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カテゴリー「702 疑問」の208件の記事

2024年8月 6日 (火)

有休消化

嘱託満了まで残り半年を切った。最後2024年度は年度末まで在籍しないにもかかわらず、通年通り有給休暇が付与される。40日弱を10カ月で消化せねばならぬ。8月の旧盆に合わせてまとめて消化しておかないと、最後の月は全部有休消化となりかねない。

だからと言い訳しつつ明日から12連休に入る。

と格好をつけてはいるが、実はこれで孫の顔を頻繁に見に行けるという算段だ。

2024年6月 3日 (月)

前半傾斜

待降節に始まる教会暦は、聖霊降臨祭をもって折り返しとなる。聖霊降臨祭の次の日曜日の三位一体節以後は、日曜日の経過を「第~日曜日」という具合に数えているだけにも見える。

クリスマス、新年、顕現節、マリア清めの祝日、受胎告知の日、イースター、昇天祭、聖霊降臨節という具合に節目が目白押しだった前半とはうってかわって粛々と過ぎる。

こもりがちな冬場にイベントを連発させて人々を鼓舞する狙いまで想像してしまう。

夏場以降、収穫の秋をも静かに過ごすということか。日本でなら「もの思いの秋」とでも説明されようが、欧州にはまた別の必然もあるに違いない。

2024年4月12日 (金)

BWV発番の謎

BWVの部立てが、残された作品のヴォリュームの大きい順だということは腹に落ちた。だから先頭にカンタータがおかれているということだ。だからカンタータの番号はBWV番号と一致してくれる。「カンタータ第1番BWV1」ということだ。

一方で別の疑問の湧く。じゃあそのカンタータ200曲の配置はどう決められたのかだ。

きっと書いてあるのだろうが、まだ見つけられない。教会暦順でないことは確かだ。もしかして1950年のBWV1出版の時点で、認識されていた作曲順か。

2023年10月28日 (土)

第二の道

音楽之友社刊行の「作曲家◎人と芸術」シリーズの「ブラームス」の202ページにちょっとした疑問がある。交響曲を概観する記事の中に以下のような記述がある。

シューマンの発表した音楽評論文「第二の道」によって紹介されたブラームスは・・・

文脈から素直に読む限り1853年10月のブラームスのシューマン邸訪問に端を発した交流に触発されたシューマンが、ブラームスを世の中に紹介した記事だと考えるのが自然だ。

同じ本の生涯編33ページにそのことが書いてある。しかしその33ページでは紹介論文のタイトルが「新しい道」と書かれている。「第二の道」とは書かれていない。

元々存在した道とは別に新たに道が出来た場合、それが「新しい道」と呼ばれることはよくある話だ。同時にその同じ道が「第二の道」と呼びうることもまた奇異ではない。しかしシューマンによって書かれた名高いその論文は「Neue Bahn」だから「新しい道」の訳語で何の不足もあるまいに、なぜまた「第二の道」と表現しているのだろう。

  1. 「Neue Bahn」のほかに「第二の道」と訳されるようなタイトルのブラームス紹介文が存在した。
  2. 「Neue Bahn」をそこに限って「第二の道」と訳した。

同じ書物の中で何の注釈も無く、「新しい道」と「第二の道」が混在するのは、いかにも不自然と感じる。

何か特段の事情があるのだろうか。

 

 

 

 

2023年10月27日 (金)

帰属意識

自分はどこの国に属しているかという意識。私は当然日本だ。読者の多くは日本だろう。

ドイツ3大Bの一人と位置づけられているブラームスの帰属意識は「ドイツ」かというのが本日の疑問だ。

ドイツという国が成立したのは1870年から始まった普仏戦争によるところが多い。プロイセンの勝因はいろいろ言われている。普墺戦争勝利後、対仏戦争必至と見て周到に準備したビスマルクの作戦勝ちという評価が一般的だろう。フランス皇帝を捕虜にするという大戦果がこれを象徴している。

1833年ブラームスが生まれた頃まだドイツという国は無かった。1871年以前に自らの帰属を「ドイツ」とする意識を持つことが絶対にあり得ぬとは申さぬが、容易くもなさそうだ。

