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カテゴリー「204 室内楽」の389件の記事

2017年9月24日 (日)

ビオンディスタ

銀座王子ホールにてビオンディを聴いてきた。プログラムは全てチェンバロとの二重奏でいわゆるヴァイオリンソナタだ。

  1. コレルリ 第9番イ長調 op5-9
  2. ヴィヴァルディ 変ロ長調 RV34
  3. ジェミニアーニ ニ短調 op4-8
  4. タルティーニ ト短調 op1-10
  5. ヴェラチーニ ニ短調 op2-12
  6. ロカテッリ ニ短調 op6-12

上記の通りの順序、3曲目のあと、20分の休憩。6番目の演奏後アンコールを3曲。

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2曲目まではアンコールの前にビオンディご本人が英語で曲目を紹介した。イタリアンソナタの演奏会のアンコールにバッハを弾く理由もサラリと説明してくれている。ヴァイオリンの超絶技巧と対照的な穏やかなトークだった。BWV1019は「ト短調」ではなく「ト長調」だし、「Ⅳ」ではなく「Ⅴ」のはずだが、これはビオンディさんの責任ではあるまい。バッハが聴けたのは望外の喜びだ。

パガニーニもすごかった。難易度を感じさせない小洒落た感じ。

引っ張り出された感じでステージに戻ると、今度は曲の説明なしにアンコールを弾きだした。ヴィヴァルディの四季から冬の第二楽章を暗譜で弾いてくれた。聴衆がみな知っているはずという確信のたまものだろう。この季節に「冬の雨」を持ち出されて少々面食らった。でも実は四季の中で一番好きな曲。超絶技巧の発露ではない。アドリブッ気も控えめで、ただしみじみと静溢なメロディーラインに浸される。

不覚にも涙が出た。理由はわからぬ。今までに何度も聞いた冬の雨なのだが、こんなことは一度もなかった。「みんなありがとね。最後にみんながよく知っているとっておきを弾きますね」というメッセージが込められた演奏。ただただありがたくて涙が出た。

最後の和音がチャーミングなピチカートで鳴らされたとき、会場全体がほほ笑んだ。

極上の「ビオンディ体験」を永遠に記憶するために、この記事をもってカテゴリー「316 ヴィヴァルディ」を立ち上げる。

2017年4月16日 (日)

いやはやレア

とうとう、とうとう念願のホルン三重奏曲のヴィオラ持ち替え版にありついた。CDが見つかったのではない。生の実演を鑑賞できた。

上野の東京文化会館小ホール

  1. ヴァイオリンソナタ第2番イ長調op100(ヴィオラ版)
  2. ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調op108
  3. 主題と変奏 op18b
  4. ホルン三重奏曲変ホ長調op40(ヴィオラ版)

最初のヴァイオリンソナタは、ヴァイオリンのパートをヴィオラで弾いてくれたもの。演奏者本人の編曲。曲のラストで重音が連なるところが目立ったくらいで、全体にC線の使いっぷりも自然でキュート。ヴィオラの丸みを堪能した。

ニ短調ソナタもまた秀逸。しっとり感あふれる第2楽章と小洒落た第3楽章をはさむ両端楽章の高い集中力とキビキビと確信に満ちたアーティキュレーションが、イ長調ソナタとよい対照になっていた。

「弦楽器が上手っていいなあ」と心の底から思えた。同時に「ブラームスって天才」だと再確認できた。

ヴィオラ版が2番、オリジナル通りのヴァイオリン版が3番、これが逆じゃないことを、「プログラミング上の見識の高さ」と読み替えては飛躍が過ぎるだろうか。1番「雨の歌」を聞きたくなった。ヴィオラ版も悪くあるまい。

