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カテゴリー「173 ヴィオラ」の95件の記事

2024年11月 6日 (水)

2ポジ苦手

ブランデンブルク協奏曲の第6番が、さながらエチュード変ロ長調となって重宝だと書いた。無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版にフラット2個のこの長調がないからだ。フラット2個が奉られるこの変ロ長調は、ヴィオラ演奏上の私の課題にぴったりだ。

そう2ポジ。第二ポジションが苦手という課題克服のよい教材だ。3ポジションへの移動や、そこでのフィンガリングに比べて、まだまだ練り込みが足りないのだ。それは初見演奏で現れる。3ポジなら初見でも割と便利に使えるのだが、2ポジは意図的に繰り返し練習しないと回らない。

G線第1ポジションのB音を人差し指で取る。このとき小指はEs音になる。あるいはD線で同様にすると「F音とB音」になる。これは変ロ長調の属音と主音だ。先のブランデンブルク協奏曲第6番にはこの進行が山ほど出る。ところが第1ポジや第3ポジでは移弦せねばならぬ。

息をするように使い回せるようになるために同曲はよい教材というわけだ。おじいちゃんヴィオラ弾きたるもの4ポジ以上の高いポジションをと思い詰める前にこちらの方が重要だ。

2024年11月 5日 (火)

エチュード変ロ長調

どこかにあったはずと思っていたが見つけられずにいた楽譜をこのほどめでたく再発見。

バッハのブランデンブルク協奏曲の第6番だ。事実上の2つのヴィオラのための協奏曲だ。学生のころレッスンの副教材だった。

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超、懐かしいなどと感慨にふけっている場合では無かった。全く弾けない。指が広がらない。

という訳で、やはり毎日これをコツコツと練習することにした。エチュード変ロ長調とはこのこと。無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版にはフラット2個の長調はないからちょうどいい。正確なチューニングに遅めのテンポ。メトロノームで淡々と繰り返すのみだ。

2024年10月30日 (水)

楽器痕

15年の休眠から覚めて頻繁にヴィオラに接するようになった。身体のあちこちに異変が起きている。

まずは顎当ての当たる位置に赤い斑点が出てきた。首ともう一カ所、左の鎖骨の端。学生時代にもあったが、楽器から遠ざかるうちに消えていたのがめでたく復活した。

それから左手、人差し指、中指、薬指の先が固まってタコになってきた。小指はタコの成長が鈍い。そらそうだ。巨大楽器の取り回し事情によって、開放弦を使いがちだし、できるだけ小指を使わぬフィンガリングを試行しているせいだ。逆に申せば小指のタコが成長するくらいまで、突き詰めればいいということかもしれぬ。

それから左手人差し指の第二関節の内側だ。このタコは指先のものより大きい。これは指板にあたることで成長している。とりわけC線側の低い弦を押さえようと思うと、指板に押しつけられることが原因だ。

タコというほど固まっていないが、弓を持つ際に唯一下から支える右手親指の先にもほんのり痕がついている。

いい感じである。

2024年10月29日 (火)

ヴィオラ無双

バッハの弦楽器用無伴奏作品はヴァイオリンとチェロのために書かれている。ヴィオラはスルーだ。室内楽やコンチェルト、あるいはカンタータなど宗教作品にでもたくさんの出番に恵まれていながら無伴奏作品にはありつけない。

物は考えようだ。 

無伴奏チェロ組曲をオクターブ上げ、無伴奏ヴァイオリン作品を5度下げれば、どちらも様になる。これら両方をそこそこ楽しめるのはむしヴィオラの特権ではあるまいか。無伴奏チェロ組曲のヴァイオリン版や無伴奏ヴァイオリン作品のチェロ版は、あまり楽譜を見かけない。

人前で弾こうなどという野望は元々なく、老後の慰みとして極上かと。

2024年10月18日 (金)

メトロノームワーク

15年の放置から覚めて、思い出したように取り組むヴィオラ。演奏会の曲目もそこそこに、指慣しのはずだったバッハに夢中だ。

今さらながらネタが多いが今日は極めつけ。

メトロノームだ。

練習にメトロノームが欠かせなくなった。若い頃は大切と知りつつ遠ざけてもいたが今はこれなしではいられない。楽譜にメトロノームテンポの指定なんぞあるはずもないから、自分で決めている。曲中のもっとも細かいところ、あるいは難所をカラリと弾ける位のテンポ。作曲者バッハが望むまでも無く舞曲には古来踏襲されてきた適正なテンポがあるはずだが、それはひとまず無視。やがてそうしたテンポで弾けるようになるための準備と自ら位置付けている。

ゆっくり弾けねば絶対に早くは弾けない。

演奏会の演目にしたって遅いテンポでいいから、ひとまず楽譜上の音はたどれるレベルにしてから、練習にのぞみたいものだ。

指回しの他に、ゆっくり弾いている間にやれることは山ほどある。右手の収まり、譜読み、ポジションなどなどだ。CDやDVDの演奏がいかに揺れているかも実感できる。

2024年10月14日 (月)

