今時と伝統と
どうしたものか。
退職を区切りと買い求めた楽器ケースはピカピカの今時カーボンマックだった。さらにはテールピース一体アジャスタも思案中だ。年甲斐も無く新しい物好きなのかと思う。
ところがだ。そのケースに収めているのは150年前のヴィオラだ。その楽器を毎日慈しみながら、弓には今時の黒毛を張って、これまた今時のスティック松ヤニを塗ったくっている。それでいて弾くのはたいてい300年前の作品だ。現代音楽には一顧だにくれていない。もっとも新しくてブラームスかドヴォルザークという時代観。
これを両極端、あるいはアンバランスと嗤う向きもあろう。数あるパラメータのうちのどれとどれを「今時」に走るのか。あるいはどれを「伝統」と留め置くのか。そのあたりの取捨選択こそ個性だ。
これが私のありのまま。
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