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カテゴリー「200 作品」の17件の記事

2016年2月17日 (水)

もっとハンガリア舞曲

有名な5番を含む第一集は1869年の出版。これが爆発的に売れ、ブラームスの名はイギリスにまで広まった。1870年代の初頭において、イギリスでもブラームスのハンガリア舞曲は多くの家庭にまで浸透していたことがいくつかの証言から確実視されている。ドイツレクイエムは1868年の発表だから、その翌年現在、ブラームスは「ハンガリア舞曲とレクイエム」の作曲家だったと言ってもよさそうだ。交響曲はまだ一つも世に出ていない。

オリジナルはピアノ連弾用だが、人気を物語ってか様々な形態に編曲されている。

  1. ピアノ連弾用。オリジナル。初演はブラームスとクララの演奏だった。
  2. ピアノ独奏用。10番まではブラームス本人の編曲が残っている。キーシンの演奏なんかとても2本の腕で弾かれているとは思えない。「神の手」の助けを借りてやしないか心配である。そういえば何だかマラドーナに似ている。
  3. 2台のピアノ用。情けない話だが、連弾用と区別がつかない。
  4. 管弦楽用。1、3、10がブラームス本人により編曲されている。結局全21曲が誰かしらの手で編曲されている。17~21番にはドヴォルザークの編曲もある。
  5. 弦楽合奏用。レオン・ベルニエという人の編曲だが、なかなか良い。
  6. ヴァイオリン&ピアノ用。ご存知ヨアヒムの編曲だ。オリジナルでは嬰ヘ短調の5番がト短調に編曲されている。
  7. チェロ&ピアノ用。アルフレッド・ピアッティというイタリアのチェリストの編曲。1822年生まれだというからブラームスより年長だ。1846年以降ロンドンに住んでヨアヒムと親交があったという。エンドピン無しのチェロを愛用していたそうだ。ヨアヒム四重奏団のチェリスト・ハウスマンの師匠にもあたる人で、ブラームス作品の優れた解釈者だったらしい。有名な5番がヘ短調に移調されているのを筆頭に、ほとんどが移調されている。
  8. ジプシーアンサンブル ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス、ツィンバロン。惜しいかな全曲ではない。
  9. ハープとピアノ
  10. ギター独奏

我が家にCDがあるのは上記の通り。ブラスバンド用もきっとあるだろう。木管五重奏用やホルンアンサンブル用、金管アンサンブル用だって探せばありそうだ。

ある意味でブラームスを代表する作品であることは間違いない。

2015年12月19日 (土)

個体識別の取り決め

古今の作曲家たちが残した膨大な数の作品は、クラシック音楽界独特のしきたりによって個体識別が施されている。これを仮に下記のように分類してみた。

  1. 概ね出版順に付与された通し番号。
  2. 作曲家本人の死後、有力な研究者によって整理分類の上付与された番号。
  3. 同一ジャンルの作品について概ね出版順に付与された通し番号。
  4. 作品の冒頭に採用された調の名前。
  5. 作品の冒頭で採用された発想用語。
  6. 作曲者自らが作品に与えた名前。
  7. 作曲者以外の第三者が作品に与えた名前。

上記のうち1番と2番は相当程度のまとまった作品が残されていてかつ現在も流布している場合に限られる。ブラームスには1番の体系が存在する。いわゆる作品番号だ。作品番号の無い作品については2番の体系も用いられている。

3番は、おなじみ「交響曲第1番」という場合の「第1番」である。同一ジャンルで複数の作品が残っている場合にはこの体系が便利だ。1番の体系との併用でほぼ完璧な個体識別が可能だ。

4番以下は、補足の機能と位置づけられる。4番には鳴っている調と記譜上の調のズレなど一定の理不尽が発生しうる。楽曲冒頭の調だけを特段に取り上げることで誤解が生じる可能性がある。とはいえブラームスにおいては破綻無く機能する。

