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カテゴリー「207 管弦楽曲」の58件の記事

2017年4月 4日 (火)

Vltava

カタカナでなら「ヴァルタヴァ」と標記される。スメタナの連作交響詩「我が祖国」の第二曲目と申すよりは「モルダウ」と言ってしまうほうが早い。ドイツ語で「モルダウ」と呼ばれている川をチェコ語では「Vltava」というということだ。世界的に「モルダウ」で通っていること自体、ハプスブルク帝国支配の名残だろう。

作曲の背景や曲の内容についてはもう立ち入るまい。

今回の旅行でプラハを訪問して実際に川を見ることが出来て本当に良かった。ヴィシェフラドの眺め、カレル橋付近のたたずまい、ルドルフィヌム前、さまざまな川の表情に触れて、心からスメタナの言いたかったことが伝わった気がする。

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プラハ城とモルダウ川

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カレル橋から南側を望む

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カレル橋から北側を望む

しばらく交響詩「Vltava」が頭の中で鳴り続けていた。

1875年4月4日プラハにて交響詩「Vltava」が初演された。

2017年2月 7日 (火)

発車ベル

列車の発車を知らせるベル。ドイツでは何の合図もなくスルリと発車するので注意が要る。だからチェコも似たようなもんだと思っていたら、これがとんだサプライズだった。

構内アナウンスの前にスメタナの交響詩「我が祖国」第一曲「ヴィシェフラド」の冒頭主題が流れた。名高いハープの旋律だ。冒頭4つの音。このモチーフこそが「我が祖国」全体を貫く根幹になっている。人呼んで「ヴィシェフラドの動機」だ。第二曲「モルダウ」の終盤にも現れるから、ご記憶の人も多かろう。

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これだけでチェコ感満載だ。天井の高い旧コンコースの雑踏に鳴り響くさまは「天上の響き」かと。一方地下に広がる新しいコンコースではこの旋律は鳴らないし、地下鉄の駅でも同様だ。プラハ中央駅の発車合図ではなくて、由緒正しい旧駅舎でのみ聴くことが出来る仕組みだ。

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2017年2月 5日 (日)

聖ヨハネの急流

スメタナ作曲交響詩「モルダウ」の271小節目から「聖ヨハネの急流」に差し掛かる。333小節目で同名長調に転じて主題が再帰するまでがこれに該当する。音楽的には主題の再帰を準備する手順と解してよさそうだ。打楽器総動員やピッコロのキレキレの高音が印象深い。
スメタナ本人の詞書によれば、この「聖ヨハネの急流」を抜けるとヴィシェフラドに至るとある。やけに詳しい書き方から見て、この急流は実在するとみていいのだが、手持ちCDの解説書に残念ながらダム建設に伴う人造湖に沈んでしまったと書いてあった。

となると今度はその人造湖がどこなのかが気になる。

チェコの人造湖といえば、南部ブジェヨヴィツェの南西およそ40km、ドイツとの国境に沿うように横たわるリプノ湖が名高い。しかしここは、「モルダウ」の音楽の流れと合わない。源流を異にする2系統合流後でないといけない上に、狩猟や岸辺の結婚式よりも後、つまり下流でなければならぬ。狩猟や結婚式はどこでもできると言えばできるのだが、直感としてはリプノ湖では上流すぎるのだ。

源流を異にする2系統の合流は、ビール「バドワイザー」のネーミングの元となったブジェヨヴィツェ市内で起きているから、聖ヨハネの急流はそこよりは下流になる。

ブジェヨヴィツェより下流でプラハよりは上流のどこかでないと具合が悪い。候補はブジェヨヴィツェ北北西60kmのオルニク湖か、そこからさらに40km下流のスラピ湖のどちらかだ。最後の決め手はスメタナの詞書だ。「聖ヨハネの急流」を抜けるとほどなくヴィシェフラドに至るとするなら、後者、つまりよりプラハ・ヴィシェフラドに近いスラピ湖がふさわしい。

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スメタナのこうした詞書は実態に忠実だと思わねばならない。曲の理解を助けるための詞書がでたらめであるはずがない。これを読んだ聴衆が作品を聞いてなるほどと思うからこそスメタナの代表作に上り詰めたのだ。土地勘無視の記述は墓穴を掘るだけだ。

