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カテゴリー「102 楽譜」の89件の記事

2024年6月15日 (土)

ドーヴァーの7と11

「7と11」などと申すと、どこぞのコンビニかとも思われかねない。今回の話題ドーヴァーは米国の出版社だ。廉価版の楽譜には本当にお世話になっている。先般「バッハ作品目録2022」は、ドーヴァー社の刊行するバッハのカンタータのフルスコアのお取り寄せをお願いしてスタッフがあれこれ手続きをしている間、店内をうろついていて発見した。お取り寄せの楽譜そっちのけで衝動買いに走った経緯はすでに述べてある。

このときに入手したの2冊が「7つのカンタータ」と「11のカンタータ」だ。

何につけ鑑賞のお供に楽譜を参照したい性分なのだが、バッハのカンタータ全200曲を取りそろえるとなると負担も大きい。だからひとまず毎度毎度のドーヴァーとあいなった。

20240608_102723

このうち7つの側に収録されているのはBWV番号でいうと下記。

20240608_102914

で11の方はこちら。

20240608_103000

ドーヴァー社がこの18曲を代表的カンタータと考えている証拠かと思える。商売となれば楽譜の売れ行きが最大の関心事だろう。

「Ich habe Genug」BWV82があってよかった。

 

 

 

 

2024年6月13日 (木)

リヒターの見た楽譜

カール・リヒター先生のバッハカンタータ全集のブックレットには、収録にあたり参照された楽譜が記載されている。以下の通りだ。

  • Bach-Gesamtausgabe,Breitkopf&hartel,Leipzig1851-1899
  • J.S.BAch NeueAusgabe Samtlicher Werke,Barenreiter-Verlag Kassel

前者は通称「旧バッハ全集」で、後者が「新バッハ全集」である。収録全75曲のうちどれが旧参照で、どれが新参照かは、明記されてはいない。手練れの者ならわかるのかもしれないが私には無理だ。

このうち旧バッハ全集はメンデルスゾーンらによって立ち上げられたライプチヒバッハ協会の出版で間違いない。「1851-1899」とあるように時間をかけて全巻が出そろった。ブラームスは第1巻をクララ・シューマンから贈られて以降、全巻を予約購読した。1897年の没年に間に合わなかったのはごくわずかである。見ての通りブライトコップフだ。

一方の新バッハ全集は1950年バッハ没後200年を契機にベーレンライターから刊行された。現代重宝しているBWV番号はこのとき付与されている。

 

 

2024年4月25日 (木)

マウスパッド

某楽譜ショップをうろついて発見した。

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ドイツの楽譜出版社ブライトコップフのマウスパッドだ。ブルー基調の爽やかなデザイン。物憂げな天使は同社のトレードマーク。楽譜の表紙を飾るあの天使だ。

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使用中のパソコンがブルー系ということもあり、衝動買い。数百円でこの満足感はお買い得だ。

2024年3月17日 (日)

I love singing with Barenreiter Blue

「ベーレンライターと歌うのが大好き」と訳しては堅苦しい。某楽譜ショップで見つけて衝動買いしたエコバッグに書かれていた。

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下の方に小さく「Urtext」とあるのは「原典版」の意味。ベーレンライターは言わずと知れたドイツの楽譜出版社だ。我が家にもある。そういえば表紙は青系統の色だった。あの色を「ベーレンライターブルー」というのかという軽い驚き。

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写真左のパッヘルベルの色が地で、右側バッハの楽譜の色が文字ということなのだろう。

暖かくなったらこのバッグを持って街に出たい。ハミングが似合いそうだ。

英語ではなくドイツ語で「Ich liebe云々」だったらもっと良かったなどと贅沢は言うまい。

2024年2月26日 (月)

BWV³

「BWV3」と申してもカンタータ第3番のことではない。このほど購入した書物のタイトルだ。よく見ると「3」が小さい。

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ブライトコップフ社刊行の「バッハ作品目録」である。「BWV」は、「Bach Werke Verzeichnis」の略だ。ドイツの音楽学者シュミーダーが1950年に考案した。このときの出版がBWV1とされている。バッハ生誕300年の1885年に改訂が企画され1990年に刊行となって、それが「BWV2」である。このほど私が求めたのが2022年に世に出たその第3版ということで最新の研究成果が盛り込まれている。

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ハードカバー付きの重厚な出で立ち。私好みの紺色。記述はほぼドイツ語オンリー。序文の一部が英語併記。けれども「作品目録」なので単語を少々勉強すれば大問題ではない。

BWV番号順に作品が列挙され、冒頭部分の譜例が掲載される。初演日時、自筆譜の所在、原典資料、編成の他、簡単なエピソードが添付される。

 

 

 

2023年11月26日 (日)