5番はブラームスにあっては重要。発想記号が名詞機能を獲得しているケースが珍しくない他、繊細な用語使用により事実上標題として機能している。

6番と7番はいわゆる「標題」だ。特に6番をブラームスは意図的に避けていた可能性もある。

これらを駆使して個体識別が行われている。長い間練り上げられてきているだけに慣れてしまえば混乱はない。悩ましいケースがあるとすれば、改訂版の扱いだろう。1854年に発表されたピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8は、第2番op87、第3番op101が出版された後の1890年になってブラームス本人の手によって改訂されている。現在流布するのはもっぱら改訂版だけれどもこの改訂版を4番とは言わない。改訂版であることさえ表示されずに第1番と呼ばれている。上記の体系から見て注意すべき事例はブラームスにおいてはこれだけだ。

困った事例がシュ-マンにある。ニ短調の交響曲は現在4番となっているが、作曲の順ならば1番となるところなのだ。現在流布するのは改訂版とはいえ、これを4番と呼ぶならばブラームスのロ長調ピアノ三重奏曲だって4番とならねば辻褄が合わない。シューマン全集の出版に関与したブラームスとクララに行き違いがあったことは明らかだが、ニ短調交響曲を巡るこのあたりの事情が原因かもしれない。

一定の番号がある程度定着した後になって、その作曲家による明らかな真作が発見されるというのも厄介である。新世界交響曲を「第5番」と記憶している人がいるのもそのせいだ。

ブラームスが破棄したつもりの作品がこの先ひょこっと発見されるのは、愛好家として楽しみな反面、ナンバリングが大変である。ハ短調交響曲を今更2番だなんて思えそうもない。作曲年を無視して後ろにつなげて貰いたい。

2015年8月 6日 (木)

作品番号の相乗り

同じ作品番号に複数の作品が収まっているケースは少なくない。歌曲では全てこの形だ。歌曲1曲で一つの作品番号を占めている例はない。管弦楽付きの合唱曲だとさすがに作品一つに一つの番号という例が現れる。声楽曲の場合、演奏時間が長い大作や編成の大きい曲が「1曲1番号」になっていると断言してよさそうだ。

ところが器楽曲は少し事情が変わる。ベートーヴェン、ブラームスでは交響曲協奏曲全て「1曲1番号」 になっているが、室内楽や独奏曲では対応が割れる。ベートーヴェンの初期では複数の作品が同一の番号に押し込まれていることが多い。作品1にはピアノ三重奏曲が3つ入っているし、作品2にはピアノソナタが3つ属している。作品18は弦楽四重奏曲が6個だ。エロイカに始まる傑作の森に突入すると頻度は減るものの、作品59にはラズモフスキー四重奏曲が3つもてんこ盛だ。その後も作品70、102と続く。

ブラームスにもそうした例がある。晩年のピアノ小品は皆その手である。毛色が違うのは作品21だ。自作の主題による変奏曲とハンガリーの歌による変奏曲が同居している。これなど作品番号が2つに割れても不思議ではない。また弦楽四重奏曲第1番と第2番が作品51を共有しているし、ヴィオラソナタ第1番と第2番は作品120を共有している。弦楽四重奏曲第2番を作品52にしなかったのは何故だろう。あるいは変ホ長調ヴィオラソナタを作品121にしなかったのは理由があるのだろうか。単なる出版の都合なのかも知れぬが、気持ちが悪い。データベース化するときに作品番号の下にハイフンを振って枝番管理をするものとしないものが混在するのは少々厄介なのだ。

作品番号には、理屈では説明の出来ない神秘的なものを感じるから、出来れば「1曲1番号」の方がイメージを膨らませ易いのだが。

2015年5月 2日 (土)

小出し

物事を一度に公開せずに、少しずつ公開することくらいの意味か。

私が19歳でブラームスを生涯の作曲家に決めたとき、ブラームスは既にこの世になかった。当たり前である。音楽心がついた頃には、ブラームスの全作品が世の中に公表済みであったということだ。望みさえすればほぼ全ての作品の録音を聴くことが出来た。ブラームスという作曲家への興味が深まるにつれて次々とレコードやCDを買い求めた。まさに「ずるずると」という表現がはまりこむ状態だった。もちろん楽譜も全てが公表済みだ。全ての作品が公表され尽くしていてこれ以上増えないことは、研究の対象としてはまことに好都合だ。

