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カテゴリー

カテゴリー「055 令和百人一首」の142件の記事

2020年7月17日 (金)

ひとまず決着

昨日、鴎外先生とブラームスさんを見送ったことで、1月10日から続いた和歌への脱線をひとまずお開きとする。

明日から徐々に本来のネタに回帰する。リハビリが要りそうだ。

2020年7月15日 (水)

お盆のファンタジー40

5杯目を飲み干してブラームスさんが「ところで源実朝って誰じゃ?」と聞いてきた。鴎外先生が「いかんいかんまだ説明出来とらん」と頭を掻く。「あなたを生涯の作曲家と決めて40年、このほどようやく生涯の歌人を決めました」「それが源実朝です」と即答する私。

「いやいや実朝某を私になぞらえているのでな」とブラームスさんが身を乗り出す。歌人と作曲家を紐付けた試みのことだ。

  1. 大伴家持   662 バッハ
  2. 紀貫之      718 モーツアルト
  3. 源俊頼     1055 ハイドン
  4. 藤原俊成  1114 ベートーヴェン
  5. 西行        1118 シューベルト
  6. 藤原家隆   1158 ショパン
  7. 藤原定家  1162 ワーグナー
  8. 九条良経  1169 メンデルスゾーン
  9. 後鳥羽院  1180 シューマン
  10. 源実朝     1192 ブラームス
  11. 藤原為家  1198 チャイコフスキー
  12. 後嵯峨院  1220 ドヴォルザーク
  13. 京極為兼  1254 ドビュッシー
  14. 伏見院     1265 マーラー
  15. 足利義政  1436 シェーンベルク

「日本の有名歌人たちの位置づけを急ぎ飲み込むにはうってつけの資料だな」とブラームス先生。「ブラームス先生が遅れてきたロマン派である点やバッハ先生への傾倒、シューマン先生との関係、ワーグナー先生の位置づけ、もろもろ全て熟考の成果です」と私がどや顔気味にまくしたてる。「ブルックナー先生やリスト先生にあてていたら、その歌人の位置づけはすぐにばれますよね」と付けくわえた。

「シューマン夫人やマーラー夫人がいないのが残念だ」とブラームスさん。「いやいやそうは申しても」と鴎外先生が割って入る。「女流歌人の位置づけは女流作曲家の位置づけよりも格段に高いんじゃよ」と。「そういえばわしが曲をつけた詩人は男性ばかりだった」とブラームスさんが感心しきりだ。

私が次女に合図を送った。次女がいそいそと二人に包みを差し出す。「開けてください」と私。

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「令和百人一首書籍版をマスクのお礼に差し上げます」と次女が高らかに言い放つ。「表紙は源実朝なんですよ」と付け加えた。

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ぴったりサイズの特製ケース入りだ。パラパラとめくっていた鴎外先生が奥書きを見て驚いた。「10部印刷なのか?」と。「製版代もばかにならんじゃろ」と出版事情にも詳しいブラームスさんが割って入る。「まあオンディマンド印刷ですわ」と私。限定10部の1番を鴎外先生に用意しましたと。「わしのは7番になっとるわい」とブラームスさん。「一応お誕生日に合わせました」と控えめなどや顔の私。

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2020年7月14日 (火)

お盆のファンタジー39

乾杯のジョッキをあっという間に飲み干したブラームスさんが待ちかねたように口を開く。「道中音楽の話が全く出なかった」「興味深い日本のポエムの話ですっかり盛り上がった」鴎外先生も遅れて飲み干して加わる。「私の作品を選んでくれてありがとう」どうやら「令和百人一首」のことを言っているらしい。「31音の短詩とは優雅なことだ」「賛美歌にも同一の音節構造を持つテキストに旋律を共有させる仕組みがあるけれど日本のは繊細だな」とブラームスさんが得意げに話す。「和歌を選んで配置することも十分に芸術ですね」と鴎外先生がポツリとつぶやいた。「道中2人で全百首を味わってきたよ」というとブラームスさんが「いやはや楽しい」と満足気だ。

「それにしても和歌の伝統とはさすがだな」とブラームスさんが溜息をつく。「少なく見積もって1200年も同一の詩型が維持されているとは」どうも道中の鴎外先生の講義はそうとうな細部にまで及んでいたようだ。

