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カテゴリー「702 疑問」の175件の記事

2022年1月16日 (日)

帝国議会

1867年の和協によりオーストリアハンガリー二重帝国が成立したことは昨日話題にした。オーストリア側にもハンガリー側にも議会が発足した。このときをもってオーストリアは立憲君主制に移行したと解されている。

議員を皇帝が任命する貴族院と、領邦議会代表によって構成される衆議院の二院制で、両院は対等の権能を持った。1873年には領邦議会代表による互選制から直接選挙制に移行した。このときは制限選挙だったが1896年には普通選挙による72議席が追加された。この制度のもとでの最初の選挙が1897年3月だった。ブラームスの没する1ヶ月前である。ブラームスの伝記にはこの最後の3月についての記事が比較的厚く書かれるのだが、この選挙に言及されていることはない。この選挙では青年チェコ党が第一党に躍進して、ちょっとした衝撃だったというのだが、伝記は沈黙している。ブラームスの病状を考えると選挙どころではなかったことは確実なのだが、疑問もわき上がる。

そもそも友人たちの証言によればブラームスは政治の話にも積極的だったらしいのだが、選挙に行ったというエピソードは残されていない。ブラームスは投票に行ったことはあるのだろうか。もしあるとすればドイツとオーストリアどちらの議会だったのだろう。

2021年12月16日 (木)

リートとドイツ三大詩人

先に話題にした「ドイツ三大詩人 」の件。ゲーテ、シラー、ハイネがそれにあたるという評価だそうだ。ゲーテとシラーはシューベルト歌曲においてはテキスト供給の1位と2位だし、シューマンの力を借りればハイネも上位に来る。ブラームスはこれらメジャー所があまり多くないというのが特徴になっている。

ドイツ三大詩人の選定に、ドイツリートへのテキストの供給状況が影響しているなどということはあるまいな。ないとは思うが誰かに先に言われるのも悔しいので記事にしておく。もし、シューベルトがクラシック音楽の中に「ドイツリート」というジャンルを創設し、その後何人かが追随しなかったとしても「ドイツ三大詩人」はこの3名だったのだろうか?

少しは影響があったほうに1ユーロ賭けたい気分である。

2021年12月 8日 (水)

女流不在

歌曲へのテキスト供給者に女性がいない。作家も作曲家も事情は同じだ。世の中女子の時代だというのにいかがなものか。

我が国の古典和歌だと無視し得ぬ女性歌人も存在するがむしろ例外だ。

2021年11月 4日 (木)

ギネスはいかに

世界記録を収集したギネスブックに「ブログの連続更新」の部門は存在するのだろうか?開設からの日数という定義だと、開設日の古さで決まってしまうので、面白くない。極端な話、開設日が古ければ、そこから今日までアップが1本も無かったとしても成立してしまう。やはりその間の記事更新も要素として定義しないとなじまない。ブログが今管理人によって構われているかどうかが分かれ目だろう。どうせなら「毎日更新」と定義してもらいたいものだ。

ココログのシステムメンテにより、管理画面にアクセスできなかったことが2度だけあるが、そこが酌量されるなら我がブログは本日現在6003日連続記事更新で、本数なら6050本堆積している。「辞書」を名乗るには丁度いい厚みになってきた。

これが世界記録を窺うに望みのある分量なの興味は尽きない。

2021年7月 8日 (木)

レントラー

Landlerと綴られる。aはウムラウトである。ドイツに起源を持つ素朴でゆったりとした4分の3拍子の舞曲だ。ワルツの起源をめぐる議論の中で、しばしば言及される。ワルツの起源をレントラーに求める学者は少なくないという。レントラーをウイーン風に洗練させたのがワルツと見る人もいる。その言い回し、文脈を見れは「ワルツ=レントラー」でないことは明らかだ。

ところがブラームスにおいては両者の区別は曖昧である。作品52の「愛の歌」、作品65の「新・愛の歌」はタイトルにはっきり「ワルツ」と明記されていながら、発想記号には「レントラーのテンポで」と記されているのだ。「tempo di waltz」とはなっていないのだ。