特筆すべきはピアノだ。勘所をおさえたと申すか、メリハリの利いたと申すか、上手な弦楽器2名を包み込んで余りある圧倒的な余裕感が心地よいなどどと思っていたら、休憩空け再開後の「主題と変奏」ではまた別の引き出しから職人芸を取り出して見せた。弦楽六重奏曲第1番の第2楽章をクララのために自らピアノ独奏用に編曲した小品なのだが、中間部の長調に転ずる一帯の聞かせ方ではまた小洒落た感じに戻していた。

さてメイン。

ソナタでは立って弾いていた弦楽器奏者が腰かけて演奏する。椅子不要を思わせる気合で、時々腰が椅子から浮くほどの熱演。ホルンの代わりにヴィオラを据えるのはブラームス本人の編曲だが、単なる「差し替え」というのはもはや無理。弓の動きや体のスイングがヴィオラとヴァイオリンでシンクロするので、視覚的には別物だ。第3楽章、変ホ短調の緩徐楽章と周辺楽章の対照っぷりはおそらく意図されたものだろう。フィナーレ第4楽章がきびきびと入りだした瞬間の解放感がその証拠。

大満足。

この編成で何をやるのだろうと心配だったアンコールは、ヴィオラ奏者が「熊本地震1周忌の祈りを込めてバッハ・グノーのアヴェマリアを」と紹介した。「バッハを尊敬していたブラームスにちなんで」と付け加える周到さも鑑賞の対象と見た。中途半端にハンガリア舞曲あたりを持ってこないところもスマートだ。

などと感心していたら、アヴェマリアの冒頭ピアノの弱音にはっとさせられた。結局今宵の主役はこのピアノだったのかもと思いながら帰路についた。

スペシャルコンサートまであと28日。

2016年8月12日 (金)

ひとまず信じる

ショップをうろついていて驚くべきCDに出会った。勢いで即買い。

チェロソナタ第一番ホ短調op38について、少し詳しい解説書では、この作品が元来4楽章であったことに言及される。事情があって緩徐楽章が省かれて現在流布する構成になったと説明される。クララや献呈先のゲンスバッヒャーは、本来の4楽章型を知っている。

ブラームス伝の著者カルベックは、省かれた緩徐楽章はチェロソナタ第2番の緩徐楽章に転用されたという説を唱える。2番の緩徐楽章を聴いた、ゲンスバッヒゃーやクララが沈黙している点と、これを主張するのがカルベック一人というのが難点だ。

このたび買い求めたCDは、チェロソナタ第1番本来版の世界初録音と謳っている。チェロソナタ第1番の第一楽章の後に、2番の緩徐楽章がおさめられているのだ。その次に平然とメヌエットとフィナーレが続く。カルベックの主張をひとまず信じて見せたということだ。このレアなCDがバッハの売り場に置かれていては見つけるのは至難だ。

チェリストはJuius BergerでピアニストはOliver Kernという。まあライブならともかくスタジオ録音だと、ありがたみは薄まる。この順で収録したのが世界初であるに過ぎない。古今のチェリストの帰依を勝ち取ってきたブラームスの両ソナタだから、2曲とも録音を残した者はあまたいて、とても世界初録音とは言えまい。

まあしかし、この手の乗りは嫌いではない。

2016年7月22日 (金)

ヨハネスコッホ

大学に入ってからヴィオラを習ううちに、ブランデンブルク協奏曲第6番に取り憑かれた。よくあるパターン。このときヴィオラとともに合奏に参加するヴィオラ・ダ・ガンバにも興味が湧いた。仲間との演奏の際には仕方なくヴィオラで代奏したものだが、それだとヴィオラばかり4名を集めねばならず難儀した記憶がある。

やがてそのガンバにチェンバロとの二重奏があるとわかって、ヴィオラでトライを始めた。当時ヴィオラで演奏したLPが見つからず、仕方なく買い求めたのがヨハネス・コッホ版だった。なぜ選んだかはシンプル。ヨハネスという名前に惹かれてのことだった。

