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カテゴリー「111 旋律」の70件の記事

2021年3月23日 (火)

BWV547

言うまい言うまいと思っていたが、こらえきれずに記事にする。バッハの前奏曲とフーガハ長調BWV547の話だ。後半のフーガがブラームスの第二交響曲の第4楽章に似ている。

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あちらはニ長調でこちらはハ長調だが、移動ドで読む限り一致している。拍子はどちらも2分の2だ。第二交響曲では音価が2倍に拡大されている。その後に続く連続する4度下降もなんだか怪しい。

この手の似ているネタは得てして偶然だ。だからお叱りも覚悟だ。誰かに言われるくらいなら自分で言っておきたいという因果な性格である。

 

 

2021年2月14日 (日)

第一変奏

    最初の変奏と解して疑いはない。「主題と変奏」というというジャンルには古来数多くの作品が残されてきた。どれも例外なく真っ先に主題が提示される。これがないと始まらん。そこから先が作曲家の腕の見せ所だ。主題の提示が終わって、「さあ行くぞ」と走り出すのが「第一変奏」だ。作曲家の意気込みがとりわけ色濃く反映する。

ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲」op24は、以下の通りだ。

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Piu vivo に意気込みが感じられる。がしかし、若きブラームスは半ば意図的にバッハを模倣しているかもしれない。

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 「ゴールドベルク変奏曲」の第一変奏だ。16分音符2個に8分音符という3つの音符が、移動ドで「ドシドー」と走り出す。

2020年12月 1日 (火)

ユニゾンの力

カンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」の白眉は第4曲のコラールにある。編成は、独唱テノールに第一第二の両ヴァイオリンにヴィオラと通奏低音が付き従う形。弦楽三部と通奏低音を伴奏に従えてと申すよりもむしろトリオソナタだ。

第一第二のヴァイオリンとヴィオラは全74小節を貫いてユニゾンとされる。

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上記はベーレンライター社から刊行されている新バッハ全集だが、ハ音記号で記譜されたパートには、両ヴァイオリンまで併記されている。この状態が最初から最後まで一貫して維持される。だからご覧の通り、楽譜の見てくれはトリオとなる。事実上3パート合同の弦楽器パートは、ヴィオラ御用達のハ音記号なのだが、C線を必要とする音は巧妙に回避されている。

理屈は邪魔だ。B音のアウフタクトから深々とえぐって立ち上がる旋律の色艶は比類がない。主旋律として表舞台に出たかと思えば、テノール独唱の脇役に引きこもる。その間、力強いユニソンが一瞬たりとも崩れることはない。

 

 

2020年11月29日 (日)

地味にバッハ

カンタータ140番。「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」の第二曲レチタティーヴォハ短調の冒頭の話だ。テノールの独唱が「彼が来る」「彼が来る」と語りかける場面。同カンタータの肝、花婿の到来を告げるシーン。

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ブラームスの第4交響曲の第一楽章冒頭にそっくりだ。ブラ4はホ短調で「H-G-E-C」と立ち上がるのに対し、長3度低いものの、音程の関係は丸ごと維持される。第4交響曲はフィナーレにおいてカンタータ150番の終末合唱が引用されることは有名だが、こちらの類似はあまりに瞬間芸的なので見過ごされている気がする。

この程度で興奮していては身が持たないと知りつつつい。

2020年10月 7日 (水)

人の望みの喜びか

もっとも名高いカンタータと問われたらいったい何人の人が「147番」と答えるのだろう。「主よ人の望みの喜びよ」と和訳される傑作。古来さまざまな編成に編曲されてきた4分の3拍子ト長調の流れるような8分音符の連続が、あふれ出る喜びの表現と解されている。主役のコラールをもかすませる8分音符の羅列は事実上8分の9拍子になっている。

ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ6曲中の一番お気に入りは第4番ハ短調。その第3楽章は、前後のバッハ独特の厳しさをたたえた楽章にはさまれてさながらオアシスのよう。Adagio4分の3拍子なのだが、チェンバロの右手だけはカッコ書きで「8分の9拍子」と併記される。
ヴァイオリンがG線開放弦すぐ上の「B音」から深々と立ち上がり、60小節間芳醇な癒しを供給し続ける裏で、チェンバロの右手を聴くがいい。これを聞くための目的ならチェンバロに代えてピアノでも悪くない。
どうだろう。私にはこれが「主よ人の望みの喜びよ」と重なって聞こえる。ヴァイオリンはオブリガートとさえ感じる。

 

2020年8月16日 (日)

BACHの名によるフーガ

バッハという姓を構成する4文字は全て音名に転換が可能だ。その順に並べるとたった4文字なのに半音関係が2度もある。作曲家たちの想像力を刺激したと見えてこの旋律を用いた作品が古来数多く生まれてきた。バッハ本人の「フーガの技法」は名高い。このほど興味深いCDを入手した。

 

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BACHの主題を用いたオルガン作品集だ。例によってブックレットは情報の宝庫で、BACHの主題を用いて作品を書いた作曲家の数を「300人以上」と断言している。どこでどう数えたか知らぬが、驚いた。

バッハ本人に加えて、作曲家として名を遺した4人の息子の内、長男のウィルヘルム・フリーデマン以外の3名の作品が収録されている。

やけに楽しい。

 

 

 

 

2019年5月14日 (火)

BuxWV149

ブクステフーデのPraeludium Gmollのお話。8分の12拍子華麗な16分音符の連続でバッハ然と立ち上がる。やがて7小節目からペダルが加わる。

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こんな感じ。付点4分音符7個の羅列が「ブクステフーデ」に聞こえて仕方がない。

 

2019年5月13日 (月)

パッサカリア瓜二つ

昨日話題にしたブクステフーデのパッサカリアニ短調BuxWV161の冒頭部分は以下の通りだ。

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一方、バッハにも名高いパッサカリアがある。ハ短調BWV582である。

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ブクステフーデは4小節単位、バッハは8小節単位。調も違えば拍子も違い、共通するのはアウフタウト5跳躍くらいなのに、瓜二つと感じる脳内ブクステフーデ補正が重症だ。

2019年4月14日 (日)

二声ということ

テレマンのコラール前奏曲が二声と三声に編曲されていると書いた。二声は、バッハの同種の作品を聴き慣れている耳にとってはすっきりした印象になる。

例えばTWV31:20

 

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「二声」というともっともらしいが、2つの声部のうちどちらかはコラールの定旋律であることを考えると、単純な伴奏と旋律ととらえなおすことができる。例示したBWV31:20は、定旋律が終始右手側に置かれているから一段とシンプルだ。

テレマンのコラール前奏曲、とりわけ二声バージョンは、「旋律と伴奏」という枠組みで理解できる。次の世代古典派の先取りとも受け取れる。

 

 

 

 

2019年2月22日 (金)

パッヘルベル起源

バッハのカンタータ150番「主よ我汝を仰ぎ見む」は、ブラームス愛好家にとっては特段の位置づけだ。終末合唱の低音主題が、第4交響曲のフィナーレの母体になっているからだ。

同時にバッハのカンタータを俯瞰する立場からも、話題の多い作品だ。現状で申せば、現存する最古のカンタータである公算が高い。

さらに一部の研究家はパッヘルベルとの関係も指摘している。パッヘルベル作品の主題が、先の終末合唱の低音主題に転用されているという見解だ。

えらいこっちゃ。

パッヘルベルのどの作品なのだろう。もしパッヘルベルからの転用が事実なら、第4交響曲フィナーレの起源はパッヘルベルにさかのぼることになる。おそらくパッヘルベルのニ短調のシャコンヌだ。低音の主題がバッハのカンタータ150番にそっくりである。

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この作品とてもいい。このベースライン目当てで聴き始めたがどうしてどうしてとてもいい。

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