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カテゴリー「301 バッハ」の210件の記事

2018年6月23日 (土)

予期せぬ到来

ゴールドベルク変奏曲や、平均律クラヴィーア曲集はバッハさんのクラヴィーア作品の中での格別な位置づけにある。両者の冒頭はあまりにも名高い。演奏会にしろCDにしろ、これらを聴こうとすると最初に耳に飛び込んでくる旋律には、とりわけ心が研ぎ澄まされる。ゴールドベルク変奏曲なら「アリア」、平均律クラヴィーア曲集なら「ハ長調プレリュード」だ。

ところが、ところが、アンナ・マグダレーナバッハの音楽帖にもこの2曲は収載されている。CDで再生する場合、先頭には来ない。小曲がさんざん演奏された後、不意にアリアやプレリュードが流れ出す。

虚を突かれた感じで、新鮮だ。成立の順序を思うとき、今ではあまりに有名な両曲も、音楽帖に収められている他の小品と同じ位置づけから始まったのだと思う。

2018年6月22日 (金)

furとder

アンナマグダレーナの音楽帖の愛聴盤を紹介した。

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「Notenbuechlein der Anna Magdarena Bach」となっている。変だ。

愛用の楽譜と比較する。

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「Notenbuechlein fuer Anna Magdarena Bach」となっている。ウィキは「fuer」だ。これだと「のための」と訳したくなる。バッハが愛妻のためにという雰囲気を邪魔しない。「der」だと「軽い所有」のイメージ。筆写者ないし作者がマグダレーナである感じがしてくる。単なる誤植とは思いたくないのだが。

2018年6月20日 (水)

それらしい楽譜

「アンアマグダレーナの楽譜帖」のCDについて昨日述べた。楽譜を見ながら聴きたい性分の私は楽譜も持っている。ピアノ初心者用に、国内の出版社刊行の見やすくて体裁のいい楽譜が安価で出てはいるのだが、私の愛用は下記ペーター版。

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そこはやはり表紙に、デコッた感じのドイツ語が踊っている方が感じが出る。しかも横長なので「音楽帖」っぽい。

開くともっと楽しいのはCDと同じだ。

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パルティータやフランス組曲などと重複する作品は、「そっちを見てね」とばかりに収載を見送っている。だから、楽譜をめくると最初にいきなり「3」になる。ぎょっとするのだが、理由がわかるとかえって好感がもてる。

2018年6月19日 (火)

AMB

バッハ二度目の結婚相手、アンナ・マグダレーナ・バッハや子供たちつまり家族のために、バッハはささやかな曲集を残した。

「Das Notenbuechelein fuer Anna Magdarena Bach」という。「アンナマグダレーナバッハの楽譜帖」と訳される。

愛聴のCDは下記。演奏はチェンバロでなくピアノなのだがストレスは感じない。クリアで実直な演奏。名高いメヌエットがあるのでBGMにもってこいと思って買い求めたが、思わず引き込まれる。2枚組で1725年版全曲収納の上に、1905年出版の復刻版楽譜を模したデザインも美しくて気に入っている。歌詞付きの作品にはソプラノが参入するというおまけつき。

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開けるともっとたのしい。

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2018年6月18日 (月)

おそるべき6枚組

バッハの4声のためのコラールの合唱入りのCDを見つけて「全曲聴きたい」と願ったら、かなった。

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全6枚組で、コンプリートした。本当に楽しい。ライプチヒのトマス教会がドーンと強調されたジャケット。これ一組で何本の記事が書けるやら。

2018年6月17日 (日)

A German Soul

ワールドカップ開幕したばかりのこにタイミングでこのタイトルでは、いわゆる「ゲルマン魂」の話題とも思われかねない。ドイツは統一前からワールドカップの舞台で幾度どなく名勝負を演じてきた。説明不能の奇跡に接した人々はしばしば「ゲルマン魂」のなせる業と理解した。私が初めて接したワールドカップは1974年の西ドイツ大会。ゲルト・ミューラーの決勝ゴールに震えを覚えた中学二年の男の子は、その後ワールドカップにたびにドイツを応援するようになる。

これささやかなフェイクだ。実は先ごろ入手したご機嫌なCDのタイトル。ロウソクをもった乙女2人が寄り添うジャケットデザインですでに1本とられている感じがする。

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またしてもブリリアント社の仕業だ。副題に「Devotional Music 17th-century'Hamburg」と添えられている。「17世紀のハンブルクを切り口とした宗教曲集」という趣きだ。カンタータあり、室内楽あり、オルガン独奏ありの全13曲を供給した作曲家は収録順に下記の通りだ。

  1. Johann Roenmueller(1619-1684)
  2. Heinrich Scheidemann(1595-1663)
  3. Johann Sebastian Bach(1685-1750)
  4. Michael Praetrius(1571-1621)
  5. Franz Tunder(1614-1667)
  6. Matthias Weckmann(1616-1674)
  7. Johann Philipp Krieger(1649-1725)
  8. Dietrich Buxtehude(1637-1707)