写譜熱

職場のオケの演目は田園とフィガロ。聞けばパート譜の調達には少々の時間を要するとのことで、焦った。早くに練習したい。譜読みだって始めたい。大げさに申せば死活問題とあって熟考の末、写譜に踏み切った。田園第一楽章526小節、フィガロ294小節をスコアを参照しながらヴィオラのパート譜を写譜しようということだ。

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写譜自体は4日ほどでできたが、原本保存のためにコピーしたり、タイトルだけはそれっぽいフォントをプリントして貼り付けて製本したりと忙しかった。

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これが実物。

元々写譜大好きだった。譜めくりを意識した小節の割り付けに苦労するが、醍醐味のうちだ。何より譜読みの準備にもなる。

何よりうれしいのは写譜や譜読みをするだけなら音程不安には気を揉まずにすむことだ。

2023年9月23日 (土)

リプリント

パッヘルベル作品の目録に決定版がないという話を掘り下げる。ドーヴァー社が2015年に刊行した「パッヘルベルオルガンワークス」は、お値段手ごろで重宝している。1903年にブライトコップフ社から刊行された楽譜のリプリントであると明記されている。

 

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リプリントは微妙だ。

1903年時点の楽譜に手を付けずにということだ。刊行時点での最新の研究成果を反映させてはいないということだ。「Complete」と謳っていないことにささやかな良心も感じる。

どうりで、2006年CPO社発売のCD7枚組オルガン作品全集の収録内容や英語版Wikiの中のパッヘルベル作品目録どちらとも微妙にずれている。収載の範囲として最小だが、ここにしか収録されていない作品もあって悩ましい。

BWV番号やBuxWV番号が広く流布しているだけ、バッハやブクステフーデはマシなのだが、このあたりの曖昧さもまた、楽しみ方の一つではある。

2022年9月 3日 (土)

ふめんづら

「楽譜の見てくれ」のことだ。楽譜を見た感じの印象くらいのニュアンスで何ら難しいことはないがタイトルが平仮名になっているのは訳がある。これを漢字で書くとどうなるのか。おそらく「譜面面」なのだと思う。「面」が重なって落ち着かない。かといって「譜面づら」でもピッタリ来ない。実はこの言葉の表記が難しくて意図的に使わずにいた。決定版を見つけきれずにいる。よい知恵はないものか。

ブラームスの「ふめんづら」は独特だと思う。

  1. 音が多い。つまり譜面が黒い。
  2. オクターブや3度、6度での重音が多い。弦楽器でさえしばしば重音が要求される。
  3. しばしば旋律が3度6度オクターブで重ねられる。
  4. スラーがしばしば小節線をまたぐ。
  5. やけに長いスラーが多い。
  6. 異なるリズムが同時に鳴ることが多い。
  7. 実質変拍子でありながら、拍子記号を変更せずに押し通す。
  8. ちょっと見では気付かぬヘミオラが隠れている。
  9. 用語の使い方が多様で繊細。

「ブラームスの辞書」はこのうちの9番目だけを異常にクローズアップした書物である。

 

 

 

 

 

 

2022年6月29日 (水)

バッハのALA

ヴィヴァルディのコンチェルトに「Allegro」「Largo」「Allegro」という3楽章構成がやけに多いと書いた。じゃあバッハはどうなのかというのは自然な展開だ。そもそもバッハのコンチェルトはヴィヴァルディほど多くない。

BWV1055のチェンバロ協奏曲が、疑似ALAに相当するくらいしか見当たらない。楽章冒頭の発想記号なしというケースも大変多い。緩徐楽章に「Largo」系の用語が出るには出るが、「Allegro」にサンドされない。

 

 

 

 

2022年6月28日 (火)

ヴィヴァルディの辞書の可能性

楽譜収集の難易度で言うなら、バッハもヴィヴァルディも大差ない。ブラームスに比べると入手困難だし、その数も多い。CDのブックレット頼りになんとかというレベルだ。

我が家のヴィヴァルディは器楽、コンチェルトやソナタに偏ったコレクションだが、数が多いのでデータベースとしては役立つ。バッハのヴァイオリン協奏曲は片手で足りる数だし、チェンバロ協奏曲まで入れたとしても両手両足の範囲内だ。イムジチのボックス1個で150もの協奏曲がそろうヴィヴァルディは大変ありがたい。

ヴィヴァルディの器楽作品のCDがコンプリートできたら、下記のような弱点はあるにせよ、そのブックレットを分析するだけでかなりな情報が得られるはずだ。

  1. 曲全体の調はわかるが楽章毎の調は不記載のこともある。
  2. 楽章ごとの拍子はほぼ書いていない。
  3. 楽章冒頭のテンポはわかるがダイナミクスは絶望。
  4. 楽章途中のテンポ変更は完全に網羅されない。

テンポ表示に現れる楽語の分析はできるものの、調性や拍子、ダイナミクスとの相関をあきらめればそこそこ楽しめる。

 

 

 

 

 

 

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