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カテゴリー「702 疑問」の217件の記事

2026年3月18日 (水)

坊主憎けりゃ

あるものを嫌いになると、それに関連する事柄までつられて嫌いになることを意味することわざが「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」である。誰にでもある現象で、人間の心の有り様を良く現していると感じる。

 

作曲家個人が嫌いだと、その作品まで嫌いという現象は古来枚挙に暇がない。特に作曲家存命中だと、作曲家個人のキャラに触れることが出来るからそういうことが起きやすい。

 

ブラームスの伝記を読んでいてすぐに思いつくのがハンス・フォン・ビューローだ。クララの父の弟子として台頭した彼は、リストに賞賛されその娘と結婚する。ワーグナーに心酔した彼はその作品の支持者になるが、妻がそのワーグナーの許に走ると一転してブラームス支持者となる。愛妻を取られたのだからワーグナー憎しは自然である。それでワーグナーの作品への共感も冷めてしまったという訳だ。

 

それからハンスリック。19世紀ドイツ楽壇を2分した論争における反ワーグナーの急先鋒だ。ワーグナー憎しが高じてその周辺の賛同者まで批評の対象にした。ウィーンを本拠にしていたブルックナーが、あまりの攻撃振りに困り果てて皇帝に直訴の一幕もあった。

 

一方、ロベルト・シューマンの妻クララや、大ヴァイオリニスト・ヨアヒムは、最初から一貫してブラームスの支持者だ。後年不和に陥ることもあったが、ブラームス作品そのものへの評価は一貫している。坊主は坊主で袈裟は袈裟ということだ。

 

私はというと、ブラームスの没後に生まれたから、ブラームスに直接接した訳ではない。伝え聞く範囲で彼のキャラや作品を知り心酔した。作品の味わいからブラームスのキャラを推定し、そうして完成したブラームス象が作品の聴き方に影響するということを繰り返してきた。坊主と袈裟が限りなく一体に近い。作品に親しむと同時に作曲家のキャラも深く知りたいと願う。

 

気が付けば、そういう聴き方しか出来なくなっている。

2026年3月 9日 (月)

小道具としてのブラームス

小説で、映画で、テレビドラマで、あるいはCMでその場の情景をより印象的に伝えるために、ブラームスが用いられることがある。あるときにはブラームスの作品だったり、あるときには「ブラームス」という言葉だったりする。作家、監督、ディレクター、広告代理店の何らかの判断により、一定の効果を狙ってそこに置かれるという訳だ。

映画であれ、テレビであれ、一定のシーンのバックにブラームスの作品を鳴らしてその場の雰囲気作りに貢献させようという試みは古来から頻発している。「さよならをもう一度」「恋人たち」が代表的だ。聴き手がそこで流される音楽の作者を「ブラームス」と言い当てられなくても、効果は期待出来る。作者は誰であれ、その旋律が効果的だという、監督なり、ディレクターなりの判断がそこには存在している。場合によっては、旋律の流れこそが狙いであることもあり得る。「情景にピッタリの音楽を選んだらそれが、たまたまブラームスだった」というケースだ。

ところがこれが、小説での出番となると状況が変わる。音楽が実際に流れる訳ではないからだ。作家は自らの思いを描ききる小道具としてブラームスの名前を登場させるのだ。フランスの某女流作家に「ブラームスはお好き?」という作品がある。数多ある作曲家を差しおいて彼女は何故「ブラームス」を選んだのだろう。彼女の云う「ブラームス」は、1833年ハンブルグ生まれで1897年ウイーンにて没した私の愛するあのヨハネス・ブラームスのことであると決め付けていいのだろうか?

何故「モーツアルトはお好き?」でも「ショパンはお好き?」でも「ドビュッシーはお好き?」でもなく「ブラームスはお好き?」なのだろう。聞くところによればその「ブラームスはお好き?」には実際にブラームスが出てくる場面は少ないという。なのに作品のタイトルに「ブラームス」の名を躍らせた彼女の意図は何だったのだろうか?

