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カテゴリー「840 販売の周辺」の37件の記事

2017年11月 5日 (日)

分かち書き

「ブラームスの辞書」執筆の前段階で実行したデータベース化の作業の中で、悩ましい問題があった。

楽譜をご想像願いたい。段の一番右端の小節のそのまた最後の拍から弱起で旋律が始まるとしよう。ブラームスがその旋律を「poco f espressivo」と位置付けたいとすれば、旋律の始まる音符の下に「poco f espressivo」と書くに違いない。手書き譜面ではそれで良いが、これが印刷に回ると厄介だ。弱起で始まるからその小節には音符が1個しかない。律儀に「poco f espressivo」と書くとその段の右端を形成する小節線より右に出てしまう。

これは美しくないから何らかの手を打つ。概ね以下の如くだ。

  1. 「poco f」までをその段に書き、「espressivo」を次段冒頭に書く。
  2. 「poco f」と「espressivo」を上下に重ねて書き、その段で収まるようにする。
  3. 「poco f」を五線の上側に書き、「espressivo」を五線の下側に書く。
  4. 「poco f」を「pf」と略し、「espressivo」を「espr」と略してその段に収める。
  5. フォントを小さくして無理やり収める。
  6. 弱起の最初の音符は無視し、次段の冒頭に「poco f espressivo」と書く。

ブラームスの楽譜にしばしば現われて軽い混乱を引き起こす「pf」の発生原因は、意外と4番かもしれないが、楽譜の見てくれとして美しくない。

5番のフォントの縮小は、小さくしすぎて見えなくならない限りとても有効だと思うが何故か採用されにくい。

1番から3番のケースが、本日お題「分かち書き」となる。

この実例に遭遇した場合、「poco f」と「espressivo」にそれぞれ1票とカウントするのか、やはり「poco f espressivo」とカウントするのかが大変悩ましくて厄介だということだ。「ブラームスの辞書」ではそのケース毎に私の基準で判断しているが、完璧ではない。記述のブレの大きな原因になっている。先の実例にあげた改段箇所以外にもこの手の分かち書きが疑われるケースは多い。出版社または校訂者の癖である可能性が高く取り扱いが難しい。

このように考えを進めて来ると、上記の6番が意外と優秀な対応だという気がしてくる。実際の楽譜上にもこうしたパターンは少なくない。これを見つけると嬉しくて一人でニヤニヤしたこともある。それは私自身分かち書きが好きではないからに違いない。

もしも貴方が「ブラームスの辞書」を引いて、目的の単語が載っていないと感じたら、もう一度その楽譜を見て周辺を確認することをお勧めする。分かち書きが起きていてる可能性があるからだ。

2017年10月 3日 (火)

グレーゾーン

「ブラームスの辞書」をお買い上げいただいた方から時々メールを頂戴する。手許に届いてすぐという場合と、少し読んでからという場合がある。みなさん大人の対応に終始していただいている。そのせいかコテンパンなお叱りのメールは今までに一度も無かった。

お叱りは無いとは申しても、中には意図を量りかねる場合もある。

「もっとエッセイっぽいかと思った。本当に辞書なんですね」というご意見が時々ある。これが実は悩ましい。お叱りとまでは行かないが少々の期待はずれというニュアンスがこもっているのかもしれない。メールからでは確かなことは判らない。グレーゾーンである。

お叱り含みだとすれば再発防止策の一つも講じなければならない。とはいえこの先続編の予定もないから、「今度から気をつけます」とも言えない。せめてブログ上で「お買い上げの前に今一度確認を」と注意を促すのが関の山だ。

けれども実はそれもなかなか難しい。本のタイトルは「ブラームスの辞書」だし、ブログでも「ブラームス専用の音楽用語辞典」と書いてある。「ホントに辞書なんですね」とおっしゃられても「申し上げている通りです」としか言えない。「辞書ですからお気をつけ下さい」と申し添えるのも変だ。

当ブログが、本の宣伝とは名ばかりで、紹介そっちのけのディープなブラームスネタばかり発信しているから、誤解されているのかもしれない。

2017年8月31日 (木)

閉店セール

長く愛されていた老舗が、諸事情により店じまいをする際、「売りつくし」と称してバーゲンセールを実施することがある。いわゆる「閉店セール」だ。客の側には、残念な気持ち少々と「きっと安いに違いない」という期待があって期間中にぎわうことも多い。平常閑古鳥だったために閉店に追い込まれるような店でも、このときばかりは別になる。

