少ないに限る
ブラームス唯一の作曲の弟子といわれるグスタフ・イエンナーはブラームスと交わした会話を折に触れて記録していたという。
「作曲の初歩においいては有節歌曲と変奏曲を手がけるといい」と言われたらしい。さらにブラームスは「短ければ短いほどいい」とも付け加えたという。有節歌曲が短いほどいいというのは、わかりやすい。一方の変奏曲については「少ない程いい」としたようだ。音楽の友社から刊行されている「ブラームス回想録集」第3巻の240ページ付近だ。
主題を元に変奏が積み重ねられる。この積み重ねの数が少ない方がいいと解するのが自然だ。第1変奏、第2変奏、第3変奏という具合の堆積が少ないほどいいという意味、つまり全体の長さが短いほうがいいということだろう。ブラームス自身30に近い変奏を重ねた作品も残しているから、解釈が難しい。24や25は少ない部類に入るのか、あるいは自分はともかく初心者は少ない方がいいという意図かもしれぬ。
私の解釈を少しだけ述べておく。
変奏を決意したら、主題を選ぶ。主題を選ぶ時点ですでに、その素材を元にどう料理するかが決まっている。それが決まらぬようなら主題の選択が悪い。あとは決めた通りに素材を調理して、さっさと言いたいことを言いきる。その素材を用いてやりたいことが5通りあれば、変奏は第五変奏までだ。
「少ない」とは「言いたいことを効率よく手短に」という意味だと感じている。逆に「言い切らぬうちは24でも25でも続けてよい」というこのなのだろう。







最近のコメント