ブラームスと同世代の人々はそうではなかった。ロベルト・シューマンのセンセーショナルな紹介文に始まる約40年と少々の間、珠玉の作品が小出しにされたのだ。クララ・シューマンやヨアヒムはブラームスが次々と小出しする作品を真っ先に味わう権利を有していた。物心付いたときには全て出揃っているのとどちらが幸せだろう。2つのピアノ協奏曲が店頭で当たり前のように隣り合わせに陳列されていることに慣らされてしまっているから、普段は忘れているが、両協奏曲は20年の歳月を隔てているのだ。ニ短調協奏曲が唯一のピアノ協奏曲だった時間が20年もあったということなのだ。ブラームス作品を全部手許で聴けて幸せだが、この種の小出しならされてみたい気もする。

実は小出しも嫌いではない。ブログ「ブラームスの辞書」は書き溜めた記事の中から毎日1つを小出しにすることで成り立っている。

スペシャルコンサートまであと7日。

2011年1月 2日 (日)

平均律音感チェッカー

昨日、鹿島アントラーズがサッカー天皇杯に優勝した。本日はその祝賀記事。初演特集の流れを敢然とブッタ切って断固発信するおバカネタだ。

作品の冒頭の音に注目する。鍵盤上の12種の音毎に代表作を選んでみた。ルールは以下の通りである。

  • 作品の冒頭が一つの音で出来ている。オクターブの上下は一つとカウントする。
  • 作品の主音である必要はない。

<C> 交響曲第1番ハ短調op68第1楽章 C音単独が冒頭で鳴り出す作品は意外に多い。他にもピアノ五重奏曲第1楽章および第3楽章、交響曲第3番第3楽章および第4楽章などだが、何と言ってもブラ1である。

<Cis> インテルメッツォ嬰ハ短調op117-3 2オクターブにわたってCisが鳴らされる。

<D> ヴァイオリン協奏曲ニ長調op77第1楽章 ライバルは多いがやっぱりこれだ。ヴィオラ、チェロ、ファゴットのユニゾン。

<Es> ホルン三重奏曲変ホ長調op40第2楽章 スケルツォらしい細かい動きを先導するのは紛れもなくEsの音。

<E> 交響曲第4番op98第2楽章 第2楽章を先導する孤高のホルン。

<F> ドイツレクイエムop45第1曲 伸ばすホルンと刻む低弦がともにFである。おそらく「F」はドイツレクイエムを象徴する音だ。

<Ges> インテルメッツォ変ホ短調op118-6 「音のかそけきこの夕べかも」

<G> 弦楽六重奏曲第2番ト長調op36第1楽章 半音下のFisとの絶え間ない交代だから、いささか反則気味だ。

<Gis> カプリチオ嬰ハ短調op76-5 Cisに飛び付くための力強いアウフタクト。

<A> 弦楽六重奏曲第1番op18第2楽章 同じくDに跳躍するためのジャンプ台。世界遺産級のヴィオラの見せ場。

<B> ピアノ協奏曲第2番第op83第1楽章 ホルンの見せ場としてはこれまた世界遺産級。

<H> 交響曲第4番op98第1楽章 候補は多いがやっぱりこれで。

昨日の決勝戦でもし負けていたら、この記事は当分お預けだった。

2010年7月26日 (月)

作品番号の錯乱

ブラームス作品にただどっぷりと浸かっている間にはわからなかったが、ドヴォルザークに親しむようになって感じていることがある。

それが本日のお題だ。

モーツアルトもベートーヴェンもブラームスも作品番号の順番が概ね作曲の順番になっている。もちろん少々の例外もあるが、作品番号順に並べた作品リストがそのまま創作史になる。バッハのBWV番号はジャンル別に整理されたものだからそうはいかいない。作品に通し番号を振る発想がなかったからやむを得ない。

驚いたのはドヴォルザークだ。ドヴォルザーク作品には作品番号を現す「op」の他に「B」という文字を伴う番号が添えられている。ブルクハウザーによる整理番号だ。つまり「op」という体系に不備があるから第二の体系が生まれたということだ。