チェンバロを担当したのがグスタフ・レオンハルトだった。2012年に亡くなったとはいえ、古楽器演奏の泰斗だ。1961年の録音だから巨匠33歳である。

長くこの演奏が脳内スタンダードだった。ヨハネスのお導きに違いない。

2016年2月14日 (日)

ジプシーアンサンブル

ご機嫌なCD手に入れた。

ラオシュ・ホルバート2世率いるハンガリージプシーアンサンブルが演奏するハンガリア舞曲だ。ハンガリア舞曲の原型を垣間見る思いがする。編成はヴァイオリン、ツィンバロン、ピアノ、コントラバスだ。ジプシー四重奏の基本編成なのだと思う。解説書にも興味深い話満載だ。超絶技巧ヴァイオリンはハンガリージプシーのお家芸で、名人の系譜は16世紀にまで遡るらしい。そしてその系譜の最後に位置するのがブラームスの相棒、エドゥワルド・レーメニだという。ブラームスはレーメニから正当なハンガリージプシーの語法を吸収したと考えられる。

これをもとにブラームスがピアノ4手用に編曲したのが名高いハンガリア舞曲なのだと思い知らされた。誤解を恐れずに言えばアクが抜かれている感じだ。市民社会の台頭とともに一般家庭に急速に普及したピアノを念頭にと申しては刺激が無さ過ぎる。彼等の演奏に比べればヨアヒムが編曲したヴァイオリン&ピアノ版もおとなしいものだ。

1番、2番、4番、5番、6番それに17番の6曲だけというのが残念だ。ドヴォルザークのスラブ舞曲10番が入っているのがご愛敬でもある。この編成でピアノ四重奏第1番のフィナーレが聞いてみたい。

2016年2月12日 (金)

