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カテゴリー「700 思い」の104件の記事

2017年11月 8日 (水)

音の無い音楽

趣味はと問われれば迷わず「音楽」と答える状況がもう40年以上続いている。ジャンルはと問われれば、「クラシック」と即答する。実はけして問われる事はないが、それがさらに3つに分かれている。「音楽を聴くこと」「楽器を弾くこと」「音楽を考えること」である。これに「作曲すること」と「歌うこと」が加われば完璧なのだが、そちらは諦めている。

このうちの3つ目「音楽を考えること」は、私にとっては立派な音楽になっている。本日のお題「音の無い音楽」だ。厳密な話をすると頭の中で音は鳴っている。この3つが互いに補い合いながらクルクルと回っているのが私の音楽だ。どれが欠けてもいけない。

そしてそして何を隠そう「音楽を考えること」をもう一歩進めた言い方にすると「考えを深めること」にたどり着く。ひいてはそれが「音楽の聴き方」「楽器の弾き方」に影響を及ぼす。

「ブログを書くこと」は「音楽を考えること」の一環になっている。浮かび上がった考えを整理し、検証し裏付けを取るという重要な役割を担っている。

バカにしていはいけない。この3番目の音楽はきっと、身体が動かなくなっても、耳が遠くなっても、最後まで残る音楽だ。ブラームスは頭の中で鳴ることをやめないだろう。

2017年11月 7日 (火)

ブラームス観

「~観」という言葉群がある。「結婚観」「人生観」「価値観」「男性観」「女性観」「恋愛観」「音楽観」などなど挙げればきりがない。「~に入る単語についての個人の考え」くらいなぬるい定義しか思い浮かばない。

人間の個性とはつまりそれらの「~観」の堆積なのだろうと思う。

ブログ「ブラームスの辞書」は私のブラームス観の反映である。著書「ブラームスの辞書」と補完しあって私の脳味噌に去来するブラームスへの考えを保存することが目的の一つである。「私はブラームスをこう思っています」「私はブラームスをこう感じています」を順次言葉に変換しているというわけだ。私のブラームス観を写す鏡がブログや著書だ。

あくまで主体は私の脳味噌なのだが、最近少し異変も感じている。鏡であるはずのブログが本体に影響を与えていると実感する。ブログ記事を書くこと、あるいは過去の記事を読むことがブラームス観に影響を与えている。著書やブログが無かったら、ブラームスへの考えをここまで深めることは無かったと断言出来る。

著書やブログで言及し尽くしてしまう心配はいらない。書けば書くほど次々と新しい一面が姿を現す。

そういう意味では私のブラームス観はまだ未完成である。

2017年10月30日 (月)

高樹悲風多し

「こうじゅひふうおおし」と読む。三国志の英雄・曹操の三男曹植の詩の一節だ。

「高い木には厳しい風が当たる」という程の意味だ。転じて徳や地位の高い人物にはそれなりの苦労があるという寓意が込められている。好きな言葉だ。

19世紀後半の欧州楽壇を舞台にした大論争の当事者ブラームスは、図らずも片側の陣営の首領に祭り上げられていたから、いろいろな形で理不尽な物言いの標的にされていた。作品や演奏の批評あるいは手紙など文章化されたものの中には現在まで残されているものもある。一方自称ブラームス派に属していても、攻撃の標的にされなかった無名作曲家も多かったに違いないし、攻撃されているうちに本当に音楽史から忘れられてしまった人だって少なくない。批判に耐えて100年後も作品が愛されているブラームスは「高樹」なのだ。

公開された批判に対するブラームスの対応は一貫している。

沈黙だ。

かくの如き大論争も今は昔、早1世紀を経た今、それらの理不尽な批判はブラームスの威光には何らのダメージも与えていないように見える。むしろそれらを口にした発言者の名誉には少なからぬマイナスも生じていよう。失笑のキッカケになることさえあるだろう。