ブラームスの帰属意識はおそらくプロイセンかもしれぬ。ビスマルクへの帰依は割と知られているし、ホーエンツォレルン家への忠誠心も高かった。プロイセン主導による統一ドイツを心から支持していたことは確実だ。当時の中欧を席巻したプロイセンの強さの秘密は国民皆兵だという。1870年の普仏戦争開戦当時37歳のブラームスが兵役を志願する気になっていたことは割と知られている。開戦当初から戦局が有利だったために思いとどまったらしい。

1871年以降、ブラームスの返事は「ドイツ」であったに違いない。ビューローの有名な「3大B」の比喩も、バッハの復興も統一ドイツ成立前後の空気を敏感に反映していると考えたい。

2023年10月 6日 (金)

不思議なこと

生涯の楽器にヴィオラを選んだとは言っても、音程もボウイングも安定しないし、アレグロ以上のテンポでは16分音符もお断りだ。老年に差し掛かった今、技術的にそうそう積み上げが期待できる訳もない。それでもやはり心のどこかに自分の楽器はヴィオラという安心感がある。

そのヴィオラの楽譜は風変わりなハ音記号が特徴である。原則ハ音記号なのだが、高い音域となるとしばしばト音記号に差し替えられる。ブラームスの楽譜では、しばしばというよりはちょくちょくト音記号が出る。ヴィオラソナタ第2番は 冒頭いきなりのト音記号で始まる。室内楽でも管弦楽でもト音記号は珍しくない。

長くヴィオラに親しんできたせいか、ト音記号とハ音記号が混在する楽譜でもストレスなく演奏出来るようになった。音程が悪いのは混在のせいではない。おまけにヘ音記号もかなりスイスイと読替が出来る。ヴィオラで弾けない低い音は、瞬時にオクターブ上げて弾くことも出来る。この程度はヴィオラ弾きとしては当たり前の読み替えだ。

さて昔、娘にヴァイオリンを教えていた頃、ヴァイオリンを手にする機会もあった。不思議なことに気づいた。娘たちは、ト音ハ音を瞬時に識別する私を、まるで手品師でも見るかのように眺めていた。調子に乗ってヴァイオリンでヴィオラの楽譜を弾いてやろうと試みたが、これがまた想定外の難しさだった。

つまりヴィオラさえ持っていればト音、ハ音、ヘ音の行き来が自由自在に出来るのだが、ヴァイオリンを持つとハ音記号の楽譜を演奏出来ないのだ。ヴィオラを持つかヴァイオリンを持つかで構えに入った瞬間から脳内のマスターが機能してしまうかのようだ。これはなかなか不思議な感覚である。ヴァイオリンを持って構えただけで、網膜にフィルターがかかってしまう。人間の意識とは一筋縄では行かないものだと実感した。

2023年9月10日 (日)

収載の選択基準

音楽系書物の代表格が、名曲解説である。大作曲家たるもの自作の解説だけで、分厚い1冊になる。これをもって大作曲家と定義したいくらいだ。残した曲数が多くても、それらが名曲認定されていないとお話にならない。

悩ましいのは、バッハの作品であっても、名曲解説全集に収載されないものもあるということだ。アランさんの「バッハオルガン作品全集」のブックレットがありがたいのは、バッハのオルガン作品すべてについて言及があることだ。音楽系出版最大手の「作曲家別名曲解説ライブラリー」のバッハに収載されているオルガン作品は限られている。オルガン自由曲のうち同書に収載されている作品を以下に列挙する。

  1. BWV532 前奏曲とフーガニ長調
  2. BWV538 いわゆる「ドリアントッカータ」
  3. BWV540 いわゆる「踏みっぱ大王」
  4. BWV542 いわゆる「大フーガ」
  5. BWV543 いわゆる「シシリアン」
  6. BWV547 いわゆる「ブラ2」
  7. BWV548 いわゆる「くさび」
  8. BWV552 いわゆる「聖アン」
  9. BWV564 いわゆる「全三音」 
  10. BWV565 トッカータとフーガニ短調
  11. BWV578 小フート短調
  12. BWV582 パッサカリアハ短調
  13. BWV588 カンツォナ
  14. BWV589 アラブレヴェ
  15. BWV590 パストラーレヘ長調