今、交響詩「モルダウ」の世界的な知名度を思うとき、この聖ヨハネの急流が現存していたら、大した観光資源になっていたことは確実だと思うと残念でならない。上の写真は、ヴィシェフラドから上流を望んだものだ。この方向およそ25km一帯に聖ヨハネの急流があるはずだ。

2017年2月 4日 (土)

我が祖国

「我が祖国」は、スメタナ作曲連作交響詩のタイトル。交響詩というジャンルはリストが考案したものだから、スメタナはリストからの影響を色濃く受け継いだ作曲家という認識は間違いとは言えない。ブラームスから見ればあちら側の陣営だ。

我が祖国全体を貫く郷愁は、チェコ人であれば共通のものらしい。モルダウは、それがある種の普遍性を獲得してしまっているかのようだ。

こうした音楽史の基礎知識が一瞬で吹き飛んだ。

念願だったドヴォルザークの墓参りを済ませてそぞろ歩くうちに、緩い坂道を上りヴィシェフラド城の城壁の上にただどりついた。

あまりの絶景に息を呑んだ。

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眼下にはあのモルダウ川。訳もなく脳内にモルダウが鳴り出した。目頭がみるみる熱くなってゆく。

モルダウ川からこちらを見ればおそらく「高い城」に見えるはずだ。「ヴィシェフラド」の地名そのままだろう。

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「我が祖国」という作品はこの絶景が基礎になっているとつくづく感じた。この同じ景色をスメタナもドヴォルザークも眺めたことは確実で、背後の教会に二人とも埋葬されている。

大げさでもなんでもなくモルダウ観を変えざるを得ぬ体験。

2017年2月 2日 (木)

モルダウ経験史

中学3年の秋に、クラス対抗合唱大会で歌ったのがモルダウ体験の始まりだった。ほどなくクラシック愛好家の常識として交響詩「モウダウ」に触れ、連作交響詩「我が祖国」の成り立ちを知識として吸収した。興味の中心はベートーヴェンであったにも関わらず、お気に入り側に属する曲だった。

大学入学後、ヴィオラを始めて、やがてブラームスに傾斜していったが、4年の現役の間に何度か定期演奏会の候補曲になったこともあり、ヴィオラのパートを中心に細部を研究した。
ヴィオラおいしくて難しいというのが当時の感想だ。フルートが走り出してヴァイオリンがピチカートを添える冒頭から数えて24小節目でG線第一ポジションの「H音」を放つ瞬間が大好きだった。せせらぎだったモルダウ源流が、深さと幅を増す描写とみて間違いあるまい。ほどなく16分音符単位での「C音」との交代による波立ちも始まる。
やがて練習番号A36小節目に至って、トライアングルのチャーミングな登場を合図に、冒頭のフルート主題を引き継いで、名高いヴァイオリンその他の旋律を準備する。このあたりヴィオラ冥利に尽きる展開だ。真打の旋律の下でずっと水面下の流れであり続ける快感は相当なものだが、難しくもある。
しかし、この程度が私のモルダウ体験の全てだった。

2017年2月 1日 (水)

念願の墓参

2010年9月から1年間、ドヴォルザーク特集を展開した。ブラームスほどではないけれど、ドヴォルザークだって相当好きなのだ。

今回のドイツ旅行にプラハ訪問を織り込んだのは、なんとしてもドヴォルザークの墓参りがしたいからだった。プラハ郊外ヴィシェフラドにある教会の懐深きところにドヴォルザークは埋葬されていると聞いていた。

プラハから地下鉄で15分くらいのところにあるヴィシェフラド駅で降りろと案内のお姉さんに告げられた。地下鉄の駅になっていたのかとまずは軽い感動。駅まではスムースに着いたが、案内らしき案内はない。プラハは東欧にあってはそこそこの観光地なのだが、案内表示の不備には困惑した。仕方ないから通りがかりの人に「片言の英語」で尋ねると、手を伸ばして「ゴーストレート」と教えてくれた。

瀟洒な住宅街と思しき小道を進むこと10分で、城門があった。どうやらこの中らしいが、何せチェコ語では雲をつかむような話だ。「教会の境内」という情報をもとに案内図に中にそれらしきエリアを発見し歩くことにした。万国共通の「i」という標識の建物に飛び込んで、「ドヴォルザークの墓」と尋ねると、ここをまっすぐと言われ、簡単なパンフを見せられた。境内見取り図で、著名人の墓が記載されている。日本円で50円くらいなので記念にと買い求めた。

