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カテゴリー「205 交響曲」の147件の記事

2017年7月 9日 (日)

ウインブルドン

テニス全英選手権は、140年前の今日1877年7月9日、第一回が開催されたという。テニス4大大会では最古の歴史を誇る。

その年、ブラームスは6月9日からオーストリア南部の保養地ペルチャッハで夏の滞在に入っていた。9月17日にリヒテンタールに移るまでの長い滞在の間、おそらくテニスなんぞ眼中になかったはずだ。第二交響曲作曲が佳境にさしかかっていたからだ。

2016年11月 3日 (木)

交響曲はお嫌い

ブラームスは3シーズン足かけ4年、ウィーン楽友協会の芸術監督の座にあった。楽友協会主催の演奏会の曲目決定権を持っていた。

1873年1月5日にメンデルスゾーンのカンタータ「もうひとつのワルプルギス」を取り上げ、1875年1月10日には歌劇「カマーチョの結婚」序曲を取り上げた。メンデルスゾーンの作品はこの2曲だけだ。

ヴァイオリン協奏曲も交響曲もさしおいて取り上げるという感覚は、現代の愛好家のそれとは隔たりがある。

この現象はメンデルスゾーンに限ったことではない。交響曲そのものが何故か忌避されている。ブラームス自身の交響曲はまだ1曲も完成する前だから仕方ないとして、ベートーヴェン、シューマン、シューベルト、モーツアルト、メンデルスゾーンの交響曲が全滅だ。彼等の作品は交響曲に限定しなければ取り上げているから、やはり交響曲を避けたのかもしれない。もちろんドヴォルザークもチャイコフスキーもない。唯一取り上げたのがハイドンの44番だけというところが渋い。

この手の渋めのチョイスが当時の聴衆の好みかというと、どうやらそうでもない。ブラームスの選択を水面下で批判する声は大きかったようだ。ブラームスらしく入念に準備された演奏ばかりだったようだが、選曲がこれでは客は呼べないという営業サイドからのブーイングがあったのは確実だ。

2016年10月28日 (金)

交響曲ハ長調

リヒャルト・ワーグナー現存する唯一の交響曲。弱冠19歳の作品。

ホイベルガーはこの作品についてのブラームスの見解を証言している。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻53ページだ。「ここからあのワーグナーが生まれるとは驚きだ」というものだ。

示唆に富んだ証言である。19歳の若書きにしては良く出来ているというニュアンスと、後年の楽劇群に比した落差の大きさも言い現していると感じる。同時にメンデルスゾーンの態度にも言及している。メンデルスゾーンは楽譜をちょっと見ただけで何も言わなかったらしい。曰く「メンデルスゾーンも忙しかったのだろう」だ。

同交響曲の自筆スコアは、現在行方不明だ。1833年ライプチヒ・ゲヴァントハウスの演奏会で取り上げられた時に紛失したという。このときゲヴァントハウスの指揮者だったメンデルスゾーンが何か事情を知っていた可能性は高いが真相は闇の中だ。ブラームスがメンデルスゾーンに言及しているのは偶然とは思えない。

2016年10月16日 (日)

イタリア交響曲

中学高校時代にベートーヴェンにのめりこんでいたことは既に何度も述べてきた。そのベートーヴェンラブの中にあって数少ない例外がメンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調op90だった。メンデルスゾーン本人は関与していないが「イタリア」と通称されている。

8分の6拍子AllegroVivaceでいきなり走り出す第一楽章が好きだった。鳴りまくるヴァイオリンをささえる木管楽器のタンギングが爽快だ。同じ8分の6拍子でありながらブラームスの第1交響曲とは全くの別世界だ。

スコーンと晴れ上がった青空、全く悩みのない明るさ。ドイツの人がイタリアに持つイメージはかくやと思わせるものがある。景色がよくて飯が旨い。車もカッコいいしサッカーも強い。

停滞することを全く許さぬかのように緩徐楽章さえ滑るように進み、全曲で30分を切る演奏だって珍しくない。

あくまでも直感だが、ベートーヴェンの交響曲第7番の直系の子孫のような気がしている。第1楽章の調性と拍子が同じだ。停滞しない緩徐楽章、終楽章の我を忘れる騒ぎなどなど共通する点が多いと感じる。それでいて手際がよくて品格がある。ベートーヴェン大好き少年の心に忍び込んでも不思議ではない。

2015年8月24日 (月)

ラスカー

ドイツの政治家。ビスマルクに対する反対勢力・国民自由党左派の領袖だ。ドイツ帝国成立後ビスマルクの政策にことごとく反対した政敵でもある。国民自由党の党首ではない。

さて、音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻173ページに大変興味深い記述がある。チャールズ・スタンフォードの証言だ。彼は1876年当時、完成したばかりのブラームス第一交響曲を英国で、作曲者本人に指揮させようと画策していた。ケンブリッジ大学からの学位授与とも関連するタイミング。彼の証言は貴重だ。ブラームスはヨアヒムやクララの説得の甲斐あって、渡英する気になっていたのだ。1877年のタイムズ紙の勇み足までは、その気でいたらしい。