ドヴォルザークの作品番号の不備は、出版の事情による。「スラブ舞曲」のブレークでスターダムにのしあがった後、ドヴォルザークの作品は引く手あまたになった。スラブ舞曲以前の未発表未出版の作品が発掘出版された。その手法がいささか強引で、旧作であるのにあたかも新作であるかのような作品番号が付与されたのだ。あるいは勝手に番号を付け替えるなどということも起きていた。ドヴォルザーク本人への相談もなしにという強引なケースもあったという。多くは出版社ジムロックの仕業である。ブラームスの作品ではその手のことが起きていないから、対応の差は歴然だ。

あるいは、ドヴォルザークはドヴォルザークで知り合って以降の作品についてその出版優先権をジムロックに認めていた。その約束をごまかすために、新作に古い番号を付けて他の出版社から刊行するということもしていたらしい。どっちもどっちである。

ブルクハウザーもこれを不便と感じたのだろう。ドヴォルザークの作品を丹念に調べ直して作曲年代順にソートして番号を付与したのがブルクハウザー番号だ。

2009年7月14日 (火)

作品番号のコントロール

音楽作品に付与される通し番号を作品番号と呼んでいる。音楽作品に限られているというのは不思議なことの一つである。紫式部作「源氏物語作品1」とはけして言わない。ダビンチ作「モナリザの微笑み」作品2という言い回しも聴かない。

音楽作品が作曲家ごとに通し番号が振られていて便利である。バッハのBWVや、モーツアルトのケッヘルは、本人の死後研究者によって考案されたルールによって発番されているから、作曲家当人は関知しない。19世紀になって作品出版が系統的に行われるようになって発生したのだろう。ブラームスは本人が生存中にほとんどの作品が出版された。だから作品番号の順番は、ある意味で本人承諾済みと言える。

また19世紀後半は、音楽学が学問として体系化された時代であるし、ブラームスは当時最先端の音楽学者と盛んに交流したから、先輩作曲家の作品番号に自然に親しんでいたと思われる。

出版社に送付可能な段階に達した複数の作品が手許にあるとする。ブラームスはそれらの完成原稿を出版社に渡す順番を操作することで、その作品に背負わせる作品番号をある程度コントロールしていたと思われる。作品1がヨアヒムに捧げられたハ長調のピアノソナタであり、作品2がクララに捧げられた嬰ヘ短調のピアノソナタであることは、そうした操作の賜物だと思う。

そして暴走気味にもう一つ、その手の操作の結果ではないかとにらんでいることがある。1875年「5つの二重唱曲」op66が出版された後、しばらくしてブラームスの手許には出版社に送付可能な作品が2つたまった。変ロ長調の弦楽四重奏曲と、第一交響曲ハ短調だ。前者の初演が1876年10月30日、後者のそれは同年11月4日だからたったの5日違いである。結果として初演後にも改訂が加えられた第一交響曲の出版は、変ロ長調弦楽四重奏より遅れたために、作品番号は「弦楽四重奏第3番変ロ長調op67」「交響曲第一番ハ短調op68」となった。

ブログ「ブラームスの辞書」名物、お叱り覚悟の暴走が始まる。

ブラームスは第一交響曲の作品番号を67にしたくなかったのではないだろうか?何故なら67という番号はベートーヴェンの第五交響曲ハ短調と同じになってしまうからだ。音楽界が注目するブラームスの第一交響曲が、ベートーヴェンの第五交響曲と同じ調性を背負い、フィナーレで「苦悩を克服して歓喜に」という理想を実現するアウトラインになっているのだ。このうえ作品番号まで「運命交響曲」と同じでは、詮索好きの音楽ジャーナリストがうるさいに決まっている。

田園交響曲と同じ68であれば騒ぎも大きくはなるまいとブラームスが考えたのではあるまいか。

さらに、第一交響曲をop68にしたことにより、第二交響曲までの間、きれいに独唱歌曲が並ぶこととなった。もし弦楽四重奏曲第3番と順序が入れ替わっていたら、2つの交響曲間の歌曲独占が崩れていた。そうしたら5月5日の記事「谷の百合」が書けなかったと感じる。

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2008年12月 6日 (土)