室内楽ツアー総集編

室内楽ツアー総集編。ブログ「ブラームスの辞書」開設10周年記念企画が昨日終わった。本日はその総集編だ。

  1. 2015年05月11日 室内楽ツアー
  2. 2015年05月12日 カテゴリー付与
  3. 2015年05月13日 緩める
  4. 2015年05月14日 幸せな人たち
  5. 2015年05月15日 室内楽の初演
  6. 2015年05月16日 初演観察
  7. 2015年05月17日 室内楽の出版
  8. 2015年05月18日 初版の所見
  9. 2015年05月19日 ロ短調四重奏曲
  10. 2015年05月20日 イ短調ヴァイオリンソナタ
  11. 2015年05月21日 連歌
  12. 2015年05月22日 俳諧連歌の発句 FAEソナタ↓
  13. 2015年05月23日 FAEな人たち
  14. 2015年05月24日 ただただ可憐
  15. 2015年05月25日 ヨアヒムの見立て
  16. 2015年05月26日 乗り心地
  17. 2015年05月27日 ロ調へのこだわり ピアノ三重奏曲第1番↓
  18. 2015年05月28日 ロ長調
  19. 2015年05月29日 Sinfonia in B
  20. 2015年05月30日 ブログ開設10周年
  21. 2015年05月31日 ツアコンの資格
  22. 2015年06月01日 麻雀のBGM 弦楽六重奏曲第1番↓
  23. 2015年06月02日 急ブレーキ
  24. 2015年06月03日 装飾音符
  25. 2015年06月04日 粒より
  26. 2015年06月05日 下心六重奏団
  27. 2015年06月07日 ブラーム数列 
  28. 2015年06月08日 ボケ防止エクセサイズ
  29. 2015年06月09日 連弾ピアノトリオ
  30. 2015年06月10日 様式法則に対する悪行 ピアノ四重奏曲第1番↓
  31. 2015年06月11日  何が異質か
  32. 2015年06月12日 un poco crescendo
  33. 2015年06月13日 3連続3拍子
  34. 2015年06月14日 どこがジプシー風
  35. 2015年06月15日 電子ピアノの限界
  36. 2015年06月17日 ポコポコ ピアノ四重奏曲第2番↓
  37. 2015年06月18日 p poco espressivo
  38. 2015年06月19日  ヘルメスベルガー四重奏団
  39. 2015年06月20日 英国への伝播
  40. 2015年06月21日 無残な解説
  41. 2015年06月23日 我慢出来ない ピアノ五重奏曲↓
  42. 2015年06月24日 ふくだもなの余韻
  43. 2015年06月25日 今更の言い訳
  44. 2015年06月26日 10代のカルテット
  45. 2015年06月27日 poco stringendo
  46. 2015年06月28日 ヘッセン王女
  47. 2015年06月29日 弦楽五重奏曲ヘ短調
  48. 2015年06月30日 序奏考
  49. 2015年07月01日 3つ以内
  50. 2015年07月02日 ヨハネスの使い 弦楽六重奏曲第2番↓
  51. 2015年07月03日 グリムの法則
  52. 2015年07月04日 城門のそばの家
  53. 2015年07月05日 生誕180周年
  54. 2015年07月06日 前倒し開幕
  55. 2015年07月07日 肩透かし
  56. 2015年07月08日 mf と poco f
  57. 2015年07月09日 主題無き変奏曲
  58. 2015年07月11日 最長の半音進行
  59. 2015年07月12日 ジーク
  60. 2015年07月13日 メンデルスゾーン五重奏団
  61. 2015年07月14日 第一クオーター
  62. 2015年07月17日 長い坂道 チェロソナタ第1番↓
  63. 2015年07月18日 短調まみれ
  64. 2015年07月19日 メヌエットのテンポ
  65. 2015年07月20日 意外なはまりっぷり
  66. 2015年07月21日 ワルツの室内楽版
  67. 2015年07月22日 こけら落とし ホルン三重奏曲↓
  68. 2015年07月23日 聴衆の無関心
  69. 2015年07月24日 讃歌
  70. 2015年07月25日 Blechbrastche
  71. 2015年07月26日 名ばかりのEsdur
  72. 2015年07月28日 ジュピタースケルツォ
  73. 2015年07月29日 疑似ユニゾン
  74. 2015年07月30日 「mesto」が似合う調
  75. 2015年07月31日 種明かしの瞬間
  76. 2015年08月01日 ファウスト
  77. 2015年08月03日 ハ超の刻印 弦楽四重奏曲第1番↓
  78. 2015年08月04日 ロマンツェ
  79. 2015年08月05日 工事完了報告
  80. 2015年08月06日 作品番号の相乗り
  81. 2015年08月07日 弦楽四重奏曲第2番 ↓
  82. 2015年08月08日 やらかし話
  83. 2015年08月09日 逆転の3度進行
  84. 2015年08月10日 リズム感覚試験
  85. 2015年08月11日 クァルテットの楽しみ