先にスメタナの墓が見つかった。墓碑には「モルダウ」の冒頭2小節の第二フルートのパートが刻まれている。いやいやこみあげてくる。

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さらに奥に進む。

壁際の屋根で覆われたところにドヴォルザークの墓があった。

柵があって近づけないのがもどかしい。柵の外から手を合わせた。なんだかなんだかジーンときた。

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2016年5月15日 (日)

ラデツキー行進曲

新春恒例のニューイヤーコンサートのラストで演じられる名高い行進曲。手拍子によってステージと客席が一体になる感じが心地よい。

1848年2月パリに始まった革命は、3月にはドイツ各地に飛び火した。ハプスブルク帝国内も同様でウイーンでも市民が蜂起したくらいだから、地方の主要都市は軒並みだった。当時ハプスブルク帝国の支配下にあったイタリアでも事情は似ていた。市民勢力の勢いは大したものだったが、悲しいかな横の連携が取れていなかったから、体制側はそこに付け込んで各個撃破して鎮圧した。

イタリアはベネチアの革命勢力を鎮圧したのがオーストリアのラデツキー将軍だった。申すまでもない。ラデツキー行進曲は見事ベネチアを鎮圧した将軍に対する讃歌だったということだ。

次女の高校オケでは、スペシャルコンサートで必ずアンコール曲となる。引退する3年生と1年生が唯一協演する。演奏後ステージ上で3年生から1年生まで入り乱れてハイタッチになることもある。わずか1ヶ月しか重ならない1年生と3年生の絆を象徴する作品だ。

本日14時開場15時開演のスペシャルコンサートのラストナンバーになる。恐らく18時を過ぎてからの演奏になるはずだ。

2015年7月27日 (月)

大学祝典序曲寿

本日母、80歳の誕生日。

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母が元気にこの日を迎えたことを家族全員で喜んだ。80歳にして元気であるばかりでなく、今もって現役バリバリの主婦。我が家の太陽。家族に漏れなく目配りをし、一家の主としてやわらかく君臨する。妻の死後、幼い子どもらをいつくしんできた。その子どもたちも末っ子の次女でさえ間もなく二十歳だ。子どもたちもそれぞれ熟考してプレゼントを用意していた。長男から花束、長女は口紅、次女はマカロン。

私からのプレゼントは下記。

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「Berncasteler Doctor」はモーゼルきっての銘産地。14世紀の昔、医者に匙を投げられた領主に、住民がワインを献上した。それを飲んだ領主が奇跡的に回復した。喜んだ領主は、そのブドウが採れた畑に「Doctor」という称号を与えたという。ドイツワインの白を好む母にふさわしいばかりか、健康長寿を祈る意味でまたとない由緒だ。天候に恵まれた2012年のアウスレーゼで母の傘寿を祝う。

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ラベル中央の扇状の斜面がその畑「ドクトル」だ。モーゼル川に面した南向きの斜面。手前がそのモーゼル川で、左が下流だ。

室内楽ツアーを喜んで中断して、母の傘寿を祝う。

2012年7月28日 (土)

レプレリュード

リストの交響詩。同ジャンルの代表作でもある。ここから作品解説やお勧めCDネタに走らぬは毎度毎度のお約束。

7月19日の記事「リストのソナタ」で、突然リストネタを乱入させ、その後今日までリストネタを連ねた。次女たち高校オケ36代がリストの「レプレリュード」に挑むことになった。今年のお盆の主役の一人ビューローがリストの娘婿であることから、記事「私事都合」を橋渡し役に利用して急遽リストネタを連ねた。既に書き溜めておいた記事でリストに言及した記事を繰り上げて公開した。その間ビスマルク特集は中断。

リストと言えばブラームスとは音楽的立場を異にするというのが定説。だからブログ「ブラームスの辞書」としては、どうしてもあちら側の人扱いなのだが、逆に言うといいチャンス。こういうことでもないと積極的にリストを話題にすることもない。

2012年4月 3日 (火)

学生歌ネタ100本

一昨日の記事で「学生歌特集」に属する記事が100本に到達した。いやはやかなりのサプライズだ。「歌曲」「民謡」が「交響曲」や「室内楽」より多いのは周知の通りだが、民謡から派生した「学生歌ネタ」がこれほど膨らむとは思っていなかった。

ブラームスもきっと喜んでくれる。

おっと今日はブラームスの命日。

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