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カテゴリー「301 バッハ」の710件の記事

2024年7月14日 (日)

彼らみな汝を待ち望む

三位一体節後第7日曜日用「Es wartet alles auf dich」BWV187だ。この日の説教は4千人の空腹を7切れのパンで満たした奇跡のお話。

管楽器の参加はオーボエ1本だけだが、無論マンフレート・クレメント先生。第1曲合唱に先立つソロが気分を決定付ける。この手の決定的なソロはまさに独壇場だ。本カンタータは先の説教の内容を音楽が忠実にトレースしてゆき、冒頭テキストでそれを歌い出すのは合唱だが、オーボエのソロはそれを事前に掃き清めるかのよう。

登場する全てのアリアや合唱がストーリー上の意味を持っている。がしかし、そこにどの声種を充てるかまでは聖書には書いていない。そのチョイスがバッハの判断かと思うと背筋が伸びる。全7曲のうち1,3,5,7の各曲にオーボエの出番がある。全体の中央の第4曲バスのアリアにオーボエをかぶせぬバッハ先生の選択にひれ伏すばかりだ。

フィナーレで合唱が「大地は神によって整えられた」「私たちの命のためにパンやワインを作らせた」と歌って閉じる。

2024年7月 9日 (火)

アルトをどうする

話せば長い。カール・リヒター先生のバッハ・カンタータ選集全75曲を聴いていると、起用する独唱歌手の序列が鮮明に浮かび上がる。バスのディースカウ先生を筆頭に、テノールはペーター・シュライヤー先生だし、ソプラノはエディット・マティス先生だ。これら3名は出番の数で同声種の他の歌手たちを圧倒する数になっているし、有名作品には必ずありつけている。

ところがアルトは事情が違う。

  1. ヘルタ・テッパー
  2. アンナ・レイノルズ
  3. トゥルネリーゼ・シュミット
  4. ユリア・ハマリ

上記4名だ。出番の数でいうならアンナ・レイノルズが最多ではあるのだが、私の好みはユリア・ハマリだったりする。どうしたものかと思案するうちにこまったのが昨日話題にしたBWV170だ。大好きな作品なのだが三位一体節後第6日曜日用にリヒター先生が採用したのはBWV9であって、このBWV170は落選している。実はこれがアルト独唱カンタータとして脳内最高位にある。リヒター先生がこの曲の独唱に誰を起用するかで、序列がわかるのだが、選集から落選しているために煙に巻かれている。

代わりに愛聴するのがグッドマン盤。ハノーヴァーバンドの演奏でアルト独唱はナタリー・シュトゥッツマンだ。さすがの一言。

まさかとは思うがリヒター先生、適役がいなかったからBWV170の収録を見送ったなどいうことはあるまいな。もし収録されていれば、冒頭のオーボエダモーレはマンフレート・クレメント先生が吹いていたに決まっている。

もはや拷問。

2024年7月 8日 (月)

満ち足りた安らぎ

「Vergnugte Ruh,beliebte Seelenlust」BWV170も三位一体節後第6日曜日用だ。リヒター先生がこの日用に収録したのはBWV9だけで、本曲はスルーされている。

異議ありだ。

私ならこちらだ。

珍しく、合唱の出番がない可憐なアリア。とりわけ第1曲は本当に素晴らしい。揺れる8分の12拍子は、アルトが歌い出すまで、オーボエダモーレが雰囲気を決定付ける。「満ち足りた安らぎ」にピタリだ。

 

2024年7月 7日 (日)

我らに救いの来たれるは

三位一体節後第6日曜日には「Es ist das Hell uns kommen Her」BWV9だ。ガラリア湖で4人の漁師を弟子にした後のエピソード。和解の重要性を訴える。

バスに出番があるがものの全てレチタティーボという珍しいケース。全部合わせても6分程度。むしろ興味はペーター・ルーカス・グラーフ先生のフルートとマンフレート・クレメント先生のオーボエだモーレというのり。

2024年7月 6日 (土)

マタイで競演

昨日、オーボエのマンフレート・クレメント先生の画像を探した話をした。

リヒター先生指揮のマタイ受難曲のDVDにも出演なさっているということで盛り上がったが、さらにうれしい落ちがついてきた。

そのマタイの演奏、コールアングレを吹いているのは、シェレンベルガー先生だった。バッハのカンタータ選集のDISC18で師弟競演が聴けると喜んだが、こちらは画像付きである。

 

2024年7月 5日 (金)