小節数ランキング

ブラームスの作品中で最も長い作品は何だろう。誰でも少なからず興味があるところだ。この場合演奏時間は決め手にならない。演奏者によってばらつくからだ。仕方が無いので小節数をキーにして検出することにした。作品番号のある作品に限定し、曲の冒頭から終止線までというルールを設定した。但し変奏曲は各々の変奏の最後に終止線があっても無視し、作品の最後までとする。ピアノ三重奏曲第1番はブラームス本人の手による改訂版が現在流布しているが、初版も検索の対象とした。

結果は以下の通りだ。

<楽章単位の部>多楽章の曲は各々の楽章で1曲とする。

  1. スケルツォop4 627小節 
  2. 弦楽六重奏曲第2番第1楽章 605小節 
  3. 管弦楽のためのセレナーデ第1番第1楽章 574小節 
  4. ヴァイオリン協奏曲第1楽章 571小節 
  5. ピアノ協奏曲第1番第4楽章 536小節 
  6. 交響曲第2番第1楽章 523小節 
  7. ピアノ四重奏曲第2番第4楽章 519小節
  8. ピアノ三重奏曲第1番初版第4楽章 513小節 
  9. 交響曲第1番第1楽章 511小節 
  10. 弦楽六重奏曲第1番第4楽章 508小節
  11. ピアノ三重奏曲第1番初版第1楽章 494小節 
  12. ピアノ五重奏曲第1楽章 493小節 
  13. ピアノ協奏曲第2番第1楽章 488小節 
  14. ピアノ協奏曲第1番第1楽章 484小節
  15. ピアノ三重奏曲第1番第2楽章 460小節
  16. 交響曲第1番第4楽章 457小節
  17. ピアノ協奏曲第2番第2楽章 457小節
  18. 交響曲第4番第1楽章 440小節
  19. ヴァイオリンとチェロのための協奏曲第1楽章 431小節
  20. 交響曲第2番第4楽章 429小節
  21. 悲劇的序曲 429小節

ベスト20の顔ぶれはある意味で予想通りだ。管弦楽曲や室内楽曲が並ぶ。1位2位は1小節を1拍で数える曲が偶然続いた。注意が必要なのは「パガニーにの主題による変奏曲」だ。これは1巻2巻に分かれているが、合計すると664小節になって第1位に躍り出ることになる。1巻2巻で1曲と見るのか2曲と見るのか微妙だが、ブラームス本人が1巻と2巻の間に休憩を入れることを認めているらしいので2曲とみなしておく。

<総合の部>多楽章曲において全楽章の合計をカウントする。

  1. 管弦楽のためのセレナーデ 1696小節
  2. ピアノ三重奏曲第1番初版 1623小節
  3. ドイツレクイエム 1479小節
  4. ピアノ協奏曲第2番 1420小節
  5. ピアノ四重奏曲第2番 1375小節
  6. ピアノ四重奏曲第1番 1334小節
  7. 交響曲第2番 1296小節
  8. 交響曲第1番 1260小節
  9. 弦楽六重奏曲第2番 1237小節
  10. カンタータ「リナルド」 1232小節
  11. 交響曲第4番 1226小節
  12. 弦楽六重奏曲第1番 1171小節
  13. ピアノ三重奏曲第1番改訂版 1170小節
  14. ピアノ五重奏曲 1138小節
  15. ピアノ協奏曲第1番 1123小節
  16. ピアノ四重奏曲第3番 1061小節
  17. 管弦楽のためのセレナーデ第2番 1050小節
  18. ピアノソナタ第3番 1043小節
  19. ヴァイオリン協奏曲 1034小節
  20. ホルン三重奏曲 1009小節

ものすごい分量である。これだけの小節数を必要とする曲を書き、なおかつ隅々まで気持ちを行き届かせるのだから並大抵の注意力ではない。1位2位は初期の作品で占められている。当たり前の話だが楽章の多い曲が上位に並ぶ。3楽章制の曲はヴァイオリン協奏曲の19位が最高である。また交響曲第3番は830小節で26位にとどまっている。これは3楽章もののどの協奏曲よりも少ない小節数である。