鴎外先生はやっと「選んでいて楽しかったろう」と少し話題を変えた。「はい」と私。「時代順の配列」「日本史と和歌史のバランス」「本歌取りの優先的採用」と続けても鴎外さんはうなづくばかり。「加えて和歌へのリスペクト」とブラームスさんと鴎外さんが同時に口走ったのには驚いた。驚いてばかりもいられないので「同時に古典へのリスペクト」と私が切り返すとブラームスさんは立ち上がって私をハグしてくれた。鴎外先生は笑いながら「ディスタンス、ディスタンス」と言っている。

「ブラームス先生を筆頭とする欧州の古典音楽の作曲家たちの話題なら一晩中語っていられるのだから、自分の国の歌人についてそれが出来ないのは文化的に恥ずかしい」というと鴎外先生は小さくガッツポーズを作ってくれた。「古今の優秀な作品に数多く触れてそれについて語れることは生涯の宝になる」「これらを出来るだけ暗記しておいて、ふさわしい場面で思い出せることが人生を豊かにする」などと巨匠二人の前で調子に乗ってしまった。

「古典古典古典じゃな」と鴎外先生がポツリとつぶやく。「古典を知り尽くした上でないと乗り越えることも出来ん」「壊すべき古典のない無手勝流では、やがて廃れる」と堰を切ったようだ。「陸軍用語の前衛、フランス語でいうアヴァンギャルドは、芸術用語としては危うい」「軍隊用語なら奇襲を受けぬよう本体に先行する小隊の意味で、本隊は必ず前衛の後を追うものだが、芸術は単なる異端との境目が曖昧だ。用心せねばな」と陸軍ネタにはやけに明るい鴎外先生だ。「だからじゃ」とブラームス先生が割り込む。「わしがドイツバロックにのめり込むのも同じ理屈だよ」「未来の音楽には興味はなくて、ただ未来に残る音楽を書きたいと思ったら歴史を顧慮せざるを得ぬ」「わしなんぞはけして筆頭ではないんだよ」

 

2020年7月 9日 (木)

和歌で6ヶ月

今年1月10日にカテゴリー「令和百人一首」を立ち上げてから6ヶ月たった。和歌で半年凌いだということだ。ブログ「ブラームスの辞書」のゴールに必要な記事10252本のおよそ1.7%を稼いだことになる。脱線逸脱を承知の暴挙だったが、意外と楽しんだ。がそれは図らずもコロナウイルスの蔓延と重なった。心を痛めつつも記事を発信し続けた。

世の中を支える医療従事の皆様方にささげたい。

 

2020年7月 3日 (金)

ゼミのテキスト

昨日の記事で書籍版「令和百人一首」の画像を公開した。A4版フルカラー120ページ。眺めているうちに妄想が始まった。

これをテキストにゼミの講師がやってみたい。「和歌史」「日本史」のゆるやかな融合。年間20~30コマくらいか。少人数の若人と語り合ってみたい。試験だレポートだ単位だと堅いことを申す気はない。各自が自選百人一首を作ることがゴールで、それをまた批評しあう。

議論の過程で、天皇制、武士政権、文学史、連歌などさまざまな領域に脱線もするだろう。受験日本史との差異を実感するだろう。「ブラームスの辞書」をテキストに音大でブラームス学を講義したいという発想と同じだ。

 

2020年7月 2日 (木)

非売品

オンディマンド印刷にかけた「令和百人一首」の画像がこれ。

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これが表紙。もちろん源実朝だ。

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こちら裏表紙は後鳥羽院だ。

思い通りのクオリティ、限定10部の少部数ながら、もうこれだけで心が震える。

 

2020年6月30日 (火)

合わせ1%クラブ

本年1月10日に立ち上げたカテゴリー「令和百人一首」は昨日までに135本の記事を発信した。単に一日2首を発信するだけなら50本で事足りるはずだが、都合85本も与太話が加わったということだ。周辺のもろもろが実は面白い。

さて、ブログ「ブラームスの辞書」はブラームス生誕200年の2033年5月7日まで毎日更新を続けると宣言して久しい。これに必要なのは10252本だ。その1%を単独のカテゴリーが稼いだ時「1%クラブ」と呼んでいる。令和百人一首は歌人100名の共同作業ながら1%クラブ入りを果たしたということだ。

2020年6月28日 (日)

行書縦書き

やはりというか案の定というか。書籍版「令和百人一首」はお歌が横書きになっている。この度の「拾葉百首」を選んだついでに試しに縦書きを試みた。フォントも行書にしてみた。