クレメント先生のお顔

リヒター先生のカンタータ選集で、ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ先生に匹敵する位置付けにあるオーボエのマンフレート・クレメント先生だというのに、お顔がわからない。どこかに画像でもないものかと探していたらあっさり見つかった。

我が家にあるリヒター先生指揮のバッハ・ブランデンブルグ協奏曲のDVDにお姿が写っていた。出番があるのが1番と2番。特に2番ではオケの前面に立っての独奏とあって何かと目立つ。

その気になって探すと、リヒター盤のマタイ受難曲やロ短調ミサのDVDにも出演しておられる。

その出で立ちは「品のいい紳士」という表現でピタリだ。

その上オーボエの音がきれいということだ。もう惚れ惚れだ。

2024年7月 4日 (木)

バッハの6曲

「シュープラーコラール」と通称される一連のオルガン作品がある。BWVで申せば645から650までの6曲を指す。出版譜には次のように書かれている。

「2つの手鍵盤と足鍵盤を持つオルガンで前奏するためのいろいろな種類の6つのコラール」

出版人は「テューリンゲンの森の近くのツェラのヨハン・ゲオルグ・シュプラー」とある。だからこれらが「シュプラーコラール」といわれているということだ。1746年以降という事以外出版年はわかっていない。作曲年は不明だが、6つのうち5曲までが、カンタータの単一楽曲からの編曲になっている。残る1曲BWV646も実は現存しないカンタータからの編曲とする説もある。バッハ在世時にすでに人気が出てきた楽曲を作曲者自身が手際よくオルガン独奏曲に仕上げたとも受け取れる。楽譜の売れ行きを考慮したマーケティングのたまものとするなら、出版人シュープラーはなかなかのやり手ということになる。

さてその6曲は以下の通り。

  • BWV645 「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV140の第4曲
  • BWV646 「我いずこにのがれゆくべき」原曲不詳
  • BWV647 「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV93の第4曲
  • BWV648 「わが心主をあがめ」BWV10の第5曲
  • BWV649 「我らとともに留まりたまえ」BWV60の第3曲。
  • BWV650 「イエスよ、今ぞ汝御空より降り来たりて」BWV132の第2曲

BWV10は昨日話題にしたばかりだ。原曲の出所が確かな5曲はリヒター先生のカンタータ選集にも全て入っている。バッハ在世当時の「人気楽曲」だとしても不思議ではない。

 

2024年7月 3日 (水)

我が心は主を崇め

こちらもまたマリアのエリザベート訪問の祝日用だ。「Mine Seel erhebt den Herren」BWV10。リヒター先生はBWV147と同じ祝日用だが重複して採用している。

カトリックでマニフィカトと呼ばれるマリアの賛歌がここに反映している云々。マニフィカトの独訳がそのまま。バッハはこのフィナーレをオルガン独奏用に仕立てている。いわゆる「シュプラーコラール」の4番目に収まるBWV648である。

第2曲アリアはソプラノ屈指の出番。バスがディースカウ先生の出番になってないこともあって、リヒター先生には内緒でアメリンク盤を愛聴している。

2024年7月 2日 (火)

心と口と行いと生き様は

マリアのエリザベート訪問の祝日用「Herz und Mund und tat und lieben」BWV147ではあるのだが、「主よ人の望みの喜びよ」と題されたピアノ編曲があまりに有名で、バッハの預かり知らぬところながら、ややもすると鑑賞を妨げる。

大天使ガブリエルから受胎告知を受けたマリアが親戚のエリザベートを訪ねたということに由来する固定祝日。

その上、バスの独唱がディースカウ先生の出番になっていない。

 

2024年7月 1日 (月)

師弟競演

オーボエのマンフレートクレメント先生の出番集をUSB上に作った。

それを作る過程で、あっと驚くネタにたどり着いた。

リヒター先生のバッハカンタータ選集は全75曲が24のディスクに収められている。その中のディスク18を聴いていたときのことだ。オーボエの演奏家にハンスイェルクシェレンベルガーと書いてあるではないか。

この人ベルリンフィルの主席を務めた人で憧れのオーボエ奏者だった。たしかミュンヘンの生まれだった。シェレンベルガー先生はマンフレート・クレメント先生に師事していたのだ。どこかで聞いたことがあると感じたのはこれだった。

そう。カンタータ137番地と33番では、クレメント先生とシェレンベルガー先生の競演が聴ける。

もはやバッハそっちのけ。

 

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