第一交響曲の英国初演を1877年春と定めその準備が進められていた。その最終打ち合わせがベルリンで行われたと証言する。弦楽四重奏曲第3番の演奏の後ベルリンジンクアカデミーで打ち合わせたと明記されている。おお。何を隠そうこれは同四重奏曲の初演だ。この打ち合わせの席で、スタンフォードの隣に座った話好きの愉快な男がラスカーだったと断言されている。

ブラ1の英国初演の最終打ち合わせに帝国議会有力会派の領袖が同席していたということだ。その席にブラームスがいたかどうか明記されていないが、いたと考える方が自然だ。カールスルーエでの第一交響曲の初演のわずか5日前のことなので不安だが、第一交響曲の作曲者にして英国初演の指揮者であるブラームス無しに最終打ち合わせとは考えにくい。

ビスマルクに心酔していたブラームスが、ビスマルクの政敵と同席していたかもしれない話。

おっと、今日から12番目の室内楽、弦楽四重奏曲第3番だ。

2015年2月13日 (金)

シャコンヌの極意

3拍子、4小節または8小節の主題が低音部におかれて延々と繰り返される上で、変奏を展開するのがシャコンヌだ。口で言うのはたやすいが、これほどきつい制約もない。サディスティクな香りのする技法だ。ブラ-ムスは第4交響曲でこの技法を駆使した素晴らしいフィナ-レを書く。

知らずに聴かされたらシャコンヌであることなど解らない。制約を全く感じさせないほど多彩に曲が展開されるからだ。延々と低音主題に固執しながら、全く退屈することはない。

ブログ「ブラ-ムスの辞書」の管理人としては、全くもって羨ましい。ブログ「ブラ-ムスの辞書」はブラ-ムスという低音主題に貫かれたシャコンヌみたいなものだ。時々親バカネタが幅を利かすこともあるが、ブラ-ムスを見失うことがないよう注意している。難しいのはさじ加減だ。ブラ-ムス関連の話題に特化させましたといって、同じような内容の記事が続いてしまっては元も子もない。「ブラ-ムスに固執しているな」と感じさせながら、同時に「話題が豊富」とも感じさせねばならない。

もはや記事のネタと私の命のどちらが先に尽きるかの競争という様相を呈してきた。負けるわけには参らぬ。

2014年10月25日 (土)

演奏旅行と鉄道

第4交響曲は1885年10月25日にマイニンゲンで初演された。同地の宮廷管弦楽団をブラームスが振った。その後11月25日のヴィースバーデンまでの一ヶ月が初演月間とも言うべき下記の通りの状況。

  1. 1885年10月25日 マイニンゲン
  2. 1885年11月01日 マイニンゲン
  3. 1885年11月03日 フランクフルト
  4. 1885年11月06日 エッセン
  5. 1885年11月08日 ブッパータール-エルバーフェルト
  6. 1885年11月11日 ユトレヒト
  7. 1885年11月13日 アムステルダム
  8. 1885年11月14日 デンハーグ
  9. 1885年11月21日 クレーフェルト
  10. 1885年11月23日 ケルン
  11. 1885年11月25日 ヴィースバーデン
  • これを鉄道路線との関わりから眺めてみる。
    1. マイニンゲン→フランクフルト およそ70km南のシュヴァインフルトからヴュルツブルクを経由してフランクフルトに入ったものと思われる。総延長160km程度。当時も今もマイニンゲンは中核都市とまでは言えない。乗り継ぎもいれると一日はかかる。だから11月2日は移動日に当てられていたはず。1日の演奏会の打ち上げで飲みすぎた場合でも、寝坊は許されなかったと見る。
    2. フランクフルト→エッセン およそ200km。エッセンはルール工業地帯の中心都市だから、このルートは当時から大動脈だったハズ。あるいは乗り換えなしでという幸運もありえた。うまくいけば4日午後からの移動で4日中にはエッセン入り出来たかも。
    3. エッセン→ヴッパータール これは近い。南西に25km。急行に乗る必要もなかっただろう。移動には半日を見れば十分。演奏会が中1日になっているのは合理的。
    4. ヴッパータール→ユトレヒト ユトレヒトはオランダ。ヴッパータールから西に30km程のデュッセルドルフに出る。そこからユトレヒトまでおそらく直行便があったハズ。現代の特急なら2時間程度の距離。総延長約150kmくらい。丸一日で十分。
    5. ユトレヒト→アムステルダム 距離40km。現代なら30分くらい。11月12日が移動日になっているので楽な日程だろう。
    6. アムステルダム→デンハーグ 距離63km。現代なら45分。しかし移動日なしの公演だから、油断は禁物。現代ならアムステルダムの演奏会場からデンハーグのホテルへバス移動かもしれない。
    7. デンハーグ→クレーフェルト ドイツに戻る。まずはアムステルダムに45分かけて戻る。アムステルダムからドイツのデュイスブルクまではおそらく直行便がある。現代ならおよそ2時間。150km少々。デュイスブルクから南西に25kmでクレーフェルトに着く。一日かければOKだ。ここは公演が一週間空くので楽だ。
    8. クレーフェルト→ケルン ノイスやドルマーゲンを経由するライン西岸のショートカットが当時あったかどうかは別として、デュッセルドルフ経由になったとしても40km程度なので11月22日を移動日に当てることで問題は無さそう。
    9. ケルン→ヴィースバーデン およそ120kmライン川沿いを走る景勝コース。11月24日を移動日とすることでOK。ライン川を船でという風流な手もある。

