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カテゴリー「810 ミンダス」の5件の記事

2011年12月 1日 (木)

長調の比率

ミンダスと銘打って民謡のデータ収集を始めた。集計項目に調性を入れておいたのが効いて興味深い傾向が浮かび上がった。主音がどの音かにはさほど意味は無いが、長調か短調かには注目していい。手許のCD収録の150曲を対象に集計した長短比率はおよそ80:20で長調優勢だった。

民謡のカテゴリー所属の最初の記事は2006年5月19日の「民謡風」だった。そこではブラームスの歌曲および民謡についての長短比率を載せておいた。これとの比較は興味深い。

  • ドイツ民謡 80:20
  • ブラームスの歌曲 54:46
  • ブラームスの民謡 58:42

ドイツ民謡の比率にはなお考察がいる。我が家のCDは私が店頭で適当に選んだものだ。CDに収録されている作品の調など気にせずに買った。その意味ではランダムだ。だからドイツ民謡全体の長短比率をパラレルに反映していると捉えたい。おそらくドイツ民謡は長短の切り口で見る限り数の上では長調優勢なのだと思う。その比率はおよそ80:20だと考える。

ブラームスが民謡集の名で刊行した民謡における長短比率は、死後の刊行を含めて58:42だ。ざっくり60:40だと解される。80:20の比率で長調優勢のドイツ民謡の沃野から、短調作品を倍に濃縮して汲み取った。短調の比率には以下の通りの傾向がある。

ブラームスの創作歌曲>ブラームスの民謡編曲>ドイツ民謡全体

テキストと旋律でのみ伝承される民謡に、豊かな和声とピアノ伴奏を添えることで芸術作品として世に問うた。そのための題材を民謡からすくい上げる過程で短調に傾斜したということだと読める。

2011年11月 1日 (火)

解釈に苦しむ

ミンダスと称して手持ちのドイツ民謡集のCDに収録されている民謡を集計している。バカにしたものでもなくて既に452曲の民謡が集まった。一通り全部聴いた。不思議なことがある。

ブラームスが最晩年に刊行した「49のドイツ民謡集」で取り上げられた民謡の中に、ミンダスに出現しないものがある。たとえば「In stiller Nacht」だ。これはWoO33-42を背負う名作だ。「49のドイツ民謡集」を代表する作品。

ブラームスが刊行した「49のドイツ民謡集」が「おいしい水」とするなら、ドイツ民謡全体は源泉とされるべきだ。ブラームスが取り上げた旋律がどこかに痕跡として存在する方が自然だ。誰かが作曲した「民謡風歌曲」だったとしても、ミンダス452曲に痕跡すら残らないのは、理解に苦しむ。「In stiller Nacht」はツッカルマリオの「ドイツ民謡集」から採られているが、これほどの名旋律を世の中のドイツ民謡のCDが揃って無視というのは解せない。さらに先般ホルホルと購入したドイツ民謡集にも記載が無い。

実はこの作品、民謡にブラームスが和声と伴奏を付与した程度ではなく、既存の聖歌を元に創作したという説が根強くささやかれている。原曲は似ても似つかぬ曲だった。だから一般の民謡集にその痕跡が現れないということかもしれない。

2011年9月 8日 (木)

ミンダス

おかしな言葉だ。著書「ブラームスの辞書」は膨大な楽語データの下敷き無しには存在しえない。その下敷きデータが「ブラダス」だ。ドヴォルザークにもベートーヴェンにも同様のデータがあり、それぞれ「ベトダス」「ドボダス」と名付けている。コミック「のだめカンタービレ」のデータは「ノダダス」である。

その論法から言うと「ミンダス」は「民ダス」であり、ドイツ民謡の基礎データになっている。このところドイツ民謡に触れる機会が多く、CDや楽譜や解説本に出現する民謡のデータをエクセルで管理し始めた。

  1. 冒頭の歌い出し
  2. ブラームスの関与
  3. 我が家のCDへの収録
  4. 楽譜の有無
  5. 通称
  6. 作曲者

これらをキチンと整理しておかないと、解説本を読んだ際の脳味噌の反応が1手遅れる。ドイツ民謡のCDを購入した際、そこに収録されている作品について、ブラームスが関与しているかについては、一瞬で判るようになった。民謡だから調性を詳細に集計することにさほどの重要性はない。短調と長調かが判ればよい。

2011年7月20日 (水)

アルスタースズメ

先日入手したMEMBRANN社製の「ドイツ民謡集」10枚組を眺めていて面白いことに気付いた。9枚目と10枚目のCDのタイトルや歌い出しの部分に地名が出現する。

  1. Bi uns in Altona 
  2. An de Alster,an de Elbe,an de Bill
  3. Meine Ostsee
  4. Einer Mowe von der Elbe

「Altona」はハンブルクの地区名、「Alster」はハンブルクの湖、「Elbe」はハンブルクが面する大河、「Ostsee」はバルト海だ。つまりこれらはハンブルク関連地名だ。そのつもりで10枚目のCDの演奏家を見て驚いた。「Hamburger Alsterspatzen」となっている。「Spatzen」は「Spatze」の複数形。「Spatz」は微妙な単語でいろいろな意味があるけれどここは素直に「スズメ」と解する。演奏する団体の名前として「ハンブルクのアルスタースズメ」という程度の意味だろう。

CDの演奏を聴く限り歌手付きの楽団だ。オーケストラよりも気軽な感じの団体だと解して間違いはあるまい。「ハンブルク、アルスター、楽団」というヒントで思い出す人物がいる。ブラームスの父親だ。息子のコネで最終的にはハンブルクフィルのコントラバス奏者になったが、それ以前は「アルスターパビリオン」の楽団で弾いていた。アルスタースズメという団体名だったかどうかは不明だが、何だかかすっている気がする。

演目は港町ハンブルクを象徴するようなタイトルばかりが並んでいる。

Dscn2900

2011年7月19日 (火)

MEMBRAN

ドイツのレーベル。中古CDショップを徘徊していてお宝を発見した。ドイツMEMBRAN社製の「ドイツ民謡集」全10枚組だ。価格は1050円。速攻ゲット。

聴いてみる。全部で155曲のドイツ民謡が収録されている。未知の作品もかなりあった。何より面白いのは演奏家だ。全部で20組ほどになる。このレーベルが版権を持つ録音の中から「めぼしいドイツ民謡を集大成しました」という感じだ。解説書が読めない、録音が一部古いという難点はあるが、お買い得だった。

アカペラあり、ピアノ伴奏あり、オケ伴ありで飽きさせない。往年の大ソプラノ・シュワルツコップも歌っている。コロラトゥーラをちりばめた歌い崩しが微笑ましい。「Es stehen drei Birken auf der Heide」という作品があった。「Birken」は「白樺」で、「Heide」は「荒野」だからぎょっとした。ロシア民謡「白樺は野に立てり」を思い出したが旋律は全く別物だった。

特にお宝はウィーン少年合唱団」の歌う「Kein schoner Land im diese Zeit」(美しき谷間に)が聴けたことと、「Wach auf mein herzen Schone」が聴けたことだ。後者はブラームスが5通りの編曲を残した佳曲だが、ここで聴けるのはブラームスの5種類とは別の編曲だ。

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