この中ではなんとバッハが一番年下である。しかも1720年に一度だけハンブルクを訪れたことがあるとはいえ、バッハとハンブルクの関係はそこまで濃厚とは言えまい。さらに収録の曲がBWV527のオルガンのためのトリオソナタの室内楽版だ。ライプチヒ時代の作品で、ハンブルクとの直接の関係は薄かろう。愛好家へのサービスなのかもしれぬが、むしろラインケンあたりを入れてほしかった。テレマンの落選を「17世紀ではないから」と説明した瞬間に「バッハは?」と切り返されることは確実だ。

突っ込みどころは満載ながらやはりつくづく華麗なメンツである。バロック特集で情報収集しながら作品に親しんできたおかげとはいえ、このメンバーを心から華麗だと思えるから不思議だ。

タイトルがドイツ語ではなくて英語になっている点が、イエローカードの対象だ。

2018年6月12日 (火)

天にまします父よ

オリジナルは「Vater unser im Himmelreich」という。

  1. バッハ BWV636,682,683,760,761,762
  2. ブクステフーデ  Buxwv219
  3. パッヘルベル  P48,475,476
  4. テレマン  TWV31:1

ご覧の通り4名全員の引用がある。それもそのはずの基本中の基本のコラール。プロテスタント必携の5つの教え「教理問答」を丸暗記よりも歌でとばかりに作られた「教理問答賛美歌」の中に入っている。ルター謹製のコラール。

さて、先に記事「8大コラール筆頭」で、「罪びと我を罰したもうな」を、上記4名に加えてブラームスが「別テキスト同旋律」の「心に願うは安き安住」を残していることをもって、筆頭認定した。

この度、8大コラールの序列2位を本作「天にまします父よ」と決定する。

理由は、同コラールはメンデンルスゾーンのオルガンソナタ第6番に現れる。第一楽章が本コラールを主題とする変奏曲、第二楽章が同主題のフーガになっている。

つまりこのコラールはバッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマン、メンデルスゾーンの5者そろい踏みということになる。

2018年6月11日 (月)

深き悩みより

ドイツ語で「Aus tiefer Not Schreischrei ich zu dir」というコラール。コラダス分類では「1000」つまり4名のうちバッハだけが取り上げている。BWV745だ。

1523年ルターは友人にシュラパティンに「ドイツ語テキストの賛美歌集の必要性」を説き、協力を依頼した。依頼の肝は同じ旋律で何番でも歌えるよう、テキストの行数と音節を整えることだ。

翌年これが結実して史上初のドイツ語の賛美歌集となる。

カトリックをはじめとする従来の教会では、歌は聖歌隊が歌い、会衆はこれを聴くという図式だったのを打破する。「みんなで歌おう」という思いを実現するためにドイツ語テキストでシンプル平易を心掛けた歌集だ。

この依頼状に「たとえばこんなふうに」とばかりに添付されたのが本日話題の「深き悩みより」だ。だからもちろんルター作である。

さて、バッハだけと申したが、実は、このコラールはメンデルスゾーンのオルガンソナタ第3番ハ短調op65-3の第一楽章にも現れる。

2018年6月10日 (日)

オルガンソナタ

メンデルスゾーンには6曲のオルガンソナタop65がある。

  1. ヘ短調
  2. ハ短調
  3. イ長調
  4. 変ロ長調
  5. ニ長調
  6. ニ短調

「op65」と言えば、あの名高いヴァイオリン協奏曲の一つ後の番号だ。

メンデルスゾーンは、英国の出版社がバッハオルガン作品集出版にあたって楽譜の校訂を依頼されるくらいの見識の持ち主だ。オルガンソナタは同じ出版社から作曲が持ちかけられたことが作曲のきっかけだった。メンデルスゾーンはオルガン演奏とバッハ解釈で当時の第一人者だったということだ。もともと単一の小品の集合だったのを、メンデルスゾーン自身が6曲のソナタにまとめ上げた。

注意が要るのは、ここでいう「ソナタ」は、古典派以降定着した「ソナタ形式による器楽作品」を意味してはいない。バロック時代における「教会ソナタ」というイメージだ。コラールとフーガを含むことが基本である。

メンデルスゾーンのバロック音楽とりわけバッハに対する深い見識のたまものだ。

2018年6月 8日 (金)

バッハの名によるフーガ

古来、「BACH」という綴りを音名に読み替えて、これを主題に用いることが行われてきた。バッハ本人だってフーガの技法の中で取り組んだ。ロベルト・シューマンにもop60を背負ったフーガがある。

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奇妙なのは「オルガンまたはペダル付ピアノのための」という部分だ。ピアノにペダルがあるのは当たり前だが、ここでいうペダルとは、オルガン同様のペダル用だ。ダンパーだったり、シフトだったり、ソステヌートだったりするわけではない。オルガン代替用ペダル付きのピアノがあったということだ。

本日はシューマンの誕生日である。

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