台風の風だけはしきりにあたるが、わがブログに悲風は当たらない。

2017年10月21日 (土)

ネック

目標達成の前に横たわる障害のことだ。ボトルネックの省略形かとも思う。成し遂げたいと思う気持ちが強い事柄ほど、何だかんだで障害が立ちはだかるように出来ていると感じる。世の中思ったことが次々ととんとん拍子で実現するようには出来ていない。

だから人は時に自分の世界に逃避する。

きっと私のブログもそうだ。現実からの逃避だったハズのブログで、いつの間にか2033年5月までの継続を目標に掲げ、その前に立ちはだかるネックとやらを日々つぶして回るようになった。それが趣味にも快感にもなるのだから不思議である。お陰で毎日ブログ上で毒を吐いている。ブラームスには毒は無いが、私の文には毒がある。

毒に当たって他人様の演奏の邪魔になったり、鑑賞の妨げになったりしないことを祈る。幸い確固たる価値観を持った人たちは、どんなブログを見せられてもそれに影響されることは無いと思うし、悪影響なら次からアクセスしないという判断力を持っていると思う。それをアテにして開き直っているという訳である。

2017年10月 5日 (木)

キャラもろとも

音楽の聴き方の話。

コテコテのベートーヴェン大好き少年だった私の、学生オケデビュウがブラームスの第2交響曲だったことは既に何度も述べてきた。楽譜を見ながら何度も曲を聴いた。そしてあっという間に好きになった。ブラームスという作曲家のことなどほとんど知らないまま、ただただ曲が好きになった。作曲家のキャラや音楽史上の位置づけなど、何も知らないままただ曲に深く親しんだ結果、その曲を好きになったということだ。

あれからもう35年以上過ぎた。ブラームスは私にとって最愛の作曲家の位置に君臨し続けている。その間ブラームスについての情報をむさぼるように収集した。その結果音楽の聴き方がすっかり変わってしまった。

ブラームスという人物の性格、境遇、交友関係、当時の楽壇での地位、音楽史上での位置づけなど作品とは直接関係ない知識が、私自身の感受性に影響を与えるようになってしまっている。それらの情報を切り離して、作品だけを聴くことが既に出来なくなってしまっている。今更もう後戻りは出来ないくらいである。

良いのか悪いのか。

2017年9月30日 (土)

もしも願いが叶うなら

ある日、夢枕にブラームスが立って「何か一つ音楽の願いを叶えてやろう」と言ってくれたら私は何を所望するだろう。

ブラームスの音楽についての完璧な知識が大きな候補だ。夢からさめぬうちにと急いでこれを言いかけてはたと立ち止まる。完璧な知識を苦も無く獲得してしまったら、その先楽譜を見る楽しみが無くなる。

しからばとばかりに、ブラームス作品についての豊かな感受性を欲するとしても事情は似ている。感受性など他人様から苦も無くいただくものではない。青年期には青年期の感受性があり、壮年期、老年期でもそれぞれ別の感受性があろう。齢を重ねる毎に、同じ作品を聴いて感じるものが代わって行く様は、自らの心のありようを定点観測するようなものだ。

あった。ぴったりの願い事があった。ヴィオラ演奏の際の完璧な音程だ。これはいい。ブラームス作品を演奏する際に限って完璧な音程を出す能力があったら素晴らしい。その代わり、ブラームス以外の作品での演奏能力は今より落ちてしまうという条件でも一向に構わない。(バッハだけは免除してもらいたいものだ)

頭に去来する様々な思いを、キッチリと楽音に転写してみたい。音程はその第一歩だ。

いつの日か夢枕に立ってもらえるよう毎日ブログで信仰告白をしている次第である。

2017年9月27日 (水)

聴きたくなる文章

著書「ブラームスの辞書」の宣伝、次から次へと思いつくブラームスネタの保全を目的にしたパーソナルなブログであることは折に触れて述べてきた。それらを言い訳にして駄文を積み重ねた。

