アルカディア
ギリシャ語だ。「理想郷」を意味するらしい。田園的な環境が具備されているとき特にアルカディアと呼ぶようだ。
私にとって「アルカディア」にはこの他に忘れ得ぬ想い出がある。ウイーンを訪れた新婚旅行の時の話である。初日半日間を市内主要観光にあてる他は自由行動だった。意外と大変なのがお土産買いだった。効率よく買い求めるために一計を案じた。5日間観光しまくる間はお土産は一切買わないで、ひたすら好適品をメモったのだ。場所と価格をセットである。6日目にそのメモをたよりに買い物をした。観光そっちのけだ。
アルカディアはウイーン国立歌劇場のスーベニアショップの名前だった。音楽仲間への土産は気の利いた小物がいいと決めていたので、ほとんどここで買った。かれこれ4万円くらいになったと思う。この他の場所でも土産を買ったが全部をクレジットカードで支払った。8万かそこらになったと記憶している。今我が家にあるのは、ブラームスのブロンズ仕立ての像だ。実物はマイアルバムの中でも見ることが出来る。
何と言うことかとうとうこのときにウイーンで買った土産の代金は口座から引き落とされていないと亡き妻が言っていた。アルカディアだけでなく全部だ。そのカードはもちろんれっきとしたインターナショナルのカードで、その後日本で使うとしっかり請求されたのだが、ウイーンでの買い物の分はまだ請求が来ないんだと思う。
まさに理想郷である。もっと買っておけばよかった。
最近のコメント