世間に流布定着するブラームスのイメージを利用したのだろうか?だとすればその当時フランスにはどのようなイメージが流布していたのだろうか?

異国の小説とはいえ「ブラームスはお好き?」というタイトルは私個人にとっては、真ん中過ぎる。かわしようも、ごまかしようもない。小道具としては濃過ぎる。

2026年2月 9日 (月)

変化の再定義

バッハの音楽は、私の脳味噌の中で、完璧だ。いくらいじっても、いじっても、いじっても。

すごい。

何にしろ、完璧。

だからだ。

だから、ブラームスの顔が、憂鬱なのだ。その顔がとりわけ憂鬱。

そして、それはブラームスの音楽を超えて、バッハに繋がっている。

2026年2月 7日 (土)

憂鬱顔の原因

ブラームスの顔は憂鬱顔だ。

ブラームスの晩年の顔だ。何故だろう。

2026年2月 5日 (木)

この道50年

天下一のてんぷら屋の話をする。

2026年現在、千葉県松戸市にある。「天乙」という。なんせ、お店は我が家と、長女の実家に近い。母は初ひ孫の見に行くうちにあっというまに、気合いがはいった。

店主は、「いやあこれこれ50年だから」といって、すいていると母に世間話をする。と、いってあちらの家族にも弁当をもって、行く。

奥様と娘さんとも仲がいい。POPとか誰が書くのだろう。私はエビ天ぷら5本入り天丼、母は野菜天丼で安い。

この道50年といっても、私のようなサラリーマンでは、どうにもならぬ。サラリーマンでは、ばたばたと大きいなヴィオラが受ける。

 

2026年1月 9日 (金)

ブラームスピアノコンクール

大それたタイトルだ。実際に存在するかは判らない。

ブラームスの伝記に現れるピアニストで一番の腕前は誰かというお話だ。ブラームスが直接会ったことがあるピアニストが対象だ。ショパン、チェルニー、モーツアルト、ドビュッシー、ラフマニノフあたりは応募資格を持っていない。予選通過は下記の面々である。

  • フランツ・リスト 初見でスケルツォop4を、完璧に弾いてブラームスを驚かせた。
  • クララ・シューマン ブラームスの人生への影響度なら別格の第1位だ。
  • カール・タウジヒ リストが絶賛した才能だが、30歳で没した。「パガニーニの主題による変奏曲」はこの人用だ。
  • カミーユ・サンサーンス モーツアルト以来の神童と称された。
  • フルッチョ・ブゾーニ 19世紀のヴィルトゥオーゾの最高峰という位置付けだ。
  • オイゲン・ダルベール リストがタウジヒの生まれ変わりと称した。ブラームスは彼を称して「お抱えピアニスト」と言っている。
  • ハンス・フォン・ビューロー クララの父の弟子。

誰が一番上手いのだろう。サンサーンスとブゾーニはブラームス作品を弾いたかどうか怪しいので、やや不利か。ブラームスの作品を主たるレパートリーにしていたかとなるとリストも疑問符が付く。

ブラームス本人も相当な腕前らしいが、このメンツの中に入ると旗色が悪そうだ。、けれどもブラームスはそういうことを嘆くキャラではない。

 

 

 

 

 

 

2025年7月20日 (日)

ちょっとしたこと

ブラームスは協奏曲を交響曲に近付けたいと念じていた形跡があると言われている。最初の協奏曲であるピアノ協奏曲第1番が「ピアノのオブリガード付きの交響曲」と呼ばれていたり、最後の協奏曲、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲は、第五交響曲との関係まで詮索されている。至宝ヴァイオリン協奏曲は、当初四楽章制を目論んでいた。

ピアノ協奏曲第2番では、とうとう現実に四楽章制となった。解説書ではしばしばそれに言及される。「協奏曲と交響曲の融合である」云々だ。この主張の根拠は概ね以下のように集約できると思う。

