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カテゴリー「300 作曲家」の103件の記事

2020年11月21日 (土)

ブリティッシュバロック

ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」という作品は、パーセルの主題が変奏されることで成り立つ。極論するなら日本人のパーセル観は、この一点に集約されると申していい。中学時代の音楽の時間に聴かされる。

バッハより26歳年長の1659年生まれで1695年に没している。享年36歳は当時としても短命だろう。

食わず嫌いはいけない。ソナタにはまっている。

11月21日はパーセルの命日だ。

 

 

 

 

 

 

2020年11月 7日 (土)

余禄のお宝

若いころからバッハのガンバソナタのCDを集めていた。

  • ト長調BWV1027
  • ニ長調BWV1028
  • ト短調BWV1029

どんな演奏でも3曲で50分以内に収まるから、中にはおまけが収録されているCDがある。我が家のガンバソナタのCD全てに収録された「おまけ」を列挙する。

<CPEバッハ>J.S.バッハの次男。

  1. ガンバソナタニ長調Wq137
  2. ガンバソナタト短調Wq88
  3. ガンバソナタト短調BWV1020 旧バッハ全集ではJSバッハ作とされていた。
  4. ガンバソナタヘ長調BWV1022 同上

<W.F.バッハ>J.S.バッハの長男

  1. ガンバソナタハ短調

<C.F.アーベル>バッハと同時代のガンバ奏者でもある。

  1. 無伴奏ガンバのための3つの小品
  2. ガンバソナタホ短調

<Dスカルラッティ>

  1. チェロソナタニ短調 Kk90

<G.F.ヘンデル>

  1. ヴァイオリンソナタニ短調 HWV364b

<J.C.F.バッハ>

  1. チェロソナタイ長調

<J.L.クレプス>

  1. トリオハ短調WV473

<A.ヴィヴァルディ>

  1. チェロソナタ 変ロ長調RV47
  2. チェロソナタ ヘ長調RV41
  3. チェロソナタ イ短調RV43
  4. チェロソナタ 変ロ長調RV45
  5. チェロソナタ ホ短調RV40
  6. チェロロナタ 変ロ長調RV46

目的のバッハのガンバソナタを繰り返し聴いているうちにこれらの作品にも接することとなり、耳から鱗が落ちた。

 

 

2020年10月27日 (火)

リーガとウニオン

1618年から1648年まで、主にドイツを舞台に繰り広げられたカトリックとプロテスタントの争いが三十年戦争だ。典型的な後世のネーミング。1618年にプラハで始まった時には、当事者たちも周囲も「三十年戦争が始まった」とは思っていない。1648年に終わってみて、思えば1618年に始まった戦争だと総括した結果「三十年戦争」と命名された。

東軍対西軍の図式ではない。プロテスタント側を「ウニオン」といいカトリック側を「リーガ」という。「リーガ」の正式名は「Katholische Liga」という。ドイツサッカー国内リーグは「Bundesliga」の「リーガ」だ。

さて、その三十年戦争が終結した時点で、ドイツ国内におけるカトリックとプロテスタントの勢力図がかたまった。日頃「ドイツの作曲家」とひとくくりにされている作曲家たちを、出生地をキーにカトリックとプロテスタントに分類してみた。

<ウニオン>プロテスタント同盟

  1. シャイデマン
  2. シュッツ
  3. ブクステフーデ
  4. エルレバッハ
  5. パッヘルベル
  6. テレマン
  7. バッハ
  8. ヘンデル
  9. シューマン
  10. メンデルスゾーン
  11. ブラームス

<リーガ>カトリック同盟

  1. シュメルツァー
  2. ビーバー
  3. ハイドン
  4. モーツアルト
  5. ベートーヴェン
  6. ウェーバー
  7. シューベルト
  8. ワーグナー
  9. ブルックナー
  10. リヒャルト・シュトラウス
  11. マーラー

出身地がカトリックの領域で、没地がプロテスタントの領域である場合、またはその逆のケースなど厳密さに欠けるがそこはお遊びだ。このメンバーでサッカーをしたらどちらが強そうかなど、話題には事欠かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年10月26日 (月)