地方ローカル鉄道の廃止が決まるとマニアが殺到するのにも似ている。

一部の巧妙なマーケッターはこれを逆手に取ることもある。年がら年中「売り尽くし」「本日限り」のセールストークを掲げている店を見かけることは少なくない。

本が売れたり、ブログが見られたりするのは嬉しいとはいえ、私のブログ「ブラームスの辞書」でこの手法は使えない。著書「ブラームスの辞書」の現物が全部売れて品切れになってもブログ「ブラームスの辞書」を閉鎖することはない。ブログが終わるのは、管理人の私の身によっぽどのことが起きるということなのだ。それでも潤沢な備蓄記事があるから、ただちにブログ記事のアップが途絶えることはない。管理人の私自身はブログの最終回をアレンジ出来ないのだ。

ということはつまり「閉店セール」を打てないということである。

「閉店セール打てない」とエエカッコをしているが、実は怖くて打てないともいえる。もし「閉店セール」に打って出て、ブログのアクセスや本の売上が全く変わらなかったら、相当恥ずかしいからだ。

2017年8月 9日 (水)

自分を売り込む

就職して初めて配属された職場は営業部門だった。営業マンになった訳である。先輩から言われた言葉は数多いが今でもよく覚えているのが、「営業とは自分を売り込むことである」というものだった。当時はもちろん腹に入っていなかった。

著書「ブラームスの辞書」の宣伝・販売を目的としたブログの管理人として12年が経過した今になって、そのことが身にしみている。

書籍の内容と価格を示し、購入方法を示し、商品の画像を公開するだけでは売れやしないのだ。素人の自費出版本など、ちっとやそっとでは売れないのはお約束だ。幸い売れないことが死活問題になったりはしないから、いい気なモンだが売れるに越したことはない。A4版400ページ4300円の自著をどうしたら買ってもらえるかに知恵を絞る。

12年前に私が選んだ唯一の販売ルートがブログだ。この選択は今でも正しかったと思っている。このブログ上でやることは、「ブラームスの辞書を何卒よろしく」と連呼することではない。「こいつなら詐欺などやるまい」と読者に思わせることだ。これがなかなか難儀だ。すぐには信用してもらえぬのが世の中というものである。結局は単に記事を積み重ねることでしか示せない。記事の内容と配置でしか示せないということだ。私という人間のキャラをよく知ってもらうことに尽きる。知ってもらうことでただちに売れる訳ではないが、知ってもらうことなしには売れないと思う。

2017年8月 7日 (月)

需要予測

この先どの程度必要とされているかの予測。鳴り物入りで始まったイベントや、施設などが赤字であると報道される際、「需要予測の甘さ」が原因として指摘されることが多い。天気よりは予測が難しそうだ。計画が承認されそうな数値を先に作り上げて、需要予測をそれに合わせるという手法も時には用いられているらしい。

笑ってばかりもられないのが、自分の足下の話だ。今書籍「ブラームスの辞書」の手持ち在庫は100冊ほどだ。ここ5年間の傾向として、お買い上げ頂くのが年間5冊程度で、知人への贈与をいれれば10冊程度が私の許を離れる。単純計算としてあと10年で「ブラームスの辞書」の在庫が底を突くことになる。

一方ブログ「ブラームスの辞書」は2033年5月までの継続を目標にしている。表向きの名目は書籍「ブラームスの辞書」の宣伝であるにもかかわらず、最後の10年は販売用の手持ち在庫無しということになる。これは何気なく厄介な問題だ。「重版刷ります」となればカッコいいのだが、そうもいかない。

「年間10冊」という見込みが大甘で、年間5冊になってくれればなんとか凌ぐことが出来る。

2017年8月 2日 (水)

出荷管理

「ブラームスの辞書」は、自費出版本だ。そりゃあもう極端に露出が少ない。「ネット販売限定」というともっともらしいが、実際には「売っていない」に等しい。小部数の自費出版を逆手にとっていろいろ工夫はしているのだが、あまり売れ行きは期待できない。

それでも、売るにしろ提供するにしろ、他人様にお届けするのは実に気持ちのいいものだ。これも小部数を逆手に取った工夫のひとつだが、私の手許から離れてゆく「ブラームスの辞書」を記録している。