以上15種類が名曲認定されている。どういう基準なのか大変興味深い。

 

 

 

 

 

 

 

2023年8月25日 (金)

サポーター語尾

サッカーチームを応援する人たちをサポーターと呼ぶ。応援するチームによってサポーターに名前が付けられているケースがある。

イタリア一部リーグのACミランのサポーターは「ミラニスタ」と呼ばれている。都市の名前である「Milan」に「-ista」が加えられたのだ。つまり「-ista」がサポーター語尾である。同じミラノを本拠とする有力チームインターミランのサポーターは「インテリスタ」と呼ばれる。「Inter」を語幹に据えて「-ista」を加えたことは明らかだ。これがユベントスになると「Juventino」になるというから、その場合のサポーター語尾は「-ino」だ。アンダンティーノでおなじみだ。どんなサポーター語尾が付くかは、語幹によって決まるのだと思う。

  1. -ista
  2. -ino
  3. -ist
  4. -ian
  5. -er
  6. -っ子

作曲家の熱烈なサポーターも同様の手法で表される時がある。ワグネリアン、シューベルティアン、モーツアルティアンの類だ。さて当然の疑問。語幹がブラームスだったらどうなるのだろうか。

  1. ブラームシスタ
  2. ブラムジーノ
  3. ブラームシスト
  4. ブラームジアン
  5. ブラームサー
  6. ブラームスッ子

ドイツ語でこの手の言い回しはあるのか知らないが、この中のどれかで違和感が無い。素朴な疑問。ドヴォルザークやバッハ、果ては源実朝はどうするのだろう。

2023年6月19日 (月)

名詞の性別

名詞の性別はドイツ語の学習においてはある種の鬼門を形作っている。英語では意識することもない概念だった。フランス語にも男性名詞、女性名詞が存在するが、ドイツ語ではさらに中性名詞が加わる。「太陽」のようにフランス語とドイツ語で性別が逆転することさえある。外国人にとって厄介なだけの性別をドイツの人たちはとても大切にしているという。昨今の日本語同様に言葉の乱れも指摘される中、名詞の性別だけは頑なに使い分けられているらしい。

クラシック音楽で使われる楽器の性別を調べた。結論から申せば圧倒的に女性優位だ。

<男性名詞>

  • コントラファゴット
  • コントラバス

<中性名詞>

  • ピアノ
  • ファゴット
  • ホルン
  • チェロ

上記以外は全部女性名詞と思ってよい。ティンパニ、トランペット、トロンボーン、チューバも女性なのだ。金管楽器の中でホルンだけが中性、木管楽器の中でファゴットだけが中性なのだ。ハープやヴァイオリンが女性名詞だというのは感覚的にOKなのだが、意外な割り当てが多くて面食らう。

ちなみにシンフォニーもソナタもオーケストラも女性名詞なのにコンチェルトが中性だというからますます判らなくなる。

何故と聞いてはいけないらしい。ドイツでは名詞が3つに分類されている。シンプルに「1群2群3群」と考えるべきだという。「女性男性中性」と考えると「何故」と訊きたくなるからだそうだ。ライン川やマイン川は男性で、エルベ川やオーデル川は女性だという。おそらくドイツの人々でも説明不能ではあるまいか。

男性楽器だけを集めた室内楽があったりしたら面白いと思うのは外国人だけで、ドイツの人々は息をするように自然に当たり前に使い分けているのだろう。もちろんブラームスもだ。

2023年6月18日 (日)

性別の決定

ドイツ語の名詞の性について素朴な疑問がある。

外来語の名詞が新たにドイツ語に定着した際、名詞の性別はどのように決定されるのだろうか。元々名詞に性別がある言語から導入された場合、元言語における性別にしてしまうというのが考えられる。厄介なのは元々名詞の性別が無い言語から採用された場合だ。

日本語はどうだろう。外来語の導入が盛んだ。元の単語の発音やスペルを元にカタカナの綴りがあてがわれるだけだ。言語の構造として格や数量による語尾変化が無いのは好都合に思える。格の変化は名詞そのものではなく、後ろに添えられる助詞が表現するのだ。助詞「てをには」の難しさは別として、外来語の導入だけなら容易だと感じる。

 

 

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