書にはつきものの譜例を、当初は掲載しないつもりだった。総見出し数1164である。見出し一つに1箇所としても1164箇所だ。譜例1段で文書3行分に相当するためこれだけで3500行。1ページの行数が35なので最低100ページにもなる。ピアノ譜面など2段使いの譜例も少なくないので譜例だけで200ページ近くになる。1見出しに複数の譜例が必要なケースもあるため、あれもこれも譜例を欲張ると1000ページに近づいてしまうから、いっそ譜例をなしにするつもりでいた。それでもA5で372ページである。しかしである。譜例なしはいかにも愛想がない。見積もりを400ページとしているのであと28ページ、譜例数にして約170箇所を厳選して載せることとした。泣く泣く譜例を173箇所選んだ。楽譜作成ソフトで譜例を作成し、段数に応じた余白をワード上にさしはさんで行く。ここに後から糊で貼り付けるという訳だ。一見難儀な作業である。ここいらを著者が自ら行うことがコストダウンの肝でもある。ところが、この作業楽しくて仕方が無かった。楽しい作業をすることでコストが下がるのだから文句はない。173箇所に絞る苦労に比べれば天国である。出来上がった173の譜例をカッターで綺麗に切り取る作業まで約3週間であった。

2005年6月 2日 (木)

出版契約

初稿では誤植はつきものという言葉に励まされ、原稿を手渡す日を4月15日と決定。いつものファミレスに行く。社長に「おめでとうございます」といわれキョトンとする。出版の過程にあって、原稿の完成はひとまず区切りなのだ。めでたいのである。既に雛形で確認済みの契約書に署名捺印してめでたく出版契約の成立である。おごそかに原稿を手渡す。校正者の空き具合にもよるがゴールデンウイーク前に1回目の校正が完了するという。ありがたい。連休を使って指摘に答えることが出来る。自費出版に限らず校正は必ず辿らねばならぬ過程である。なんだかドキドキする。本当に本になるのだという実感が湧いてくる。家を建てたり、車を買ったり、楽器を買ったりしたときの感じとも少し違う、言いようの無い高揚感がある。車は高いお金を払うが10年も乗れば長いほうであろう。本はずーっと残る。大袈裟に言えば生きていた痕跡がキッチリ残る。さてさてプロの校正者の目から見てどんなふうに映るのか、怖くもあり楽しみでもある。

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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