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カテゴリー「102 楽譜」の53件の記事

2018年6月22日 (金)

furとder

アンナマグダレーナの音楽帖の愛聴盤を紹介した。

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「Notenbuechlein der Anna Magdarena Bach」となっている。変だ。

愛用の楽譜と比較する。

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「Notenbuechlein fuer Anna Magdarena Bach」となっている。ウィキは「fuer」だ。これだと「のための」と訳したくなる。バッハが愛妻のためにという雰囲気を邪魔しない。「der」だと「軽い所有」のイメージ。筆写者ないし作者がマグダレーナである感じがしてくる。単なる誤植とは思いたくないのだが。

2018年6月20日 (水)

それらしい楽譜

「アンアマグダレーナの楽譜帖」のCDについて昨日述べた。楽譜を見ながら聴きたい性分の私は楽譜も持っている。ピアノ初心者用に、国内の出版社刊行の見やすくて体裁のいい楽譜が安価で出てはいるのだが、私の愛用は下記ペーター版。

20180328_121140
そこはやはり表紙に、デコッた感じのドイツ語が踊っている方が感じが出る。しかも横長なので「音楽帖」っぽい。

開くともっと楽しいのはCDと同じだ。

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パルティータやフランス組曲などと重複する作品は、「そっちを見てね」とばかりに収載を見送っている。だから、楽譜をめくると最初にいきなり「3」になる。ぎょっとするのだが、理由がわかるとかえって好感がもてる。

2018年6月 9日 (土)

ロマン派のオルガン作品

またまたドーヴァーさんのグッドジョブ。

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ブラームス、メンデルスゾーン、シューマンのオルガン作品を集めた楽譜集。3人ともバッハ大好きだし薫り高いメンツでうれしくなる。ブラームスのオルガン作品の楽譜はペータース版と重複するけれど、楽しさには勝てずに購入。

2018年5月28日 (月)

オルガン作品選集

またまたドーヴァー社のグッドジョブ。バッハのオルガン作品を集めた楽譜。

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収載されている作品は以下の通り。

  1. 6つのトリオソナタ BWV525~530
  2. オルガン小品集 BWV599~644
  3. シュプラーコラール BWV645~650
  4. 18のコラール BWV651~668
  5. コラール前奏曲 クラヴィーア練習曲第3巻 BWV651~668

オルガンコラール中心の収載だ。1曲が1曲が短い。楽譜を見ながら聴くととても楽しい。「前奏曲とフーガ」とか「トッカータとフーガ」とか、名だたるオルガン自由曲は根こそぎ収載から漏れている。BWVナンバーで言うと531から598まで空白だ。

これで4140円は、満足である。

2018年2月27日 (火)

再び民謡と賛美歌

民謡と賛美歌が、ドイツ庶民生活の両輪だと書いた。今またその話題だ。

CPEバッハの功績、バッハの「4声のコラール集」は、賛美歌定旋律への和声付与の手本として歓迎されはしたのだが、いかんせんピアノ独奏用で、テキスト抜きだった。賛美歌一行目がタイトル代わりに付与されているものの、実際に歌うには不便も生じた。

さすがにそこはドイツで、歌いたい人用にテキストを補った楽譜が出版された。初めてテキストを付与した楽譜の校訂者を見て驚いた。ルートヴィヒ・エルクだ。ブログ「ブラームスの辞書」が民謡特集を展開した際の主役の一人であった。ブラームスとはその民謡観が正反対で論争となったくらいだ。そういえばエルクの肩書は民謡学者、作曲家に加えオルガニストもあった。コラールへの造詣が深くて当然だ。

タイトルとなった一行目の歌詞から、テキスト全体像にたどりつくのは簡単そうで奥が深い。テキスト内容に応じて和声を変えるバッハの面目躍如な話だ。その点をも考慮してテキストを補ったエルクの功績は高く評価されている。

民謡研究の第一人者が、コラール集の校訂をしているというだけで、民謡と賛美歌の密接な関係がうかがえる。

2018年2月26日 (月)