スカルラッティ生誕335年

チェンバロソナタで名高いドメニコ・スカルラッティは1685年10月26日の生まれ。生誕333年だとはしゃいだバッハやヘンデルとは学年違いの同い年だ。バッハとの扱いの差は歴然で申し訳ないが、本日は生誕335年のメモリアルデーだ。

もっぱら鍵盤楽器作品の作曲家と思われがちだがそこはイタリア人ということもあり、弦楽器作品も存在する。例によってビオンディさんがCDを出している。

2020年10月12日 (月)

ヴァイオリンとギターのためのソナタ

パガニーニの作品。全12曲なのだがビオンディが抜粋してCDを出している。パガニーニは超絶技巧のヴァイオリニスト兼作曲家だと思っていたらギターも弾けたらしい。ビオンディの演奏はいつも通り楽しい。超絶技巧を存分に楽しむのに持ってこいだ。

昨日のリストにははいりきれないので載っていない。これだけ別に持ち歩いている。

 

 

2019年12月10日 (火)

未亡人

配偶者を亡くしたご婦人という定義だと、やや物足りない。平均寿命の関係で夫に先立たれる妻は少なくないのだと思う。あくまでも直感だがそこそこの老齢に達している夫人が、夫に先立たれても、未亡人とは呼ばれにくいような気がしている。定義があるのだろうか。音楽史をひもとけばかなりの数の未亡人に遭遇する。バッハ2人目の妻アンナ・マグダレーナ、モーツアルト夫人コンスタンツェ、メンデルスゾーン夫人セシル、ドヴォルザーク夫人アンナ・チェルマコーヴァ、マーラー夫人アルマなどなどだ。

ブラームスの伝記にもこれまた数多くの未亡人が登場する。

  1. ロベルト・シューマン夫人のクララ。筆頭格だ。説明不要である。
  2. デニングホフ夫人のリースヒェン。ハンブルク郊外のヴィンゼンで製紙業を営むギーゼマンの娘。14歳でブラームスと知り合った幼なじみ。デニングホフ夫人となったが、娘アグネスがベルリン高等音楽院在学中に夫に先立たれる。窮状を知ったブラームスが奨学金の支給に尽力したことはよく知られている。
  3. カロリーネ・シュナック 父ヨハン・ヤーコプの2人目の妻。先夫との間にフリッツをもうけたが死別。
  4. セレスティーネ・トゥルクサ ブラームスの家政婦。1887年41歳の時、54歳のブラームスの面倒を見始め、最期を看取った人。文筆家の未亡人とされている。

男性の平均寿命が40代半ばだった時代、いわゆる未亡人が発生する確率は現代よりも高かったと思われる。

2019年11月23日 (土)

シューマンとの距離感

ブラームスの楽壇デビュウにあたり、ロベルト・シューマンの後ろ盾が大きく物を言ったことは、有名である。はじめてシューマン邸を訪問したブラームスの様子は、シューマン夫妻の日記の記述から克明に復元されている。

ブラームスがハンサムな若者だったこと、ガチガチに緊張していたこと、シューマンの態度はゆったりと寛大だったこと、すぐにクララを呼んで再度弾かせたこと、リストのサロンとは違って家庭的な雰囲気だったこと等等、みなよく知られている。シューマンはその後ブラームスを絶賛する記事を書く一方、作品を出版する労を惜しまない。それからわずか3年後にシューマンが没してしまった後も、その妻クララとは終生交流が続いたこと、周知の通りである。

ブラームスは、シューマンに感謝はしていたと思う。いや、していたに違いない。

ところがである。20歳そこそこでガチガチに緊張していたはずのブラームスは、敬愛するシューマンの薦めに従って、自作を無闇に出版しまくった訳ではない。シューマンに出版を薦められたいくつかの作品をブラームスは出版せずに破棄している。この事実は、相対的に無視されている。自分を楽壇に紹介してくれた恩人の薦めを冷静に受け止め、自作をじっと吟味する器をその若さで持ち合わせていたことこそが奇跡のように思える。

ブラームスは後年「シューマンに教わったのはチェスの指し方くらいだよ」と語ったとされている。さすがにそれはブラームス独特の逆説を含んでいるとも思われるが、一笑に付しきれない真実味も感じられる。「少なくとも作曲は教わっていないよ」という意味と解したら勘繰りが過ぎるだろうか?