ヴィオラは光

それにしてもだ。BWV5の第3曲「あなたは神の泉」は特異な編成だ。テノール独唱と通奏低音、そしてそしてヴィオラ独奏。これだけだ。バッハの全カンタータを見回してもこれしかない。

変ホ長調4分の3拍子。突き詰めないテンポながら連続する16分音符がスラーでくくられながら、時に流れ時に淀みテノールに付き従う。

冒頭のアウフタクトはB音の4分音符1個。ここから満を持して6度上のGにせり上る。深々としたBだ。BWV140の「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」と同じBの4分音符1個のアウフタクト。

野望。これ弾きたい。なんとかしたい。

2024年10月12日 (土)

アルマンドマニア

BWV1004は大好きだ。無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調だ。そのト短調版をリダウト先生に聴かされて打ちのめされたが、こちらはただでは起きぬ筋金入りのドアマチュアだ。同曲の第1曲だけはなんとかならんものかと弾き始めた。重音が限定的なので、テンポ緩めてスラーぶった切りなら、音だけはたどれる。

そう第1曲のAlmandaだ。アルマンドと通称される舞曲。ドイツ舞曲だ。突き詰めないテンポの4拍子。必ず冒頭にアウフタクトを伴う。これがなぜ「ドイツなのか」なお深い事情があろう。

そういえば、無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版の6曲をいいとこ取りのつまみ食いをしているうちに、どの曲も前奏曲の次に置かれるアルマンドが気にいった。「♪=80」程度にメトロノームを設定して弾くと指慣しに格好の素材となる。遅いといえば遅いがアルペジオも重音もなんとか様になる。特にBWV1007ト長調、BWV1008 ニ短調、BWV1009ハ長調、BWV1010変ホ長調の4つはさらさら流れる。BWV1011ハ短調とBWV1012ニ長調は一旦棚上げだ。

ドイツ好きたるもの、アルマンドははずせぬ。

2024年10月11日 (金)

5度下でつまみ食い

ティモシー・リダウト先生の余韻に浸っている。

我が家に、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータのヴィオラ編曲版の楽譜がある。無理を承知で昔買い求めたものだ。それをめくりながら、過日のリサイタルを思い出している。元々独奏ヴァイオリン用にと書かれているが、それをヴィオラで弾こうという編曲だ。5度低く移調することで、同じフィンガリングで弾けるという寸法だ。楽器の大きさからくる取り回しや、発音の感度を別にすれば、無伴奏ヴァイオリン作品でバッハが想定した効果をそのまま期待できる。

理屈はともかく思い出すだにすごい演奏だった。

自分で弾くのはほぼ無理。無伴奏チェロ組曲のヴィオラ版よりは、数段難易度が上だ。シャコンヌはとにかく重音が物理的に無理だ。指が届かぬ。がむしろ、決定的に無理なのが右手だ。先般のリダウト先生の妙技の過半はやはりボウイングなのだ。自在に弓が操れてこそなのだと当たり前のことを再認識。

だから重音の出ない曲を、テンポ無視スラー無視でつまみ食いする程度。

すごい演奏に触れて、自分と比べての絶望的な差におそれおのおいて、楽器を遠ざける愚だけは犯すまい。

2024年10月 5日 (土)

空白の言い訳

職場オケの発足で楽器を取り出したのがおよそ15年ぶりだと繰り返している。その15年前になぜ楽器を触らなくなっていったのか記憶をたどっているところだ。

1992年今の巨大ヴィオラの購入後しばらくは定期的に弾いていた。室内楽ばかりだ。で2007年に今の弓を買った。2009年に長女の高校受験があって、楽器の演奏がはばかられるようになった気がする。予算の関係で間取りをケチったから私は自室をもっていなかった。楽器の練習はイコール家族への気兼ねとなっていった。CDやDVDの鑑賞も自粛するようになった。

もう一つは金回りだろう。住宅ローンの返済に子供の教育費で楽器どころではなくなっていったというのがもっとも正確な説明かもしれぬ。

2024年10月 4日 (金)

自己メンテ

懇意にしている楽器の主治医とときどき話をする。何気ない話だが本当にためになる。

いわく。

楽器の最良のメンテナンスは頻繁に楽器を弾くことです。

おおおお。

ケースを開けて空気にあてるだけで違うとも。取り出して音を出す。自分の弾く音を聴く。満足して練習を終える。ケースに戻す前に楽器と弓を拭く。柔らかい布でから拭き。またねとばかりにケースを閉じる。

これを頻繁に行うことがご自身でできるメンテナンスなんです。しかもお金はかかりません。加えて、なんとなんと運がよければ上達もするんです。

よいことだらけ。

15年放置はもう取り返しがつかないが、このあとずっと償って行こうと思う。

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