確かにブラームスネタを忘れないためのメモであるし、誰かに先に言われないための保険ではあるのだが、それがブログという器を得て図らずも世間様に公開する方法を獲得してしまった。そうなると厄介な課題が頭をもたげてくる。曲も聴かせず譜例も見せずに音楽を語る難しさだ。音楽を言葉で表わそうという試みは古今東西膨大な件数存在する。しかし、「曲も聴かせず楽譜も見せず」はむしろ少数派だろう。かといってこれを反省している訳ではない。私自身は、話題の場所がどの曲のどこかが判っているから、譜例無しでも、備忘録としては不自由なく機能する。

これからも「曲も聴かせず楽譜も見せず」という方針は変わることはない。それがブログのアキレス腱にならぬようただ工夫と精進を重ねるだけである。ブラームス同様、制約を楽しめるようになってみたいものだ。

2017年9月16日 (土)

奇遇の処理

毎日毎日ブラームスネタを探している。普通見逃してしまいそうな小さなことも拾い上げている。その甲斐あってときどき息を呑むような奇遇に出会う。

奇遇に出会ったら、まずは胸にしまう。とりあえず全てブラームスのお導きだと考える。「運が良かった」とか「偶然だ」とはけして思わない。ブラームスがこちらを見てくれている証拠だと前向きに手前味噌に解釈して、それを元気の素に変えるのだ。銀行の整理券が良い番号だったり、何気なく立ち寄った喫茶店でブラームスが流れていたりも皆全てブラームスのお導きだ。

スーパープラス思考である。

2017年9月14日 (木)

絶対に解のある方程式

数学苦手な文系人間としては、方程式は鬼門である。延々と時間をかけて取り組んでも報われないこともある。実数解が存在しない方程式だって珍しくない。そもそも実数解が存在するかしないかさえ見当もつかないことだってある。

同じ難解でもブラームスの用語遣いは、暖かい。絶対に解のある方程式のようなものだ。どんなに難解に見えていたとしても粘れば解に到達できる。今実数解が無いように見えるのは、こちらの側の知識や経験の不足によるもので、ある日ふとしたはずみでカラリと見つかることもある。見つかってみればなるほどなことが多い。

だからブラームス作品の楽譜に現われる用語についてあれこれ考えるのは楽しい。絶対に解が存在するという安心感は何にも代え難い。解るのは10年後かもしれぬし明日かもしれない。何かをきっかけに鮮やかな解法を思いつく可能性はいつもある。

「ブラームスの辞書」はブログも著書も、そのキッカケの集まりである。

2017年9月13日 (水)

好きの分類

長くブラームス愛好家を続けていると「ブラームスが好き」という言葉が人の口から発せられるのを耳にする機会が多い。もちろん自分も使う。定義が甘いことにかけては筆頭格の言葉だ。突き詰めるのは野暮でもある。

世の中の作曲家の中で1番好き。全ての作品を聴いた訳でもないし、聴いた作品全てで感動する訳でもないけれども、単に好きだ。私の定義はこんなものだ。好きなことに加えて暇もあるので本を書いたりブログを運営したりもしている。

「ブラームスが好き」と口にした人に「どんな作品が好きですか」と尋ねる。「ハンガリア舞曲」と「子守歌」ですという答えがあると難しい。これは「ブラームス作品全てを聴いたが、やっぱりこの2曲は最高だ」の意味であることは希である。

ある特定の演奏家の大ファンがいたとする。その演奏家の得意なレパートリーがブラームスだった場合、その大ファンは「ブラームスが好き」としばしば口にする。

上記2つは極端な例である。けれども大抵はそれぞれの基準に従ってご本人が「ブラームスが好き」と自称することになる。

この多様性こそ尊重されるべきだ。突き詰めるのは野暮と申したのはそのせいだ。愛好家同士の飲み会では、目の前のブラームス愛好家がどのパターンなのか、早い内に見抜けないと話がすれ違うことも少なくない。そうしたスリルが一つの醍醐味になっている。

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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