「出荷順」「出荷日」「出荷先」「opus番号」「送料」「売上金額」が一冊ごとに記録されている。エクセルに打ち込んでいるので、「粗利」「在庫数」はリアルタイムで把握できる。もちろん「opus番号」の管理もしていて、何番がどこの誰に手渡されたかがクリアになっていて、空き番号も一目でわかる。月末になれば倉庫側の在庫数と付き合わせることも行っている。

こうしたことが出来るのも書店においていないからこそなのである。

しがない自費出版の癖にこういう点だけは凝っているという訳だ。

2017年7月25日 (火)

営業マン

自社の製品やサービスを売る部署に属する人々のことだ。売上の中からコストを回収し、なおかつ利益を出さねばならない企業にあって、売上目標達成の根幹を担う人たちだ。同時に顧客との接点にあってコミュニケーションの主体となる。基本的には売りたい人たちだから、売れる話があれば夜討ち朝駆けで東奔西走し、少々の理不尽にもへこたれないよう訓練されているのが普通だ。

私は「ブラームスの辞書」の画像を刷り込んだ名刺を持っているくらいだから、「ブラームスの辞書」の営業マンにも見えるが決定的に違っているところがある。必ずしも「売りたい」とは思っていないのだ。売れれば嬉しいのは事実だが、売りたいわけではないという微妙な位置である。「ご縁があればお買上げいただくこともある」くらいのスタンス。

しばしばそこのところを勘違いしたような問い合わせに出くわして戸惑うことがある。もしかすると面食らっているのは相手の方かもしれない。

2016年12月28日 (水)

わくわく感

年の瀬のあわただしい中、都内の某古書店で、「ブラームスの辞書」を見つけた。音楽書の棚にチョコンと置かれていた。状態は美麗なのに、お値段も少々ディスカウンされている。

なんだか、くすぐったい感じがする。

売れ行きが気にはなる。時々のぞいてみようと思う。

2016年11月20日 (日)

クーリングオフ

通信販売や訪問販売に関連するトラブルから消費者を守るしくみのことだ。一消費者とすればありがたくて頼もしい制度だと思っていた。自分が本を売る立場になってしまった現在少々見方が変わってきた。

元々クーリングオフは深く考える時間を与えられないまま無理やり締結させられてしまった契約の解除が一定期間無償で出来てしまうという制度だ。消費者保護の代表格であるのだが、消費者自らが店舗に出向いた場合や、ネットショップに自らアクセスした場合には適用されないことになっているらしい。衝動買いのなんちゃって制度ではないのだ。一部の強引な売り手から消費者を守るための制度なのだろう。

我が「ブラームスの辞書」は強引な販売をしないので今まで売れた中ではクーリングオフされたことはない。注文が入ると「著者は専門の音楽家ではないので内容もそれなりですが、それでもいいのですか?」とお尋ねするという手順を欠かしていない。今までに数名の方がそうしたやりとりの中から注文を取り下げて下さった。これまで返品が無いということにはそうした対応も貢献している。

返品されても発生した送料は返って来ない等、返品のマイナス面はいくつか挙げられようが、「実際に届いてみたらさほどの本じゃなかった」ということかもしれないと思うと背筋が寒い。

そういう行き違いを最小限にするための工夫が実はブログ「ブラームスの辞書」なのである。

2016年8月29日 (月)

後の祭

「後悔先に立たず」を一言で言い切るとこうなる。私の場合かなり頻繁に訪れる。

最近もあった。

「ブラームスの辞書」は300部という小部数の自費出版であることを逆手にとって、1冊1冊に通し番号を打っている。122番目までは図らずもブラームスの作品と紐付けされることに他ならない。ただ付番するだけではなくて数字の前に「opus」を付与することで格段にお宝度が増す。このアイデアはとても夢があってよいのだが、落とし穴があった。123番目以降も同じ調子でopus123とやってしまったのだ。この調子でopus300まで続けてしまっている。

今になって思うことがある。122番まではそれでよいのだが、その次を「opus123」とせずに「WoO1」とすればよかった。「WoO」とは「作品番号無き作品」を意味する「Werke ohne Opuszahl」の略だ。現実のブラームス作品はWoO1のハンガリア舞曲に始まってWoO38までが実在する。どうせならこれらWoO番号も背負わせてあげたかった。「ハンガリー舞曲」「FAEソナタ」「51の練習曲」「ドイツ民謡集」などお好みの向きも多いと思う。

後の祭である。

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フォト

ブラームスの辞書写真集

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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