さらに「ブラームスのワルツ」として有名なイ長調を含む「16のワルツ」op39は、その第一番の冒頭に「Tempo giusto」(きっかりのテンポで)と記されるばかりで、これまた「tempo di waltz」という言い回しを避けている。この16曲のワルツの作曲にあたって研究したのが、生粋のウイーンっ子であるシューベルトのレントラーだった。

どうもブラームスは自作に「ワルツ」と明記しながら、実態においては「レントラー」を指向していた形跡があるというわけだ。

ここで言うワルツは、ショパンのそれとは別物で、申すまでも無くウイーンの名物だ。単なる4分の3拍子ではない独特のリズムで出来ている。生粋のウイーンっ子はDNAにあらかじめセットされているそうだが、よそ者にはなかなか習得出来ない感覚らしい。ハンブルグ生まれのブラームスはもちろんよそ者だ。変に背伸びしてウイーンっ子の感覚を追い求めることを諦めて、レントラーに走ったのではないかと感じる。

 

 

 

 

 

 

2021年6月21日 (月)

プラシーボ

「プラシーボ」を敢えて訳せば「偽薬」とでも言うのだろう。小麦粉を風邪薬の袋に入れて飲ませたら頭痛が止まったという類の効果のことを「プラシーボ効果」というらしい。薬だと思い込んで飲むことで本来あるはずのない薬効が現われてしまうことだそうだ。「鰯の頭も信心から」に近い話である。

人間の感覚というのはデリケートである。最強の鎮痛剤であるモルヒネでも止まらない痛みがある一方で、約4割の痛みがプラシーボでも和らぐという。3連休明けの月曜の朝の腹痛はモルヒネでも止まるまいと思われる一方、小麦粉で頭痛が止まることさえあるのだ。ましてやその薬が、信頼する医者の処方したものだったら尚更だし、幼い頃母親が塗ってくれた赤チンも最強だった。ラグビーの試合中にお目にかかるヤカンの水も相当なものだろう。人間の思い込みとは恐るべしなのである。

風邪薬と思い込んで飲む小麦粉にそのような効果があるなら、誰某と思い込んで聴く、ノイズだらけのCDにも一部のマニアを熱狂させる効果があるに違いない。指揮者や器楽奏者の場合には強烈で華麗なプラシーボ効果が期待できる。何かと盛り上がる演奏家ネタは、演奏だけを聴いて演奏家を聞き分けられることが望ましかろうが、私は耳がよくないのでそこが思うに任せない。幸いなことにベートーヴェンとブラームスなど作曲家はほぼ聞き分けられる。

昨日の記事「歌は希望 」で述べた通り、声楽の場合、演奏家が男か女かは100%わかる。器楽ではそうもいかない。男女の見分けさえ付かないのにどうして演奏者を正確に当てることができようか。ピアニストでわかるのはグールドくらいだが、ハミングが決め手の時もあるから自慢にもならない。歌曲はこんな私でも高い確率で演奏家を当てることが出来る。フィッシャー・ディースカウ、ヘルマンプライに白井光子はわかるのだ。アメリングだってわかる。訓練を積めばわかる人はどんどん増えそうだ。

だから歌は希望。

 

 

 

2021年6月 5日 (土)

ヨアヒムはヴィオラを弾いたか

ヴィオラは私の愛奏する楽器だ。ヴァイオリンと同様に首に挟んだ状態で弓を弦にあてて演奏する。ヴァイオリンより5度低い音域となる。厳密なことを言い始めるといろいろあるのだが、演奏の方法はヴァイオリンと同じである。独特なハ音記号に慣れてしまえば、奏法自体には共通する部分が多い。古来ヴァイオリンの名手たちの何人かはヴィオラでも名人芸を披露している。スーク、ズーカマン、ミンツなどなどCDで聴くことも出来る。

ブラームスの恩人にして親友、そして当時最高のヴァイオリニストにヨーゼフ・ヨアヒムがいる。ブラームス唯一のヴァイオリン協奏曲を献呈される栄誉に浴している。奏者としてはもちろん教師としても優秀なヨアヒムは、はたしてヴィオラを弾いたのだろうかというのが本日のお題である。