  86. 2015年08月12日 アマチュアの視点から
  87. 2015年08月13日 ハイメランさんの見立てから
  88. 2015年08月15日 ヴィオラ最高音 ピアノ四重奏曲第3番↓
  89. 2015年08月16日 長いハミング
  90. 2015年08月17日 連続する長三度下降
  91. 2015年08月18日 はしゃぎすぎを戒める
  92. 2015年08月19日 郊迎
  93. 2015年08月20日 フェスティヴァル四重奏団
  94. 2015年08月21日 グアルネリ四重奏団
  95. 2015年08月22日 ヴィオラ弾きの祭典
  96. 2015年08月23日 ドキドキの告白
  97. 2015年08月24日 ラスカー 弦楽四重奏曲第3番↓
  98. 2015年08月25日 Allegro不在のソナタ
  99. 2015年08月26日 1:3:5
  100. 2015年08月27日 弱音器
  101. 2015年08月28日 光合成
  102. 2015年08月29日 天孫降臨
  103. 2015年08月30日 前半戦MVP
  104. 2015年09月01日 ハーフタイムショウ ハーフタイム↓
  105. 2015年09月02日 平均律室内楽楽章
  106. 2015年09月03日 校歌
  107. 2015年09月04日 山下り第一走者 ヴァイオリンソナタ第1番↓
  108. 2015年09月08日 名づけの根拠
  109. 2015年09月09日 「con anima」の処理
  110. 2015年09月10日 測定の手順
  111. 2015年09月11日 未完の約束
  112. 2015年09月12日 オプショナルツアー
  113. 2015年09月13日 クララの評価
  114. 2015年09月14日 結果公表
  115. 2015年09月15日 「con anima」の考察①
  116. 2015年09月16日 「con anima」の考察②
  117. 2015年09月17日 ラップタイム
  118. 2015年09月18日 29小節目
  119. 2015年09月19日 パターンの分類
  120. 2015年09月20日 フレッシュさんのテンポ
  121. 2015年09月21日 順次下降
  122. 2015年09月22日 演奏時間
  123. 2015年09月24日 コンマスの系譜
  124. 2015年09月25日 歳とともに
  125. 2015年09月26日 クレーメルさんの事情
  126. 2015年09月27日 本能の命じるまま
  127. 2015年09月28日 ヂュメイさんの場合
  128. 2015年09月29日 師弟関係
  129. 2015年09月30日 テンポは世につれか
  130. 2015年10月01日 楽しい作業
  131. 2015年10月02日 再現の妙
  132. 2015年10月03日 分類パターン314
  133. 2015年10月04日 お茶目ないたずら
  134. 2015年10月05日 閾値
  135. 2015年10月06日 下降導音
  136. 2015年10月07日 直前練習
  137. 2015年10月08日 Drei D
  138. 2015年10月09日 分布調査
  139. 2015年10月10日 レッレレーの分布
  140. 2015年10月11日 レッレレーの考察
  141. 2015年10月12日 音名違い
  142. 2015年10月14日 227小節の衝撃
  143. 2015年10月15日 到達音遷移型
  144. 2015年10月16日 和音型レッレレー
  145. 2015年10月17日 フェイクもどき
  146. 2015年10月18日 生まれた国
  147. 2015年10月19日 相関なし
  148. 2015年10月20日 こんな偶然
  149. 2015年10月21日 タイムアタック
  150. 2015年10月22日 pp grazioso e teneramente
  151. 2015年10月23日  ピアニストの群像
  152. 2015年10月24日 ピアノに光を
  153. 2015年10月25日 オクターブの中身
  154. 2015年10月26日 圧縮
  155. 2015年10月27日 ナチュラルの代わり
  156. 2015年10月28日 イタリアンショック
  157. 2015年10月29日 雨の歌女子会
  158. 2015年10月30日 ヴィオラ版雨の歌
  159. 2015年10月31日 標題考
  160. 2015年11月01日 雨の気分
  161. 2015年11月02日 経過音
  162. 2015年11月03日 半音の効果
  163. 2015年11月04日 CDにこめる意図
  164. 2015年11月05日 室内楽菓子舗
  165. 2015年11月06日 それぞれの番号
  166. 2015年11月07日 歌曲の初演
  167. 2015年11月08日 切り上げ時
  168. 2015年11月09日 アンバランスの言い訳
  169. 2015年11月10日 
  170. 2015年11月11日 厄介なランク付け
  171. 2015年11月12日 「con anima」再考
  172. 2015年11月13日 根本的な疑問 
  173. 2015年11月14日 人騒がせな断言 ↓ピアノ三重奏曲第2番
