レセプション
私が所属した大学オケでは、演奏会の後の打ち上げパーティーのことだった。なぜレセプションというかは不明。ここで旨いビールを呑むことが演奏会の目的だったりする例が後を絶たない。演奏会の頻度が高くないアマチュアにとって、その位置付けは否応なく高まる。順番はいろいろだが内容はほぼ以下の通り。
- 乾杯 団に代々伝わる乾杯の歌で幕を開ける。
- 団長の挨拶 団長の仕事のうち最も重要な仕事だった。
- 指揮者挨拶 客演指揮者の挨拶は常任指揮者の時の数倍緊張する。
- ソリスト挨拶 楽器演奏が上手な方は、大人の対応も上手です。
- トレーナーの講評 各セクションのトレーナーがおいでの時は必須だ。
- 懺悔の時間 各パートのリーダーのスピーチはいつしかこう呼ばれた。難儀なソロがあったパートほど盛り上がる。
- 万歳三唱 これも団長が発声する。
シャンパンファイト寸前の年もあった。何かと苦労が多い弦のパートリーダーを囲んで記念撮影が始まる。冬の演奏会の場合4年生は最後のレセプションになるのでそれなりの感慨がある。どさくさに紛れて告白する奴もいたような気がする。
そしてこれこそが、次の演奏会への第一歩になるのだ。
普通に考えると8回経験することになるが、団内での位置付けの高まりと共にレセプションの位置付けもまた変化する。私にとって最初のレセプションはブラームスの2番の後にやってきた。最後のレセプションはマーラーの5番の後だった。最も印象に残っているのは、芥川也寸志先生で悲愴を弾いた時だ。イタリア奇想曲、ヴァイオリン協奏曲というオールチャイコフスキープログラムだった。無謀なことに私がパートリーダーだった。ソロを弾いた古沢巌先生からヴァイオリン協奏曲のパート譜にいただいたサインが今でも宝物だ。この時のビールは旨かった。3年の冬である。最後のレセプションはさびしさが勝っていた。
昨日職場のオケのレセプションがあった。
最近のコメント