  1. 4つの楽章を持つこと
  2. その4つのうちソナタ形式の楽章が2つあること
  3. 独奏楽器の名人芸の披露が主目的ではないこと

特に上記の2番目は重要だ。ピアノ協奏曲第2番の終楽章がロンド形式でなくてソナタ形式になっている点、強固な意志の存在を感じる。

しかししかし天邪鬼な私は、安易にうなずいたりしない。しからば問う。ピアノ協奏曲第2番の特徴のうち以下に掲げる諸点をどう説明するのだろう。

  1. 緩徐楽章が第3楽章に位置している。ブラームスの4つの交響曲では緩徐楽章はすべて2楽章だからだ。
  2. 事実上スケルツォを配置している。ブラームスの交響曲の第3楽章にはスケルツォが置かれていない。
  3. フィナーレが「allegretto」だ。交響曲のフィナーレを「allegretto」にした例はない。

とりわけ3番目に注目願いたい。フィナーレがロンドでなくソナタになっているのは、交響曲側の慣習に沿っているが、その楽章が「allegretto」なのは異例だ。ソナタ形式の楽章が「Allegretto」を採用する唯一の例である。この場合縮小語尾の目指すターゲットはテンポではなくて規模である可能性がある。いわば「小ソナタ」のノリだ。

ピアノ協奏曲第2番を「協奏曲と交響曲の融合」とする文章が、上記の事実に言及するのを見たことがない。

ブラームスは、本当に「協奏曲と交響曲」の融合を目指したのだろうか。4楽章制を指向したことは事実だと思うが、それをただちに交響曲に結び付けてよいのだろうか。未解決の疑問が残っていると感じている。

 

 

 

 

2025年4月 9日 (水)

今時と伝統と

どうしたものか。

退職を区切りと買い求めた楽器ケースはピカピカの今時カーボンマックだった。さらにはテールピース一体アジャスタも思案中だ。年甲斐も無く新しい物好きなのかと思う。

ところがだ。そのケースに収めているのは150年前のヴィオラだ。その楽器を毎日慈しみながら、弓には今時の黒毛を張って、これまた今時のスティック松ヤニを塗ったくっている。それでいて弾くのはたいてい300年前の作品だ。現代音楽には一顧だにくれていない。もっとも新しくてブラームスかドヴォルザークという時代観。

これを両極端、あるいはアンバランスと嗤う向きもあろう。数あるパラメータのうちのどれとどれを「今時」に走るのか。あるいはどれを「伝統」と留め置くのか。そのあたりの取捨選択こそ個性だ。

これが私のありのまま。

 

 

 

2025年1月26日 (日)

ヴァイオリン非経由

世の中どうなっているのだろう。

私は、大学入学と同時にオケに入団し、ヴィオラを始めた。それ以前、レコードを通じてクラシック音楽に親しんではいたが、楽器の演奏経験は皆無と言っていい。小中高の音楽の授業でハモニカ、あるいはリコーダーに触れた程度。演奏経験とまでは言えない。

事実上初めての楽器がヴィオラだった。ピアノはもちろんヴァイオリンも経由せずにヴィオラを選んで、そこから46年飽きずにヴィオラをいじっている。ヴァイオリンを経由しないヴィオラなのでハ音記号になれるのが早かった。楽器の大きさから来る違和感を感じることもなかった。

子供の頃楽器を習い始めていたら、最初の楽器にヴィオラを選んでいたかは、相当怪しい。大学生からという絶妙なタイミングでオケの門を叩き、たまたま部室にヴィオラの先輩がいたという偶然に、感謝がとまらない。

 

2024年8月 6日 (火)

有休消化

嘱託満了まで残り半年を切った。最後2024年度は年度末まで在籍しないにもかかわらず、通年通り有給休暇が付与される。40日弱を10カ月で消化せねばならぬ。8月の旧盆に合わせてまとめて消化しておかないと、最後の月は全部有休消化となりかねない。

だからと言い訳しつつ明日から12連休に入る。

と格好をつけてはいるが、実はこれで孫の顔を頻繁に見に行けるという算段だ。

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