  174. 2015年11月15日 最後のスケルツォ
  175. 2015年11月16日 ユニゾンの効果
  176. 2015年11月17日 減七の味付け
  177. 2015年11月18日 秋の深まり
  178. 2015年11月19日 元祖逆オクターブユニゾン ↓弦楽五重奏曲第1番
  179. 2015年11月20日 無言ドルチェ
  180. 2015年11月21日 転調の狙い
  181. 2015年11月22日 ラズモフスキー
  182. 2015年11月23日 知らぬが仏
  183. 2015年11月24日 記事配置のパズル
  184. 2015年11月27日 余白の調節
  185. 2015年11月28日 予行練習 ↓チェロソナタ第2番
  186. 2015年11月29日 筆耕者クプファー
  187. 2015年11月30日 ハウスマン
  188. 2015年12月01日 異例のpassionato
  189. 2015年12月02日 初演の舞台 
  190. 2015年12月03日 Brahms meets Jazz ↓ヴァイオリンソナタ第2番
  191. 2015年12月04日  Amabile
  192. 2015年12月05日 2番先頭
  193. 2015年12月06日 G線仕様
  194. 2015年12月08日 Vivace di piu
  195. 2015年12月09日  似ているうちか
  196. 2015年12月10日 頂点としての7小節
  197. 2015年12月11日 一番遅いプレスト ↓ピアノ三重奏曲第3番
  198. 2015年12月12日 三連室内楽
  199. 2015年12月13日 フーバイとポッパー
  200. 2015年12月14日 4分の7拍子
  201. 2015年12月15日 ツアー記事200本
  202. 2015年12月16日 第三クォーター
  203. 2015年12月17日 第二主題の狙い撃ち ↓ピアノ三重奏曲第1番改訂版
  204. 2015年12月18日 「a tempo」と「in tempo」の錯綜
  205. 2015年12月19日 個体識別の取り決め
  206. 2015年12月20日 厄介なmp 
  207. 2015年12月21日 ブダペスト ↓ヴァイオリンソナタ第3番
  208. 2015年12月23日 ハイフェッツさんのリスト
  209. 2015年12月24日 末尾8
  210. 2015年12月25日 molt p e sotto voce sempre
  211. 2015年12月26日 ニ短調ソナタ
  212. 2015年12月27日 卵の上を歩け
  213. 2015年12月28日 果たして変わり者か
  214. 2015年12月30日 ヌヴー
  215. 2015年12月31日 108
  216. 2016年01月01日 室内楽の楽器たち
  217. 2016年01月02日 打ち上げ ↓弦楽五重奏曲第2番
  218. 2016年01月03日 ロゼー四重奏団
  219. 2016年01月04日 創作力の衰え
  220. 2016年01月05日 晩年の創作
  221. 2016年01月06日 音強のバランス
  222. 2016年01月07日 3大弦楽四重奏団
  223. 2016年01月08日 究極の四重奏団
  224. 2016年01月09日 英国での評判
  225. 2016年01月12日 un poco f ↓クラリネットイ三重奏曲
  226. 2016年01月13日 よく見りゃカノン
  227. 2016年01月14日 24という数 
  228. 2016年01月15日 スランプの名残
  229. 2016年01月16日 乗り気薄3本柱
  230. 2016年01月17日 初演の曜日
  231. 2016年01月18日 卒業演奏 ↓クラリネット五重奏曲
  232. 2016年01月19日 ソロシンコペーション
  233. 2016年01月20日 Quasi sostenuto
  234. 2016年01月21日 不思議な音
  235. 2016年01月22日 クラ5をヴィオラで
  236. 2016年01月23日 ロ長調のG
  237. 2016年01月25日 リピートの戻り先
  238. 2016年01月26日 キュートな選曲
  239. 2016年01月27日 そりゃ聴きたい
  240. 2016年01月28日 逆は真にあらずか クラリネットソナタ第1番
  241. 2016年01月29日 ザビーネマイヤー 
  242. 2016年01月30日 録音の状況
  243. 2016年02月02日 和声の文脈
  244. 2016年02月03日 ルチアーノベリオ
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  246. 2016年02月05日  アルバムの曲順 ↓クラリネットソナタ第2番
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  248. 2016年02月07日 多機能楽章
  249. 2016年02月08日 室内楽の中の変奏曲
  250. 2016年02月10日  室内楽言及ランキング
  251. 2016年02月11日 室内楽史上的位置づけ
  252. 2016年02月12日 本日のこの記事