ちなみに多楽章曲で最小は「運命の歌」の409小節だ。次はヴァイオリンソナタ第1番で529小節である。

昨年の12月2日の記事「調性選択の三角形」に次ぐ鹿島アントラーズのJリーグ制覇を祝うガチンコ記事だ。私は大の鹿島アントラーズファンだから、勝てば毎回はしゃぎたいのだが、それでは「ブラームスの辞書」ではなくなってしまうのでグっと我慢している。優勝した日くらいはそうした制約も解除だ。2年連続優勝に言及出来るのは嬉しい。ガチンコ記事1本でアントラーズが優勝してくれるならお安い御用だ。

2008年8月 5日 (火)

数列

高校でこれを習うころから数学嫌いがエスカレートした記憶がある。

一定の法則にのっとった整数の羅列とでもしておく。等比数列、等差数列という言い回しをよく耳にした。

遊びでなら私も創作数列を試みている。名付けて「ブラーム数列」だ。

たとえば「68→73→90→98」である。交響曲とでも名付け得るこの数列が、長寿の祝いにピッタリだということは7月27日の記事「ブラ2寿」で述べたばかりだ。

  • 協奏曲数列 15→77→83→102
  • ソナタ数列  1→2→5→38→78→99→100→108→120
  • トリオ数列  8→40→87→101→114
  • 変奏曲数列 9→21→23→24→35→56
  • セレナーデ数列 11→16→58→70→84→106
  • 3楽章数列 15→38→77→78→83→88→100→102→120(恥ずかしながら訂正)

いくらでも思いつく。こうして眺めると交響曲数列のように長寿の祝いに相応しい数列など、そうそう転がっている代物ではないということがお判りいただけると思う。

2007年11月16日 (金)

標題のニ面性

音楽作品に付与される標題は2つに分類出来ると思っている。

一つは個体識別の記号としての意味だ。一人の作曲家が同一ジャンルで多数の作品を残し、そのいくつかが愛好されている場合、それらを識別する必要が発生する。このとき作品に与えられるニックネームが、いつしか作品の標題と化すケースだ。調の名前や発想用語がこの機能を代行する場合も多々ある。作曲者本人でない第三者が付与するケースも少なくない。

二つめは、作曲者本人が作品理解の一助として自ら付与するケースだ。「なるほどおっしゃる通り」と思わず膝を叩きたくなるような標題や詞書きもある一方、いかにも怪しいものも散見される。

いつの頃からか街角や公園に抽象的なモニュメントが設置されるのを見かけるようになった。説明板も一緒というケースも少なくない。タイトルに添えて作者の意図が書き込まれていることもある。「地球」「大地」「生命」「宇宙」を主体に「恵み」「鼓動」「いぶき」「営み」という語が順列組み合わせ的に絡むことが多い。「地球の恵み」という具合である。作者がそう言っているのを「おかしい」と言うことは誰にも出来ない。「地球の鼓動」「生命のいぶき」を具体的に見たことのある者はいないことも好都合である。それでも大人は判ったような顔で「フムフム」とうなずくが、子供は正直で「何これ?」みたいな反応も珍しくない。

作者自らが積極的に意味を説明しないと受け手には判らないということに他ならない。曲を聴いても判るまいという自覚が作曲者側にあるから、思わずコメントしたくなるという状況だ。厄介なのは説明を知った後に曲を聴いてもそうとは思えない場合だ。となると「作者が言ってるンだからそうなンでしょ」という落としどころしかなくなる。抽象芸術とは本来そういうものなのだろうが、上記2つめの意味の標題には、この類が相当数混入していることを覚悟せねばならない。

ブラームスは2つめの意味の標題に背を向けていた節がある。いわば「聴き手が作品を聴いて何をイメージするかに、作曲者が介入しない」という姿勢である。自作には「ジャンル名+調名」だけで十分と考えた。ジャンル名が未確立の分野、たとえばピアノ小品などのネーミングをたびたび出版社と相談したとされているが、結局「ピアノ小品集」としたまま出版してしまったという逸話もある。自作のタイトルに対するこの手の無頓着さは、自信の裏返しと見ることも出来よう。思いの丈は全て楽譜に盛り込みきったという強烈な自負だ。余計な先入観を聴き手に与えないという姿勢も伺える。

楽譜やCDや本を売るためというマーケティング上の要請で標題が必要というわけだ。標題が必要なのは、ブラームスではなくて周囲の人間ばかりなのだ。

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フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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