結論から申せば「YES」である。私がそう考える根拠を以下に述べる。

作品91に「独唱アルトとヴィオラのための2つの歌曲」という作品がある。実際にはピアノも加わるトリオになっている。このうちの2番は「聖なる子守歌」と呼ばれているが、実はヨアヒム夫妻の長男誕生のお祝いに贈られた作品である。ヴィオラが冒頭で奏するのは「愛するヨーゼフ」という古い子守歌の旋律だ。すでにこのタイトルがヨアヒムのファーストネームと一致している奇遇を味わうべきである。この上に独唱アルトがオリジナルの旋律を重ね合わせて行く。ヨアヒムの妻アマーリエは才能あるコントラルト歌手だ。ブラームス歌曲のいくつかを初演するほどの腕前の持ち主だ。

こんな曲を長男誕生のお祝いに贈った場合、その意図は明確である。「一緒にアンサンブルをしよう」というお誘いに等しいと見るべきだ。ブラームスのピアノに、ヨアヒム夫人の独唱、そしてヨアヒムのヴィオラというアンサンブルが演じられたことは確実だ。手が大きいらしいヨアヒムのことだから、初見だとしてもキッチリ弾きこなしたことは想像に難くない。赤ン坊の傍らで弾かれる曲だからヴィオラにバリバリの超絶技巧が要求されている訳ではない。公式記録こそ無いがブラームス、アマーリエ、ヨアヒムのメンバーが初演者であることは確実である。それどころか演奏が終わって3人が笑顔で微笑みを交わしあったに違いないとまで断言したいくらいだ。

おそらくヨアヒムはヴィオラを弾いた。無論それをブラームスは当然知っていた。

2021年3月26日 (金)

そもそもどうなっているのだろう

バッハのブランデンブルク協奏曲6曲。世の中何番が人気なのだろうか?

CDは大抵2枚組で全6曲がおさめられているから、どの曲もCDの種類は同数になっているはずで、それを人気のバロメーターにはできない。直感では5番あたりか。

私は断然、第6番変ロ長調だ。ヴィオラダブラッチェ2本の渋い独奏楽器、伴奏へのガンバの起用など、やけに特徴的だ。

とりわけ第二楽章が気に入っている。大学4年の頃、ヴィオラのレッスンで真剣に取り組んだころからはまっている。バッハ緩徐楽章の最高峰を形成すると確信している。

 

 

2021年2月26日 (金)

四季のお好み

ヴィヴァルディの「四季」がクラシック界の大ベストセラーであることに疑いはない。それは4つの協奏曲の集合体であり、春夏秋冬のタイトルが奉られているけれど、みんなはこのうちどれが好きなのだろうか?

現実の世界では春が一番好きな私ではあるものの、ここでは熟考の果てに「冬」と答える。第二楽章の雨を、切れ味鋭い冬の描写がはさむ。第三楽章の末尾では、春の気配もほのめかされる。楽章単体となると、ヴィオラが犬になる春の二楽章も捨てがたいが3つの楽章トータルとなると冬と結論する。

バッハはしばしばヴィヴァルディ作品の編曲を試みたが、「四季」にはかすりもしていないのが残念だ。「四季」のバッハによるクラヴィーア編曲があったらさぞかし盛り上がるだろう。日本人は四季の移ろいをことのほか愛するが、バッハはそこまでではないということだろうか。

 

 

2021年1月11日 (月)

馬小屋生まれ

イエスキリストも聖徳太子も馬小屋で生まれたとされている。聖徳太子が馬小屋で生まれたという話、キリスト教と無関係に成立したなら相当な偶然だ。

受験生鉄板の「以後よく広まるキリスト教」だから1549年。仏教は538年とも552年とも言われるから、およそ1000年遅れだ。その間日本人はキリスト教を知らなかったと断言していいのだろうか?

五賢帝時代のローマと後漢には国家としての交流があったとされている。中国人はすでに後漢時代にキリスト教を知っていたはずだ。様々な文物が海を越えて流れ込む中、キリスト教の存在を秘匿していたのだろうか?

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