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小倉百人一首の読み札仕様とでも申せばいいのだが、いやはや何とも雰囲気が出る。やはり和歌は行書縦書きがいい。パソコンでこのありさまだから本当の毛筆ならもっと盛り上がるだろう。実際のところ漢字がもう少々大きい方がいいけれど十分美しい。

2020年6月26日 (金)

手の力

拾葉百首の05足利尊氏のお歌。

 軒の梅は手枕近く匂ふなり窓の隙漏る夜半の嵐に

あるいは小倉さんちの周防内侍

 春の夜の夢ばかりなる手枕に甲斐なく立たむ名こそ惜しけれ

手枕だ。このうちの「手」に注目している。「手~」という言葉も実は「脳内補正語」なのだが「令和百人一首」本体には現れなかった。なんとしてもこれを話題にしたくて、補足版の「拾葉百首」を急ぎ公開したというのが本音だ。

名詞に限ってもたくさんある。

手合い、手垢、手当て、手合わせ、手入れ、手植え、手遅れ、手弱女、手鏡、手書き、手加減、手数、手形、手刀、手柄、手切れ、手首、手暗がり、手際、手ぐすね、手癖、手管、手心、手駒、手籠め、手先、手さばき、手触り、手塩、手下、手品、手順、手隙、手すさび、手すり、手狭、手助け、手立て、手練れ、手づかみ、手付き、手付け、手伝い、手綱、手詰まり、手取り、手直し、手並み、手習い、手縫い、手ぬかり、手ぬぐい、手の内、手延べ、手の者、手始め、手筈、手放し、手番、手引き、手拭き、手札、手ぶら、手弁当、手ほどき、手本、手間、手前、手招き、手土産、手向け、手持ち、手元、手盛り、手分けetc

名詞以外でも以下の通り。

手荒い、手控える、手厳しい、手強い、手慣れた、手緩い、手走る、手早く、手短

手が先頭に来ないケースもある。

大手、勝手、搦手、後手、衣手、上手、先手、苦手、下手、不手際、担い手、得手、元手、番手

「しゅ」と発音するケース

手腕、手芸、手動、手術、手段、手工業

何より大和言葉の雰囲気が充満する。どこか優雅な感じ。これが「脳内補正語」になるのはそのせいだ。もう「hand」の意味は相当薄れてはいまいか。「手が1音の単語だからだ」というのは通じない。元々ひらがな一文字の名詞には身体に関する語彙が多くて「手」以外にも「胃」「尾」「毛」「背」「血」「歯」「目」などがあり、実は「気」や「名」も怪しい。なのにこうした機能は「手」が群を抜く。直立歩行を獲得した人類が、歩行に使わなくなった前足を「手」として発展させたからとまで申すには気も引けるが、「手は口ほどにものを言い」と言いたいくらいだ。諸外国の言語ではどうなっているのだろう。もし人類の直立歩行に原因があるならどんな言語でも同様の傾向があるはずだ。英語に「hand」を含む単語や慣用句がどれほどあるか興味深いが、受験英語の範囲ではあまり記憶がない。

手が語尾に来るケースでは英語でいう「~er」(~する者)の意味があるかもしれない。将棋でいう「turn」(手番)の意味も含んでいるように見える。「自ら」「反自動」などさまざま分類を試みている。

もはや微妙な意味を付加する「微調整語」あるいは「五七五七七の韻律合わせ語」として発展したのではないかとさえ思えてくる。

 

 

 

2020年6月14日 (日)

落ち葉拾い

「令和百人一首」選定の過程で、かなりの数の歌人が落選の憂き目にあったと記事「落選供養」で述べた。このたびその供養を実行に移すための企画を立ち上げる。実際に一度は候補に入りながら最終的に落選した歌人は50人を超える。それらベースに、さらに古今の秀歌を集めて百人一首をもう1セット作成した。名付けて「拾葉百首」という。本体の「令和百人一首」では日本史と和歌史のバランスに心を砕いたが、今回は日本史への配慮は無し。時代の偏在もOKで、ただただ好きな歌を集めるということに腐心した。

見開き二首の歌合せテイストは引き続き温存する一方、歴代の勅撰和歌集の体裁に習って「春上」「春中」「春下」「夏」「秋上」「秋中」「秋下」「冬」「雑」の部立てを設定した。ブログ上での公開は「令和百人一首」のように「1記事あたり二首」ではなく「1部立て1記事」とする。新たにカテゴリー「056 拾葉百首」を立ち上げる。

この依存症もはや重症化している。PCR検査が必要なくらい。

より以前の記事一覧

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