ハーモナイズドコラール

申すまでもなく英語。先般紹介した「4声のコラール」の楽譜があっさりと見つかった。「ハーモナイズドコラールス」というタイトルでドーヴァー社から出ているものを入手した。

本当にタイトルだけでテキストがない。コラールのピアノ編曲だ。

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楽譜の収載がCDの収録順と違うのだが、アルファベット順の索引が丁寧で問題ない。

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同テキスト異編曲もかっちりとわかる。


2017年10月25日 (水)

リスク

いやはやリスクは、世の中全体から管理対象とされているのだが、人々はまだこれを完全に統御できていないようだ。何をリスクと感じるかは人によってさまざまなのだが、もしかすると多くの人々がよってたかって見逃していることの中に本当のリスクが隠れているとも感じる。

ブラームスは第4交響曲の初演を準備するにあたり、指揮を任せるビューローにスコアを送った。書き上げたばかりの手書きスコアだ。その瞬間には世の中に唯一の貴重な貴重なスコアを写しも作らずに、普通小包で送ったのだ。ビューローはそれを知って激怒する。「万が一小包が行方不明になったらどうするのか」とくってかかった。ビューローにはしばしば小包が行方不明になった経験があったのだろう。それにもまして、満を持した第4交響曲それもブラームスが書き下ろしたスコアの音楽的価値を知り尽くしたビューローならではの反応だ。当時の郵便事情を考慮した妥当なリスク評価だと感じるばかりか、現代においてもすこぶる真っ当な感覚だ。

これに対するブラームスの反応は鮮やかだ。ブラームスとて当時の郵便事情は理解していたのだが、「もしも行方不明になったら、また書けばいいではないか」という反応だった。つまりブラームスは小包で送ることをリスクと思っていないのだ。しばしば小包が行方不明になることは、理解していたが相対的にはリスクたり得ないということだ。何故ならまた書けるからだ。ブラームスにとっては写しを作るための写譜も、紛失してまた書くのと大して変わらないということなのだ。全ての音が、必然を持って置かれているのだから。カッコいい。

巨匠同士の壮大な行き違い。

1885年10月25日マイニンゲンにて第四交響曲初演。

2017年9月12日 (火)

アナリーゼのニーズ

「アナリーゼ」とは演奏に先立つ音楽作品の解釈だと以前に書いた。今もその考えは変わっていない。

ブログ「ブラームスの辞書」へのアクセスを調べていると「アナリーゼ」という単語とブラームスの作品名がand検索されてたどり着かれるケースが非常に多い。これとは別に「作品解説」という単語でもつり上げられるから、微妙な使い分けがされていると解したい。

アナリーゼは演奏にあたっての解釈だと思っている。自らが挑もうという作品のアナリーゼをネット検索して当たろうという意図であることは明白だ。自分のアナリーゼとの違いを確認する目的なのか、他人のアナリーゼをちゃっかり拝借する意図なのかはアクセス解析からは判らない。どちらにしろブログ「ブラームスの辞書」に作品のアナリーゼは出て来ないから時間がもったいないことは確実だ。

演奏テクニックの上手下手はその道のプロが聴けばたちどころに判ってしまうらしいが、アナリーゼの上手い下手はどうなのだろう。「ピアノのテク」という言葉にはアナリーゼの能力までは入らない印象だが、「演奏能力」と言った場合にはアナリーゼの能力も入ってくると思う。ブラームス作品はどれも高いテクニックが必要とされる。せっかくそれらに挑むテクがあるなら、アナリーゼも自分でやるほうがいいと思う。それにしてもアナリーゼが立派なのに演奏テクがからきしで台無しの演奏と、アナリーゼが目茶苦茶の演奏は区別出来るのだろうか。