何と言ってもブラームスにとってシューマンは「クララの夫」である。今風に申せば「シューマンは60%がクララの夫、40%が作曲家」くらいに思っていたなどということを想像したくなる。

一生考えて行きたい。

2019年10月25日 (金)

文末決定性

言語としての日本語の特徴を説明する際に頻繁に用いられる言葉だ。言葉の意味の確定が文章の末尾に持ち越されることだ。「肯定なのか否定なのか、はたまた推量なのか」あるいは「疑問なのか」「現在なのか未来なのか、過去なのか」が最後までわからないということだ。このことが特徴になるのだから、他言語には無いということだ。

もちろん英語は違う。

「I know him」だ。日本人には「私知ってる彼」という風に見えてしまう。主語の後にまっさきに述語が添えられて「どうしたのか」が確定するのだ。善し悪しの問題ではないが、日本語から英語への同時通訳は大変だと思う。全体の文脈、話し手の言葉の勢いなど文章だけではなく空気までも読むことが求められてしまう。

さて、ロベルト・シューマンからクララに発せられた最後の言葉は「Ich kenne」だと伝えられている。英語で申せば「I know」だ。「Kenne」の後は、発せられていないのか、聞き取れないほどの小声だったのか判らぬが伝わっていない。

つまり主語と述語しか伝えられていないのだ。シューマンが何かを知っていたことは確実ながら「何」を知っていると言いたかったのかが判らないのだ。もし文末決定性の日本語なら「何」について先に語られたに違いない。けれども、「何」が示されたとしても、今度は肯定か否定かが曖昧になる。「知っていた」のか「知りたい」なのか「知りたくない」なのか、判らないということだ。

この不明瞭さが、古来さまざまな憶測を呼んできた。

2019年10月17日 (木)

クララの基盤

例によって音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻25ページからの引用。クララ・シューマンの4女オイゲーニエの回想だ。

オイゲーニエはピアノ教師として、母クララの芸術的基盤に言及する。

幼い頃からシューマン、ショパン、メンデルスゾーンとともに成長したと述べる。この3人の生年は1809年と1810年に集中する。やがてこれにバッハとベートーヴェンが加わることになる。18歳でウィーンに赴き絶賛される時点ですでにこのような音楽的基盤が確立していたのだ。

ブラームスはまさにそうした基盤に立つクララの前に現われたのだ。それ以降ブラームスが出版前の草稿を送って批評を乞うとき、クララはいつもそうした基盤に立ち返ってブラームスの作品と向き合った。

その基盤に照らして自分なりの境界線を引き、作曲家やその作品を判断した。その姿勢は年齢とともに頑なになっていた。もちろんブラームスはいつも境界線のこちら側にいた。

ワーグナー、リスト、ブルックナーは線の向こうだった。そして私にとって悲しいことにドヴォルザークもあちら側だった。

2019年7月 8日 (月)

左手のためのセレナーデ

ブラームスはピアノ演奏から右手の参加を奪った形態に興味を持っていた節がある。クララ・シューマンの右腕の負傷を契機に生まれたシャコンヌニ短調が特に名高い。もしかするとそうした傾向はハンブルク時代の恩師マルクセンの影響かもしれない。

ブラームスは15歳で初めてのコンサートを開いた。バッハのフーガに混じって恩師の作品も演奏したという。その恩師の作品こそが本日のお題「左手のためのセレナーデ」である。CDや楽譜は探しきれていない。もしかするとブラームスのこの初コンサートのプログラムの中でのみ命脈を保っているのかもしれない。

 

 

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