    注意しておきたいことは4つ。まずこれらの日程は、鉄道利用を前提としない限り、物理的に成立し得ない。

    2つ目。このツアーはブラームスがひとり移動して現地のオケを指揮したのではない。ビューローを含むマイニンゲンの宮廷楽団を帯同していたのだ。おそらく100人前後のメンバーが大挙移動したのである。アウトバーンが完備している現代なら大型バスも考えられるが、当時は間違いなく鉄道だ。数十kmの移動でも、大所帯となるとそれなりの苦労があると思わねばならない。

    3つ目は楽器。第4交響曲に登場する楽器のうち、チェロはともかくコントラバス、ティンパニの運搬はどうしていたのだろう。あるいは、移動先で調達したのだろうか。

    4つ目は、ゲネプロ。これらの諸公演でゲネプロはどうしていたのだろう。前日のゲネプロともなると上記スケジュールのうちいくつかは厳しい日程になる。気心知れたマイニンゲン宮廷楽団だから、最悪ステリハのみでOKという希望的観測。

    2014年6月30日 (月)

    Nerobergbahn

    ウィースバーデン郊外にある登山鉄道。標高245mのネロベルクに登るための小さな鉄道なのだが、マニアの間では有名。世界唯一の水力鉄道だ。ワイヤーでつながれた2両のうち頂上側車両のタンクに水を満載し、その重みで傾斜を下ると、麓側の車両が引っ張られる仕組みだ。麓駅に着いた車両のタンクから水が抜かれ、同時に頂上についた車両のタンクに注水される。頂上側へはポンプで水をくみ上げているから、完全なエコではないものの、発想がユニーク。冬季は水の凍結を理由に運休という設定がすばらしい。

    ブラームスは1883年夏ウィースバーデンに滞在した。ここで交響曲第3番を作曲したことで名高い。当時ブラームスが滞在した家は、市街中心のマルクトプラッツから、ネロベルグに向かう途中にあった。もしやブラームスが乗車しているかと思って調べたが、開業が1888年だった。フランクフルトから近いので、乗車の可能性はゼロではないことが救いだ。

    「Nero」はイタリア語で「黒」だ。「Neroberg」は「黒山」かもしれないが、ローマ皇帝ネロに関係があるかもしれぬと妄想ばかりがふくらむ。

    2014年6月20日 (金)

    4番の位置

    交響曲1つ1つに独立したカテゴリーを付与した結果、それら各曲の言及回数が図らずもランキング化されることになった。本日現在の本数を以下に列挙する。

    この結果は、ブログ開設以来無意識に積み上げたものだ。1番への集中は、のだめネタも貢献している。無意識だっただけに、これらの数値には意味がある。本日以降、この数値が刷り込まれてしまうため、必ずしも公正とは言えなくなる。

    案の定次女がブラ4に挑戦すると知っただけでテンションが上がってしまい、鉄道特集を4日も中断してしまった。この先次女のブラ4ネタが膨れ上がると、鉄道特集のエンディングが年末にずれ込む可能性が出てきた。嬉しい悲鳴。

    2014年6月19日 (木)

    プレゼント返し

    昨日言及した第3次カテゴリー改訂の目玉は「交響曲独立カテゴリー体制」の導入だ。

    既存のカテゴリー「205 交響曲」にはブラームスの4つの交響曲が雑多に放り込まれていた。2033年までの継続を考えるとそれを放置するのはしのび難い。さらにそこには、ブラームス以外の作曲家の交響曲を話題にした記事も混入している。だからそれを整理したと書いた。

    しかしそれだけでは必ずしも正直ではない。

    次女が大学オケデビューでブラームスの第4交響曲にチャレンジすることが決まったことが大きなモチベーションになった。過去の記事をあたって、それらに交響曲各々のカテゴリーを再付与するのは、簡単ではない。一通り読まねばならないから時間がかかる。必要性を感じながらも、手が出せずにいた。

    このたび次女のブラ4挑戦は、またとない機会だ。4番関連記事だけを抜き出すことも考えたが、テンションが上がっているうちに全4曲で実施することにした。

    初めてブラームスの4番に挑戦する次女へのプレゼント。既に今日までに第4交響曲に関連する記事は40本を超えていた。それらを一括して閲覧することが可能になった。父の日のお返し。

    次女のブラ4にブラームスのご加護を。

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      はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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