アナリーゼが演奏の一部分だとすれば、自分の虎の子のアナリーゼの核心をネットで公開するお人好しがいるのだろうか。アナリーゼは演奏のテクそのものにも匹敵する演奏家の個性そのものだ。それを惜しげもなくネット上で公開するものだろうか。あるとすれば「アナリーゼを読んだところで真似なんぞ出来やしない」という強烈な自負がある場合、あるいはネット上では核心を語らない場合だけだと思う。自分が感じたようにしか弾けないという演奏家は少なくない。そうした微妙な感覚が簡単に文章になるとは思えない。つまりネット上でひっかかるアナリーゼなんぞ大した参考にはなるまいと疑っている。

自分のアナリーゼがどのような位置づけにあるのか、他人の意見を聞いて参考にすることは必要だと思うが、度が過ぎれば興醒めである。

2017年9月 4日 (月)

記譜法

5本一組の直線と、その上に記された玉の相対的な位置で音高を伝える現在の記譜法は、先人たちが工夫に工夫を重ねて練り上げたものだ。バッハの時代にはほぼ現代の形になっていた。もっと昔にはいろいろな記譜法が存在したが、現代では骨董的価値を主張するばかりになってしまっている。

現在世界を席捲するクラシック音楽だが、記譜法の貢献は計り知れない。

ブラームスが友人ヴィトマンに語ったところによれば、小学校入学以前、おそらく7歳前にブラームスは自己流の記譜法を編み出していたという。等間隔に並べた線と黒い玉を組み合わせて旋律を表現出来たと語っている。

もちろん現物は残っていない。

彼はやはり演奏家ではない。根っからの作曲家なのだと思う。

2017年8月23日 (水)

臨時記号

楽譜各段の左端に記載されて全曲を通じて有効とされる調号に対し、付与したその音ピンポイントについて効力を有する記号のことだ。厳密には付与された音符以降の同一小節内に有効である。またタイがかかっていれば効力が小節線をまたぐこともある。シャープ、フラット、ナチュラル、ダブルシャープ、ダブルフラットの5種が一般的である。さすがの「ブラームスの辞書」もブラームスが用いた全ての臨時記号を数え上げてはいない。

実は私はこの臨時記号が好きだ。これがジャブジャブ出現すると演奏においては、たちまち破綻の引き金ともなりかねない素人だが、好きであることが揺らぐことはない。

音楽作品が全体として作曲者の何らかの音楽的意図の反映だということは明らかである。意志無きところに作品もない。音楽作品の媒体手段である楽譜は全体が作曲家の意志の塊であると考えることが可能だ。そんな中でも、とりわけ臨時記号には作曲家の意志の存在を強く感じる。放置すれば半音違う音になってしまうところを、敢えて矯正するという作曲家の意志の現れだからだ。

調性の微妙なうつろいを売り物にするブラームスにおいて、この臨時記号はとりわけ味わいが深い。自分のパートに和音進行上重要な音が当てられている時、しばしば臨時記号が楽譜に現れる。臨時記号1個であたりの景色を一変させることは珍しくない。中村俊輔のラストパスみたいだ。たとえばF♯だった音が、いつのまにかG♭に読み替えられて思わぬ調にワープするような瞬間は珍しくない。演奏中これにありつくことが楽しみの一つになっている。多分気のせいだとは思うのだが、ヴィオラのパートには気持ちのいい臨時記号が多いかもしれない。

私が特に気に入っている臨時記号をいくつか列挙する。

  1. 弦楽六重奏曲第1番第1楽章第7小節3拍目チェロのフラット
  2. ピアノ四重奏曲第3番第3楽章第1小節3拍目のチェロのナチュラル
  3. ヴァイオリン協奏曲第2楽章第24小節2拍目裏のオーボエのフラット
  4. ピアノ協奏曲第2番第3楽章第6小節6拍目裏のチェロのフラット
  5. クラリネット五重奏曲第2楽章第134小節1拍目のヴィオラのナチュラル

いくらでも思いつくのできりが無い。

演奏はもちろん写譜中であっても臨時記号は快感である。楽譜上に臨時記号を書き入れる時、なんだかブラームスの気持ちに近づけるような気になるものだ。

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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