2016年2月11日 (木)

室内楽史的位置づけ

厳密に突き詰めようとするなら、「室内楽の定義」は、少々厄介だ。だから「室内楽の歴史」にだってその厄介さが投影されてしまう。当然のことながら私の手には余る。ブラームスを室内楽史上に位置づけようなど、僭越もいいところだ。

作品は個別に味わえば事足りる。歴史的側面など無用だと言われれば返す言葉は無い。しかし、それこそが私の性格、本ブログのキャラだ。突き詰めの完全さは棚上げにして、今ブラームス室内楽の位置づけを私なりに試みる。

「室内楽という巨木に咲く、最後の大輪」

異論、お叱り覚悟の上。8歳年下の盟友ドヴォルザークが厄介な例外を形成するかとも思えるが、ブラームスの死後に室内楽を残していないという点が、決め手となってそう断ずる。バルトークやショスタコーヴィッチの関係者には不興を買うことも覚悟の上だ。彼ブラームスは音楽史上における室内楽の連綿とした伝統を深く心得ていた。それを踏まえた上でなお、敢然と自作を世に問うた。時代錯誤のそしりを覚悟で室内楽の保守本流の真っ只中に自作をそっと置いた。

根拠を提示すればするだけ、反論の余地も与えてしまう。知識の浅さも露呈するだろう。ブラームスが遺した人類の至宝24曲だ。室内楽ツアーを終えるにあたっての率直な感想である。

2016年2月10日 (水)

室内楽記事ランキング

ブログ開設10周年を記念した「室内楽ツアー」と平行して、室内楽24曲全てに「1曲1カテゴリー」を創設した。このほど過去の記事に対するカテゴリーの割付が終わった。ブログ「ブラームスの辞書」内における室内楽作品が記事の本数をキーにランキングが出来るようになった。それを以下に示す。

ブラームスの室内楽作品について、その最初の出版についてデータを集約掲載しておく

  1. ピアノ三重奏曲第1番ロ長調op8 21本 
  2. 弦楽六重奏曲第1番変ロ長調op18 14本  
  3. ピアノ四重奏曲第1番ト短調op25 16本
  4. ピアノ四重奏曲第2番イ長調op26 8本
  5. ピアノ五重奏曲ヘ短調op34 42本
  6. 弦楽六重奏曲第2番ト長調op36 13本
  7. チェロソナタ第1番ホ短調op38 6本
  8. ホルン三重奏曲変ホ長調op40 16本
  9. 弦楽四重奏曲第1番ハ短調op51-1 6本
  10. 弦楽四重奏曲第2番イ短調op51-2 8本
  11. ピアノ四重奏曲第3番ハ短調op60 13本
  12. 弦楽四重奏曲第3番変ロ長調op67 13本
  13. ヴァイオリンソナタ第1番ト長調op78 73本
  14. ピアノ三重奏曲第2番ハ長調op87 5本
  15. 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88 7本
  16. チェロソナタ第2番ヘ長調op99 10本 
  17. ヴァイオリンソナタ第2番イ長調op100 16本 
  18. ピアノ三重奏曲第3番ハ短調op101 5本
  19. ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調op108 9本
  20. 弦楽五重奏曲第2番ト長調op111 12本
  21. クラリネット三重奏曲イ短調op114 7本
  22. クラリネット五重奏曲ロ短調op115 14本
  23. クラリネットソナタ第1番ヘ短調op120-1 16本
  24. クラリネットソナタ第2番変ホ長調op120-2 15本
  25. FAEソナタ 11本

いやはや興味深い。ベスト3は下記の通り。

  1. ヴァイオリンソナタ第1番 73本 次女の名づけネタで盛り上がったせい。
  2. ピアノ五重奏曲 42本 これも次女。ふくだもなのおかげ。
  3. ピアノ三重奏曲第1番 21本 これは意外かも。

2016年2月 8日 (月)

室内楽の中の変奏曲

変奏の大家ブラームスだから、室内楽作品の中にもその痕跡が色濃く宿る。作品中で変奏の技法を駆使するケースは、もはやカウント不能だ。室内楽の単一楽章が変奏曲になっているケースを以下に列挙する。

  1. 弦楽六重奏曲第1番op18第二楽章ニ短調
  2. 弦楽六重奏曲第2番op36第三楽章ホ短調
  3. 弦楽四重奏曲第3番op67第四楽章変ロ長調
  4. ピアノ三重奏曲第2番op87第二楽章イ短調
  5. 弦楽五重奏曲第2番op111第二楽章ニ短調
  6. クラリネット五重奏曲op115第四楽章ロ短調
  7. クラリネットソナタ第2番op120-2第三楽章変ホ長調

見ての通り全部で7曲だ。第一楽章には存在しない。第二楽章に3回、第三楽章に2回、第四楽章に2回となる。ただし、クラリネットソナタ第2番は第三楽章でありながらフィナーレである。だからフィナーレは3回。

二重奏から六重奏まで、もれなく分布する。

第4楽章に変奏曲をおくケース2件、どちらもその最終変奏で第一楽章冒頭主題が回帰するという共通点がある。クラリネット五重奏のフィナーレに変奏曲を置くのは、モーツアルトのクラリネット五重奏曲を踏まえているかもと妄想が膨らむ。

第二第三楽章に来る5例は緩徐楽章だ。このうちクラリネットソナタは、緩徐楽章として立ち上がりながらも、変奏の終末でアレグロに転じ、これが終楽章を兼ねているという、凝りまくった構造になっている。

ブラームスが弦楽五重奏で作曲の筆を折ろうとしていた話は、まことしやかに取りざたされる。もし、クラリネット奏者ミュールフェルトとの出会いがなかったら云々である。もしそうなっていたら、弦楽五重奏2番の変奏曲は、最初の変奏曲との共通点をもっと注目されていただろう。両者は表裏の存在だ。

史上最高の室内楽作曲家にして、史上最高の変奏の大家。その有力な証拠がこの7曲だ。

2016年2月 6日 (土)

三楽章の根拠

まずは以下のリストをご覧いただく。

  1. チェロソナタ第1番ホ短調op38
  2. ヴァイオリンソナタ第1番ト長調op78
  3. 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調op88
  4. ヴァイオリンソナタ第2番イ長調op100
  5. クラリネットソナタ第2番変ホ長調op120-2

結論を先に申すなら、これら5作品は三楽章制を採用している。多楽章ソナタをいくつの楽章から構成させるかは、作曲家の自由だ。2楽章以上任意といっていい。ブラームスにおいて、この値は3~5になる。ピアノソナタ第3番だけが5楽章制だ。上記以外の室内楽20曲は全部4楽章となる。

3楽章制は、その組成から2種類に分類できる。

<A型> 標準の4楽章から舞曲が削除されたケース。上記では2番~4番、両ヴァイオリンソナタと弦楽五重奏曲第1番が、これに該当するとひとまず落としておく。残存した緩徐楽章の中に、急速なテンポになる部分があるかないかで細分出来る。無いのが1番。あるのが2番と弦楽五重奏曲第1番だ。この2曲では緩徐楽章の中間部がスケルツォを兼ねている。

<B型> 標準の4楽章から緩徐楽章が削除されたケース。チェロソナタ第1番とクラリネットソナタ第2番がこれにあたる。終楽章の冒頭が緩いテンポになっているのが、クラリネットソナタ第2番だ。同楽章はアンダンテで始まることで、聞き手は一瞬緩徐楽章が始まったものと錯覚する。

A型にもB型にも、削除された楽章の機能をカバーするような部分が、残った楽章に埋め込まれているケースとそうでないケースがある。

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